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Boy’s fortune~選ばれし者~
Boy’s fortune
~選ばれし者達~
管理人より(最後までぜひ読んでみてね!!本当に面白いことが書いてあると思うからさっ!!)
この広大な宇宙には、幾千、幾億もの惑星が、瞬いている。
ある惑星は「人類」という生物が誕生し、またある惑星には「魔物」という凶悪な生物が誕生するなど、色々な生命体がそれぞれの惑星に存在していた。
そして、人類が誕生した惑星で運命を背負った6人の人間の歯車が今、回りだそうとしていた……
ここぺルナスの惑星ヘルスの町には、クライスという一人の少年がいる。
今日は、雲一つ無く晴れ渡り、町の子供達も外で楽しく遊んでいてとても良い天気のようだ。しかしクライスは、もう朝の10時だというのにまだベッドに潜もぐりこんで、ぐっすり眠っている。
ふいに階段からクライスの母、フェラの足音が聞こえた。
クライスの部屋をノックし、中に入ると
「早く起きてらっしゃい、クライス。」
と優しく呼びかけた。しかし
「あともう少しだけ……。」
と言うと、またベッドにもぐりこんでしまった。
「今日は、お友達と遊ぶんでしょう?もうみんな家の前で待っていますよ。早く行ってあげなさい。」
またフェラが優しく言うと、ばっとクライスは飛び起き、身支度を整えて家の外へ飛び出した。家の前には親友の武器屋の娘リリーがふくれ顔で、宿屋の長男ロイスがあきれた様子で待っていた。息を切らしているクライスを見て、リリーがここぞと言わんばかりに怒鳴る。
「全くもう!何分待ったと思ってんの!?」
「すっかり忘れてたんだよ…。ごめん。」
あまりの剣幕に圧倒されて、後ずさりしながら顔の前に手を合わせて謝った。
「今日は、海辺のほこらに探検に行く約束だったろ?場所…忘れたりはしてないよな?」
「忘れてなんかないよ!それだけはしっかりと頭に残ってる。」
ロイスの問いかけに答えながらクライスはガッツポーズをして、にっと笑ってみせた。
「場所は覚えてても、約束を忘れちゃ意味無いでしょ!」
「その通り!アハハハハハ!」
その会話に、3人はお腹を抱えて笑った。
そして、海辺のほこらへと走って行った。
「さぁ、中に入りましょう。」
リリーの言葉とともに3人はほこらの中に入っていった。
「思ってたより暗いな…。おいクライス。お前確かロウソク持ってくる係りだったよな?それで照らしてくれよ。」
「よし。」
暗闇の中、手探りでリュックからロウソクを取り出し、火をつける。
「これで私達の周りだけだけど、明るくなったわね。なるべく離れないように行動しましょ。」
だんだん目が慣れてくるにつれて辺りが良く見えるようになった。
そこらじゅうに生えているコケ、たくさんの奇妙な形をした何かのかけら。
クライスには、全てが薄気味悪く思えた。
「おい!これは何だと思う?」
ふいにロイスが大声を出した。指を指している方を見ると、不思議な模様が描かれた四角い石の様な物が、岩と岩との間に挟まれていた。クライスが、それを取ろうと手を伸ばした途端に眩い光が石の様な物から放たれたかと思うと、そこから金の冠をかぶった美しい女神がぼんやりと映し出された。
クライスは、リリーとロイスはどうなったのか、と辺りを見回した。
2人とも女神の方を不思議そうにじろじろと見ている。
「私は世界を治めるもの…。人々は私の事を「神」と呼んでいます。クライス、リリー、ロイス…あなた達はとても不思議な運命を背負っています。それはまだ、自分では分からないかも知れませんが…。」
女神がゆっくりと、そしてはっきりとしゃべり始めた。
「!?」
3人は驚きを隠せない表情をしたままそれぞれの顔を見合わせている。
「あなた達は不思議な運命を背負っています。そう…選ばれた者達なのです。そして、その運命は自分達で、自分の力で分からなくてはなりません。今からあなた達を違う惑星に転送します。そこで、あなた達3人と、その惑星でも選ばれた3人がめぐりあい、伝説の剣「レジェンドソード」・伝説の盾「レジェンドシールド」・伝説の鎧「レジェンドメイル」・伝説の兜「レジェンドメット」・を見つけ出した時…自分達の運命とはどんな事なのか、自分達は本当は何者なのかを知る事ができます。…それでは…転送します…。」
「待ってくれよ!俺達が選ばれた人間ってどういう事なんだよ!」
ロイスは余りに急な事に戸惑い、女神に向かって怒鳴った。
が女神はその質問には答えず、呪文を唱え始めた。唱え終わったと同時に淡い光が3人を包みこんだかと思うと、その場から1秒もたたない内に消えてしまった。
「うー…ん…。」
暖かい日差しでクライスは目を覚ました。
ムクリとベッドから起きると、まだ眠そうに目をこすりながら辺りを見回した。
そして、目を丸くしてまた辺りを見回した。そこは、クライスが見た事も無い部屋だったからだ。
(ちょっと待てよ…あの時女神に違う惑星に転送するって言われて…!…とするとここは俺が今まで住んでた惑星じゃなくて…ちがう惑星…って事…か?……夢…じゃないよな…。)
自分の頬を軽くつねり夢ではない事を確めた後、首をかしげながら今までの事を思い出していると、階段から足音が聞こえたのに驚き、クライスはそちらの方をさっと見た。
そして、階段から上がってきたのは青色の長い髪の優しそうな顔をした女の子だった。クライスと同じくらいの歳だろうか…。
「あっ!気が付いたの?」
彼女は嬉しそうな声でそう言うと、手に持っていたコップをテーブルの上に置き、クライスの寝ているベッドへ寄ってきた。
「あの…ここは…?」
クライスが少し戸惑いながら聞くと
「ここは、二―ルの村よ。」
と彼女はニッコリと微笑みながら答えた。
「あなたは、ここの村から少し離れた木の下に倒れてたのよ。
私が何度呼んでも起きないから、とりあえず家に連れてきたの。」
彼女はそこまで言うと
「はい、お水。」
とクライスに、テーブルの上に置いた水の入ったコップを差し出した。
「ありがとう。」
クライスは言うと、その水を一気に飲み干した。
彼女は、水を飲み終わるのを待ってから口を開いた。
「まだ、私の名前を教えてなかったわね。私はルナって言うの。よろしくね。あなたは?」
「僕の名前はクライス。よろしく、ルナ。」
クライスは明るく答えた。
「ふーん…クライスさんって言うの。
それで何処からきたの?」
ルナの質問にクライスは少し頭をかきながら答える。
「えーっ…と…あの…ずっと遠くの…ぺルナスっていう町…なんだけど…。」
キョトンとしているルナを見て、
(とっさに町って言っちゃたけど…いいのかな?でも違う惑星から来たなんて言っても信じてくれるわけないし…町って言って正解かな…。)
クライスは、下を向いて口を閉じた。
なぜクライスが戸惑って答えたのか分からずに
「あっ、あの…ぺルナスって言う町から来たんですか。美しい所なんだろうな…。
私、まだこの村から外に出た事が無いから良く分からないんです。
・・・そういえばクライスさんってこの村の事、どこかで聞いたり見たりした事ありませんか?」
そう言いながらルナはクライスをじっと見つめた。
「いや…。悪いけど知らないよ。」
クライスは、顔を上げ申し訳なさそうに言った。
「仕方ありませんよね。こんな小さな村なんか…。」
ルナは悲しそうにうつむいた。
「あ…いや、でも俺この村の事知らないから案内とかしてくれると嬉しいなー…なんて…アハハ…。」
悲しそうなルナを見て、クライスが慌てて慰める。
途端にルナは嬉しそうに目を輝かせた。
「は…はい!まかせて下さい!私にできる事ってそれくらいしかないから…。じゃあ私、1階で待ってますから。もう少し休んでからでいいので1階に来て下さいね。」
ルナは、階段を駆け下りていった。
クライスはベッドから起き上がると、階段を下りて1階に向かった。
「あら?もう大丈夫なの?」
思ったよりも早く降りてきたクライスを見てルナは言った。
「もう大丈夫。気分もだいぶ良くなったから。それよりも早く行こう。」
初めての村に少し興奮しながらクライスがドアノブに手をかけた。
「あっ!待って。」
ルナが、早く行こうとしていたクライスを呼び止めた。
「実はこの村には
『初めてこの村に来た者は、村長の元へ訪れよ』
って言うちょっと面倒くさいしきたりがあるのよ。
だから、クライスさんを案内し終わったら村長さんの所に連れて行くわ。」
「分かった。それじゃあ出発しようか!」
クライスは勢い良く家から飛び出した。
途端にフワリと優しく暖かい風がクライスの体と心を包み込んだ。
あまりの気持ち良さに思いっきり深呼吸をする。今まで嗅ぎ慣れていた海の匂いとは違い、さわやかで美しい森の香りが体を駆け巡る。
「さっ、こっちですよ。」
ルナは丁寧にそして優しくクライスに、ニールの村の特徴や良い所などを説明していった。しかし、だんだんとクライスは村を回って行く内に、ヘルスの町の事を思い出してしまっていた。
(父さんや母さんはどうしてるんだろう…。俺がいなくなって寂しがってんのかな?
それに…リリーとロイスはどうしたんだ?女神は一緒の惑星に転送するって言ってたのに…。もしかすると違う場所に飛ばされたのかもな…。2人とも今はどうしてるんだろう…。)
クライスにはまだ、あの時の出来事が嘘のような気がしてならない。しかし見知らぬ惑星に今実際にいるという事は、それは、現実にあった事なのだと受け止めざるおえなかった。
「あの…大丈夫ですか?やっぱりまだ気分が悪いんじゃ…。」
ついついぼーっとしがちなクライスの事を心配して、ルナがおでこに手を当てたりなどして熱を測ったりしている。
「だ、大丈夫だよ。ただ…」
「ただ…?」
「ただ…友達の事を思い出しただけだよ…。実は、友達とここに来る途中はぐれたんだ…。
今ごろ何処で何してるのか…。」
ため息をつき、首を上げて空をながめるクライスを見てルナが口を開いた。
「村長さんなら知ってるかもしれない…。」
「えっ?」
真剣な顔つきで言っているルナに驚きクライスは聞き直した。
「村長さんなら知ってるかもしれない…。
だって村長さん、不思議な力を持ってるのよ。
私がまだ小さかった頃、転んで怪我をしちゃった時にたまたま村長さんが通りかかって、傷の部分をそっと優しくなでてくれたの。そしたら見る見るうちに傷口が塞がって、無くなったのよ。だから…そういう力があるんだったら…その友達のいる場所も分かるんじゃないかしら…。」
ルナの話を聞いて、リリーとロイスの居場所が分かるかも知れないと、少し希望を胸に抱いたクライスはついつい嬉しくなってしまい、声を弾ませて言った。
「村長の家はどこなんだ?さっそく案内してくれよ。」
「そうね。もう村も大体案内したし…。あとは、村長さんの家に行くだけだしね。」
そう言うと、ルナはクライスの前を歩いて村長の家に案内した。
「入りますよ?村長さん…。」
コンコンと扉を開け、ルナが家の中に入った。
「誰もいないみたいですね…。村長さんが帰って来るまで待たせて貰いましょう。」
ルナがそこら辺に座ったので、クライスも手ごろな場所に腰を下ろした。
30分くらいたっだろうか…。
不意にガチャリと音がして、白いヒゲを生やした穏和そうな顔つきの老人が部屋の中に入ってきた。
「おおなんじゃ、ルナ。きとったのか。」
そこまで言うと今度はクライスの方に向き直った。
「お主は…?違う所から来た者か?」
「村長さん。この方はクライスさんって言うの。」
ルナに紹介され、クライスは村長に向かってぺこりと頭を下げた。
それからルナが一部始終を分かりやすく説明した。
「ほうほう…。」
村長はうなずきながら聞いた後、しばらくして
「ルナはもう家に帰りなさい。」
と言った。
「それじゃあ…。」
クライスににっこりと微笑んで、ルナは家から出て行った。
村長と二人だけになった。
クライスは話す言葉が見つからず、村長の言葉を待った。
しかし村長は、目をつぶったままじっとしている。
絶えかねたクライスが、あの…。と話かけようとした時に村長は口を開いた。
「お主…、この惑星の人間ではないじゃろ…。」
いきなり真実を見抜かれたのにクライスは驚き、しどろもどろになりながら言った。
「あの…それは…その…。」
「隠さずとも良い。他の惑星からきたんじゃろう?そう…『ぺルナス』から…。
わしはこの村から出た事もあるし地図も見ておる。
それに…お主の心を見れば分かる。」
村長はそう言うと白いひげをなでた。
クライスはあまりにも自分の事を知られていたので
「なぜ分かるんですか?そんな事まで話してないはずなのに…。」
と聞いた。
「だからさっき言ったじゃろう?心を見たんじゃよ。
わしはウィッチなんじゃ。」
「ウィッチ…?」
「ぺルナスで言う魔法使いじゃな。
火の魔法などはもちろん人の心を見る事もできるんじゃ。
まあ心を見る事ができるようになるまでは厳しい特訓が必要じゃがの。」
村長は誇らしげに笑った。
この人ならあの2人の事も知っているかもしれない。先ほどから聞きたくてうずうずしていた事を口にだした。
「リリーとロイスが今何処にいるか分かりますか?」
「いや、さすがにそこまでは…。すまんの…。」
村長は、急にクライスに向き直って真面目な口調になった。
「ところで…お主の探している「レジェンドシールド」。わしはそれに関するような事を見た事があるぞ。」
「ほ、ほんとですか?!」
クライスは嬉しさのあまり、とびあがった。
「本当じゃ。あれは確か…
『魔王の使い現りし時
盾もまた現るる。
そのカギを握りしは
空から舞い降りる美しき色の粉なり。』
…じゃったかの。」
「何ですか?それ…。」
「わしも良く分からんが、昔この世界を旅していた時にどこかの村の石碑に刻まれていたんじゃと思うんじゃが…。…はて…?どこじゃったかの…。」
村長はその村を思い出そうとしているのか、頭を抱えてうなっている。
「思い出せん…。しかしどこかの村に必ずあったはずじゃ。」
「俺、行きます。」
途端にクライスは立ち上がった。
村長は、何を言っているのか分からない顔つきでクライスの目を見た。
「俺、その石碑探しに行きます。それにこんな所にいつまでもとどまっていたら、リリーやロイスも見つけられないし…。」
そこまで一気に言うとクライスは口をつぐんだ。
「ふむ…。それならルナの奴も連れていってくれませぬか?」
いきなり突拍子も無い事を言い出した村長をクライスは、目を丸くして見た。
「いや…、実はそれには訳があるんじゃ。」
そこまで言った後、少し間をおいて村長が話し始めた。
「実はあの子は…、ルナは両親と生き別れになったらしいんじゃ…。
それが分かったのは、12年前の事じゃ…。
ある日わしが川を歩いている時、ふと向こう岸を見るとぼろぼろの服には見えない、布切れの様な物をきてよろよろと歩いている女の子を見つけたんじゃ。しかも、後ろからは魔物が襲いかかろうとしていた。わしはとっさに魔法を唱えて魔物を倒した後、急いで女の子に駆け寄ったんじゃ。熱を出していて、とりあえずわしは家に連れて帰って寝かしてやった。その頃は熱を直す魔法なんぞわしは知らなかったからな…。
そしてふと胸に下げているペンダントから小さな紙が出ているのに気が付いた。
わしはその紙を開いて見てみたんじゃ。内容はこうじゃった…。
『私の名前はセイヌと言います。わけあってこの子を手放さなければいけなくなってしまいました。その訳とはウィッチマスターの血が流れているからです…。
そしてその事をある者に知られてしまったからです。そう、魔…。』
ここまでは読めたが、後は水でにじんで読めんかった。しかし、最後の文字だけは読めたんじゃ。
『この子を助けて下さい』
そう書いてあった。」
「あの…ちょっと…質問してもいいですか?」
クライスは、村長の話に疑問があったらしく質問した。
「ウィッチマスターって…?」
「ウィッチマスターとは、元からウィッチの家系に生まれウィッチの素質を持っている人の事を言うんじゃ。しかもその子供が生まれる確立は非常に少ない…。まあすごく珍しいという事じゃな。」
クライスはうなずいた。
「話を続けますぞ。
その手紙を読んだわしは驚いた。そう…ウィッチマスターの血が流れている事にじゃ。それにこの子を親にもう一度合わせてやりたかった。じゃがわしは魔法は何とか使えた物の、もう旅なんぞに出る力は残っていなかったんじゃ。そして数時間してその子は起きた。そしてわしはすぐに聞いた。
『君のお名前教えてくれる?』
その子はルナ…と言って微笑んだ。
しかし不思議な事にルナは、ここは何処なの?や、パパとママは何処?と言う事は聞いてこなかった。もっと小さい頃から、両親は自分達がいなくなった時の事を考えて色々教えたんだとわしは思う。わしも、聞いてみようとはした。じゃが、ルナの心を傷つけてしまうんではないかと心配で聞くに聞けなかったんじゃ…。そしてとうとう今に至っていると言う事じゃ。」
「それで、ルナの両親を合わせてやりたいって訳ですか?」
村長はコクリとうなずいた。
「それにルナはまだ、自分にウィッチマスターの血が流れているのを知らんのじゃ。
じゃからいつでも使おうとすれば、どんな魔法でも使う事ができる。そういう血が流れているんじゃからな。」
「そうですか…。それで…ルナが嫌だと言ったらどうするんですか?」
「それは、今日の夜にルナを呼んで全て話すつもりじゃ。両親の事もウィッチマスターの事も…。ルナも大きくなったからの。一人だちもできると思うんじゃが、やはり誰かが一緒じゃないと不安でな…。どうじゃ?今日の所はわしの家に泊まって明日の朝に出かけるというのは…?」
クライスもこの見慣れない惑星を一人で歩くのは少し不安だったので
「それじゃあ…そうさせてください。」
と返事をした。
優しい木漏れ日で、クライスは目を覚ました。
「うう…ん…。」
周りを見渡したが、そこには誰もいなかった。
(おかしいな…。村長さんはどこへ行ったんだ?)
クライスは起き上がると歩きながら、家の外に出た。
そしてそのまま村の入り口辺りまで歩いて行くと誰かに呼び止められて、クライスは振り返った。そこには、ルナと村長が立っていた。
「どうじゃ?良く眠れたか?…まあそれは良いとして昨日ルナと話あったんじゃが、
絶対に両親に会いに行くと言ってな。」
「うん!村長さんから話を聞いた時は少しショックだったけど…
でもやっぱりお父さんとお母さんに会いたいの。それにウィッチマスターの血が流れているのに、みんなのお役に今まで立てなかったなんて嫌なんです。
だから…クライスさん…。私を連れてってください。」
ルナは必死に顔の前に手を合わせ、クライスに頼みこんだ。
「そこまで言うなら…。」
クライスは頭を掻きながら、「本当にいいんですか?」という様な顔をして村長の方を向いた。
「…よし。ではルナ行きなさい。自分の両親を見つけるために…そしてこの世界を助けるために…!」
「はい!」
ルナは村長に向かっておじぎをすると、
「さあ、クライスさん、行きましょう。」
とクライスの肩を叩いて歩き出した。
「まだ着かないのかい?」
村を出てだいぶ歩いた所でクライスが口を開いた。
「うーん…。村長さんから貰った地図じゃもうすぐ着くはずなんだけど…。」
地図を広げて、ルナがどこかにそれらしき物はないかと遠くを見ている。
クライスはルナと反対の方を見ていた。すると
「きゃーっ!!」
とルナの甲高い悲鳴が聞こえた。
振り返るとそこには緑色の巨大なヘビの魔物がルナに向かって襲いかかろうとしていた所だった。
「この野郎ー!!」
クライスは、とっさにそばに落ちていた木の棒を剣代わりにして魔物に殴りかかった。
「おっと。」
魔物はひらりと身を交わすとクライスに襲い掛かった。
「ぐっ…!」
クライスがその場に倒れこんだ所を見て
「おいおい何だよ。威勢がいいだけか?ぼっちゃんよ!」
と笑いながら魔物はまたクライスに噛み付こうとした。
「フレイ!」
不意に後ろで声がし、火の玉が魔物めがけて飛んできたと同時に、魔物が叫び声を上げながら燃え始めた。
「グ…な・何でこんなチビが魔法を…!?ま・まさかお前達…デビルガイ様が言っていた選ばれし…者か…。」
しばらくのたうち回っていたが、魔物は力尽きてしまった。
「さあ立って。」
ルナはクライスに手を差し伸べて、立ち上がったのを見ると土のついた自分の服を軽く払った。
「ありがとう、助かったよ。それにしてもすごいよルナ!もう魔法が使えるなんて。」
興奮してクライスは拳を握りしめた。
「昨日私、村長さんの話を聞いた後にクライスさんのお役に少しでも立ちたいと思ってフレイの呪文を教えてもらったの。そしたらすぐに使えるようになって…。村長さんが「やっぱりルナにはウィッチマスターの血が流れておるわい。」って言ってくれて…。」
ルナは恥ずかしそうに顔を赤くしてテレながらうつむいた。
「やっぱり素質があるんだよ、絶対。
それで…フレイ…だったけ?
それってどんな魔法なんだい?何か魔物が燃えたみたいだったけど…?」
「火の魔法なの。小さな火の玉をつくって相手にぶつける魔法なのよ。村長さんが言うにはもっと色々な魔法があるんだけど、旅をしてる内に自然に身に付くって…。ねぇ…それよりも気にならない?」
「何が?」
「ほら…今の魔物が言ってた言葉よ。
『デビルガイ様が言っていた選ばれし者』。
いったい何なのかしら…。デビルガイって魔王の手先の名前かしら?それに選ばれし者って私達の事…?」
眉をしかめて唸っているルナの肩をたたいてクライスは言った。
「ほら、あそこに町が見える。あそこに行けばきっとデビルガイって奴の事も分かるよ。
とりあえず行ってみよう。」
2人は「ニールの村」の隣町に向かって歩いて行った。
「あら今日は。ここは明るい『サンの町』よ。みんな太陽みたいに明るいの。」
2人が町の入り口に着いた所で、小さな可愛らしい声の女の子がおじぎをした。
「ほら、やっぱりここサンの町だったよ。」
嬉しそうに辺りを見回しているクライスを見てあまりにも子供っぽく見えたので、ルナはクスッと笑ってしまった。
「それじゃちょっと買い物でもしていきましょうか。」
2人は、すぐ近くにあった武器屋に入ると、必要最低限の物を買った。
「ところでこんなに2人で買い込んで…冒険でもしてるのか?」
店の商品を袋に詰めながら武器屋の店主は、歯を出して笑いながら2人のどちらともなく問いかけた。
「そうなんだけど…ね。」
ルナは、袋を店主から受け取ったが余りにも重かったため、床に置いてしまった。クライスはそれを見て慌てて持ち上げ、その袋から一つずつ取り出すと、自分の持っている袋に詰め込んだ。
「ところでおじさん…。デビルガイって知ってる?」
「…さあ…?聞いた事はないなー。ごめんよ、力になれなくて…。」
さすがにすまなそうな顔をして、頭をかいた。しかし
「いやちょっと待てよ…。…物知りのあいつなら知ってるかもしれんな…。」
と手をぽんとたたいた。
「あいつ…って…?」
「この町の東の端に小さな井戸があるだろ?そこの中に変わり者のザクソンって奴が住んでいるんだが…。」
そこで店主は顔をしかめて話を止めてしまい、少しの沈黙が流れたが、耐えられなくなったクライスが口を開いた。
「だが…、何ですか?」
顔をしかめたまま店主は少し嫌そうに話し始めた。
「…本当にザクソンは変わり者なんだよ…。前は、急に『すぐ近く、我々に災いを及ぼす者が現れる!しかしそれと同時に黄金の御霊も現れる!我々にできる事はなんなのか!?それは黄金の御霊、選ばれし者への協力ではないか!?』などと叫び出していたからな…。
町長に少しの間牢屋に入れられたんだよ。それにあいつは、人を異常に拒むんだ。井戸の中に入ると途端に怒鳴られて追い出されてしまう。酷い話だろ?そこまで人を拒む理由はなんなのか…。ま、俺には関係ないんだがな。…そういう事だから遊び半分でデビルガイって奴の事調べてるんならなるべく近づかないほうが身のためだと俺は思うぜ…。お前達がどうしようと勝手だがな。」
店主はまた歯を出して笑うと、布でふいたり並び方を変えたりと、店の物を整理し始めた。
「ありがとうございました。」
二人はおじぎをしてお礼を言うと武器屋を後にして、早速ザクソンの家へと歩き始めた。
「ここかしら…?」
その周りだけは草が一本も生えていない井戸を覗き込み、クライスに問いかけた。何度もペンキを塗り替えたらしく、手でこするとはがれてくる。しかしきれいに磨かれたそれは毎日手入れをおこたっていないようだ。
「よし、入ってみようか。」
井戸には古びたはしごがかかっており、異様な匂いが底の方から漂っていた。
下まで降り足をつくと、ぬるぬるとした感触が体全体で感じとれた。と同時に湿った空気が充満して少し息苦しい感じがする事に気が付いた。
すぐ目の前には、何ともいいがたい異様なムードの家が建っていた。ドアは四角い錆びた感じで、窓なども掃除がされていないらしく、曇って中の様子が分からなかった。
「何だか気持ち悪い家ね…。」
ルナは、どことなく落ち着かない雰囲気で辺りをきょろきょろと見回している。
「そうだけど…。実は気になる事があるんだ。ザクソンが言っていたって言う、『選ばれし者』…。ここに僕を転送した神も同じ事を言っていた…。もし僕がその選ばれし者だって言うのならザクソンには、一度会っておかなくちゃいけないと思うんだ。いや、そう心の中で声が聞こえるんだ。」
真剣な顔で自分の目を見て話すクライスがとてもたくましく、そして立派にルナの目には映っていた。
「私…神様が言うんだから間違いないと思う…。クライスさんが選ばれし者なのよ。そんな人が会っておかなくちゃいけないと思う人だもの。きっとザクソンって言う人はすごい人なのよ。さあ。入りましょう。」
「あ…あのさ…、ルナ…。」
「え、なあに?」
「僕の事、『さん』付けして呼ばないでほしいんだ…。僕も君の事ルナって呼び捨てにしてるし…。それに…もう僕らは仲間じゃないか。」
この時クライスは、
ルナが女神の言っていたこの惑星の選ばれし者の1人目の事じゃないのかと思っていた。だからこれからも一緒に旅を続ける仲間に『さん』付けして欲しくなかったのだ。
ドアノブに手をかけていたルナは、急にそんな事を言い出すクライスに戸惑っていたが、
「そうね。私達は一緒に旅する仲間、だもんね。クライス!」
と微笑むとドアを開いて中に入っていった。
家の真ん中にはどす黒い大きなツボが置かれており、ぐつぐつと何かが煮えたぎる音が響き渡っていた。その周りにはついさっきまで読んでいたのか、開きっぱなしになっている本が無数に散らばっている。
「おい!人の家に勝手に入り込んで何をやっている!」
遠くまで響き渡るような勢いのある低い声が背中から聞こえたかと思うと肩をいきなりつかまれて、二人とも投げ飛ばされてしまった。
「な、何するんですか…!」
壁にぶつけた頭をさすりながらその背の高い男をクライスはにらみつけた。しかしそれもほんの一瞬、余りの男の剣幕に押されて目をそらしてしまったのだ
「どうするもこうするもない!君達が勝手に人の家に入ってきたんじゃないのか!?ここは、私の家だぞ!」
「待ってください!勝手に家に入ったのは謝ります!ですから…、話を聞いてもらえませんか?」
ルナは必死で頼み込んだが、男は話に耳をかたむけるどころか聞こうともしていない。
「さっさと出てってくれ!」
「あの…!デビルガイって言う魔物の事なんですけど…。」
「!…なんでお前、その名前を知っているんだ。」
デビルガイと言う言葉に対し、男は叫ぶのを止め急に真面目な顔つきになり、ルナの次の
言葉に耳をかたむけた。
「実は…そこで魔物を倒した時、
『もしかしてお前達がデビルガイ様の言っていた選ばれし者か』って最後に私達を睨みつけながら言ったんです。」
またも驚きを隠せないのか、目を丸くしてまじまじと2人の顔を覗き込み、信じられないといった顔つきをし、また2人の顔を覗き込む。クライスとルナはじろじろと見られて固まってしまっていた。それから数分たったが誰もしゃべらず、部屋は険悪なムードに包まれぐつぐつと煮えたぎる音が響き渡る。しかしついに男は口を開いた。
「この町の南に小さなほこらがある。…お前達がもし本当に選ばれし者なら、その中にあるツボが青く光っているはずだ。そして、もし青く光っていたならその証拠にそのツボの中にある石を持って来てもらおう。ツボが青く光っているならば、その石は青く光るはずだ。青く光った石を持ってきたらデビルガイの事も教えてやろう。…さあ行って来い。」
男は二人を家の外に追い出した後、二人をまた少し見て家の中に戻ってしまった。
「よし…それじゃあ本当に僕が選ばれた人なのか確めるためにもそこに行ってみよう。」
クライスとルナはお互いうなずき合うと荷物の確認をしてから、ほこらに向かって歩き始めた。
町から出て南へ歩いていくと、神秘的な小さいほこらが見えてきた。周りには草が胸のあたりまで生い茂り、ここ数年ほこらのあたりには誰も寄り付かなかったという感じだ。
「何かが出てきそうな所ね…。」
ルナはそう言うと町で買ったロッドを握り締め恐る恐る辺りを見回している。
クライスはふと空を見上げた。まだ昼前なのか、空は青々と澄み渡っている。ゆっくりと流れていく雲は時々形を変えながら、気持ち良さそうに空の海を泳いでいた。そこでリリーとロイスと一緒に浜辺に寝転がり空を眺めた昔の事を思い出した。
「…私達はどこへ行っても3人でずっと一緒にいましょうね。」
「おう!あったりめーじゃんか。俺達3人はずっと友達だぜ。」
「ああ…。」
…絶対にリリーとロイスに…会えるよな…
「どうしたの?クライス。」
思い出にふけっているとルナがクライスの顔を覗き込んだ。
「あ・・・ああ、なんでもないよ。それじゃあ行こうか。」
草を銅の剣で切りながら、二人は進んでいった。空は明るいのだが、どんどん奥に入って行くにつれて暗くなるような感じになってくる。気のせいか二人の足取りも入った時に比べて重くなっていった。
・・・がさがさ・・・
その音に二人はとっさに戦闘態勢をとった。
・ ・・がさがさ・・・
だんだんとその何者かが草を掻き分ける音が近づくなるにつれてルナは自分の心臓が高鳴っていくのが分かった。
そして次の瞬間、草むらから勢い良く飛び出したのは、澄んだ青色をした物体だった。その物体はプルプルと振るえて攻撃してくる様子もなく、こちらを見ている。
「こ・・・これは!?」
クライスがそれから目を離さずにルナに聞いた。
「・・・スライム・・・。」
「スライム?」
「そう、魔王から作り出された初めての魔物。今まで図鑑でしか見たこと無かったけど・・・これが・・・。」
ルナは図鑑で一番スライムが魔物の中でも弱いのを知っていたので、少し落ち着いた感じで説明した。
「よしっ!行くよ!」
クライスが今にも飛び掛らんとしたその時
「まっ、まってよー!僕はあなた達を叩いたりするつもりなんかないよー!」
目をつぶってスライムは必死に叫んだ。クライスはその言葉を聞き、剣を降ろしてスライムに問いかける。
「本当かい?」
「ホントだよー。実は僕、魔王に復讐するために一人で旅をしてるんだ。」
恐る恐る大きな瞳を開き今にも涙をこぼしそうだ。クライスとルナは目を見合わせ小さくうなずくと
「なんでその魔王に復讐するのか、良かったら私達にお話してみてくれないかしら?」
と優しく問いかけた。
「えっ・・・?」
言われた事が意外だったのか、泣き止んでぴょこぴょこと近くまで進んできた。
しかし次の瞬間。
「はっはっはぁ!死ぬえ!!」
急に牙をむき出しにして、そのスライム(今はスライムかどうかも分からない物体だが・・・)は、ルナに襲い掛かった。
「びゃああああ!!!!」
首筋から血しぶきをあげてその場にどたっと倒れこむ。見る見るうちに周りの地面、草などが赤色に変色していく。そうまるで赤い・・・赤いペンキをぶちまけたように・・・。
ぎょろおっとした目つきで死んだはずのルナがよろよろと立ち上がる。はあ・・・はあ・・・と、荒い息ずかいがこちらまで聞こえてくる。
「はあ・・・はあ・・・。」
もう首が取れかかっているにもかかわらず、クライスの方に歩いてくる。
「おい・・・ルナっ・・・、止めろよ!止めてくれっ!」
声が聞こえているのかいないのか・・・口からゴブゴブっと血をふきだしながら
「クイ・・・タイ・・・」
そういうとクライスの上に覆い被さると首筋に口を近ずけ、くっちゃっくっちゃと食べ始めた。
・・・不思議と痛さは感じなかった。ただしくちゃくちゃと、自分の肉をおいしそうにかんでいる音が耳に取り付いて離れなかった。いつまでも・・・いつまでも・・・。
感想:
これは、中学2年生の時に書いた物です。。。ハイ。。。なんか最初の方、読んでると眠たくなってくるような・・・?でもって最後の方はなんか手抜きバレバレぢゃあないでしょうかい??手抜きですんません。ホント。でも、これとはまた違ったストーリーを書いていく予定なので、期待するもしないも・・ってゆうか期待しててくだサイ~~~!!
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