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February 23, 2025
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カテゴリ: 国際報道



   2022年に北海道帯広市で交際相手の女性教師を殺害・遺棄した罪に問われた元高校教師の男の差し戻し審で、釧路地裁は2月20日、男に懲役12年の判決を言い渡しました。
   北海道・網走市の元高校教師、片桐朱璃被告(38)は2022年5月、帯広市の駐車場で、交際していた元同僚の女性(当時47)の首を締めて殺害し、遺体を雑木林に埋めたとして、殺人と死体遺棄の罪に問われていました。
   釧路地裁の1審判決では「殺人罪」より量刑が軽い「承諾殺人罪」を適用し、懲役6年6か月の判決を言い渡しましたが、検察側は「殺人罪」の適用を求め控訴。
   2024年1月、札幌高裁では「被害者の精神状態など事実の取り調べをせず審理を尽くしていない」と1審判決を破棄し、審理を差し戻していました。
  事件があった現場
   やり直しとなった今回の裁判員裁判では、被害者の女性が自らの意志で殺害されることに同意していたかが焦点となりました。
   2月20日の判決で、梶川匡志裁判長は「シートベルトをお互いの首に巻きつけ、被害者の力が抜けてからも引っ張り続けた殺意は強固なものである」として「殺人罪」を適用し、片桐被告に懲役12年の判決を言い渡しました。
   青いネクタイに黒のスーツ、丸刈り姿の片桐被告は落ち着いた様子で判決を聞いていました。

■片桐被告と被害者はそれぞれ配偶者がいる教師であり、2016年4月から同じ高校で勤務、不倫関係に。2019年以降片桐被告人から別れ話を切り出すも被害者が納得しないため不倫関係を解消できず
■2021年3月ころ、SNSで片桐被告の妻のエコー写真などを見た被害者が憤慨し「責任をとれ」と700万円を要求、片桐被告は300万円を支払う
■2022年に片桐被告が帯広市内の高校に異動する際、被害者と関係を断ち切るために虚偽の新居の住所を教え、妻と子どもと同居することを隠す
■2022年4月3日、被害者が片桐被告へ666回電話をかける。被害者は高校の職員室や寮に電話をかけたこともあった
■4月18日ころ、被害者が片桐被告へ職場に電話したり押しかけたりするのが嫌であれば残りの400万を支払うよう求め、片桐被告は被害者に400万円を支払うも不倫関係は解消できず
■被害者から繰り返し会いたいと言われ、片桐被告と被害者は5月29日に帯広市で合流し、別れ話をしたものの被害者は応じず
■片桐被告の勤務先の高校の駐車場に移動し、仕事をするふりをして被害者を置き去りにして片桐被告の自動車を駐車したまま帰宅
■被害者は鍵がかかっていなかった片桐被告の車内を物色し、車内にあった新型コロナウイルスのワクチン接種券から片桐被告の本当の住所をつきとめる
■被害者が片桐被告の自宅に行き、片桐被告が離婚せず生活を続けていたことがばれる 
【事件当日】
法廷内の様子

■「もう、死ぬしかない」片桐被告が言うと被害者がうなずく
■人目につかないよう後部座席に移動しシートベルトをお互いの首に巻き付け、片桐被告は汗で手が滑らないようにゴム手袋をはめる
■シートベルトを引っ張り、被害者の両手が垂れ下がっているのを見た後も被害者の首を絞め続け殺害する
■帯広市内の雑木林に遺体を遺棄
  【釧路地裁の判断について】

  ■被害者の殺害の承諾は片桐被告も一緒に死ぬことを前提にしていたものである
■一方が先に意識を失ってシートベルトを引く手が緩み一緒に死亡することが困難なことに加え、体格差や性差、年齢差、汗で手が滑らないようにゴム手袋をはめるなど一定の冷静な判断をしていたことなどから片桐被告だけが生き残る可能性が高いことを認識していたと推認できる
■片桐被告に死ぬ動機がなく、また片桐被告だけが生き残る可能性が高い殺害方法であったことを考慮すると、被害者の首に巻かれたシートベルトを引いた時点で一緒に死ぬ意思がなかったと認められる
  【量刑】
事件があった現場
  「何度も片桐被告から別れ話を持ちかけられるも不倫関係の解消を許さず、700万円を支払わせたり、何度も電話したり職場に押しかけたりするなど迷惑行為を繰り返していたことが殺害を決意した一定の影響を与えたことは否定できない」としつつも、「シートベルトをお互いの首に巻きつけ、被害者の力が抜けてからも引っ張り続けた殺意は強固なもので、一緒に死ぬと信じていた状況を利用して被害者の首を絞めた」などとして殺人罪を適用し、検察の懲役13年の求刑に対し、懲役12年の判決を言い渡しました。  【裁判員「承諾殺人か殺人か判断難しかった」】
記者団の取材に応じる裁判員
   判決後には参加した裁判員による記者会見が開かれ、今回の裁判についてそれぞれの感想を述べました。
  ■北見市在住の40代の裁判員男性 「自分の質問にゆっくりではあるが言葉を選んで回答してもらった印象があった。法廷では外見的には反省しているように見えていたが自己保身的な印象を若干受けた」
  ■本別町在住の29歳の裁判員男性 「初めて生の声を聞いた時に僕はしっかり反省しているなと感じた」
  ■釧路市在住20代の補充裁判員女性 「自分の思っていることをちゃんと行動に移せていなかった印象を受けた」 「犯行時の状況や温度感を説明できるのは片桐被告しかいないので、被告人の証言で承諾殺人か殺人か判断するのは非常に難しかった。犯行前後の行動や心境をみんなで話し合いをした。(片桐被告に対し)これからの人生では行動で示していけるようになってほしい」
  UHB 北海道文化放送
最終更新:2/23(日) 16:00 北海道ニュースUHB





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Last updated  February 23, 2025 05:01:44 PM
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