田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2009年11月07日
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カテゴリ: 超硬派
「沈まぬ太陽」
あるのが、恩地の描き方だと思う。
何しろ、かっこいい。
あきらめない。
人望がある。

そりゃ、行天でなくても、嫉妬するよって言いたいところです。

映画では格好がよく、でも、どこか、人生の苦悩も染み出している
渡辺謙さんだから成り立った点が多いんじゃないかな。

もし、この映画で別の人を主人公にするんだったら、誰だろう。



僕なら香川照之さん演じる、八木さんにする。

なぜか。

この八木が一番、大多数の人間に近いと思えるからだ。

若くて輝いた過去を懐かしみ、でも、現実の前に妥協しないと
いけない。
手だって汚している。
敵に疎まれるほどの力もなく、やがて、敵・見方ではなく、
権力の強いものに利用される。
その点では松雪泰子さんが演じる三井さんも同じだろう。

でも、八木の手の汚し方はもっと、打算的なにおいがする。
行天への愛情に動かされている三井に比べ、行天からの


八木の道はどちらを選んでも、地獄だからだ。

だから、八木にとって、かつて天国の時代であった
恩地との出会いは僕はなんとも言えなかった。

後半で泣いたのは、このシーンだけである。

だから、作品とはいえ、八木を自殺させてしまったのは

救いがない。
そりゃ、人生はそういう残酷なものだけれども。

そして、会社員にとって、多くの選択は地獄である。
自分ですべてを決定できず、他人の人事や、処遇を恐れる
要素がある限り、会社員の仕事には地獄が含まれている。
地獄が言いすぎであるならば、不条理が含まれている。

僕がこの作品を書き直すのなら、八木を中心に描いてみたい。

行天であれ、恩地であれ、彼らの主人公の二人は自分の人生を
選べている。
それは、不条理でもなんでもないかもしれない。

力のあるヒーローが理想か、現実かの選択をしているのだ。

でも、多くの人間はそうじゃない。
理想と現実を判っていながら、現実に巻き込まれてしまうのだ。

だから、もう一つの「沈まぬ太陽」を書くとするのであれば、
僕は八木の視点から、つまりはヒーローではない人間から、
組織と個人ありかたを問い直したい。

多分、それはカタルシスのない物語だろうけども、そういう
物語だって、時には必要なのじゃないかな。

皆さんは、どう思われます。

そして、その皆さんが思われたことが、この「沈まぬ太陽」を見て
皆さんが考えるべきことなんじゃないでしょうか・

と、綺麗にまとまったところで、おしまい。


2009年11月07日・「沈まぬ太陽」 構成

2009年11月07日・「沈まぬ太陽」 キャスト (八割 小島聖さん)

※もっと、「なんだかなー」なら『
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最終更新日  2009年11月07日 23時48分46秒
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