読書の部屋からこんにちは!

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2007.08.22
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カテゴリ: 小説



地方都市の、お荷物テーマパーク「アテネ村」を舞台に、ゴールデンウィークの催し物を企画したお役人の物語です。
読みはじめから、もうはがゆくてはがゆくて・・・キーーーッってなりそうでした。
だって、お役人たちって、ほんっとに馬鹿じゃないの?これコントじゃないの?っていうような情けない話の連続です。
もちろん、これはデフォルメされたオハナシであって、ほんもののお役人さんたちがこのとおりとは思いませんよ。思いませんが、でも、これに近いのでは?と思わせられるところが怖かった。

実を言うと、私の長年の友人が勤めていたのが地方の市役所で、彼女から職場の愚痴を聞くと、必ず最後の締めくくりは「役所なんてバカばーっかりよ!」でした。
彼女によると、採用試験はめっちゃ難しいし、倍率もすごい。だからバカじゃ受からないはずよ。それなのに、なんで入庁したら一人残らずバカになっちゃうんだろう。きっとバカは感染するのよ。バカのウィルスが蔓延してるのよ!というようなことでした。
本当にバカかバカでないかは別にしても、机の上に両肘ついて、新聞読みながら大あくびしている職員がいることは、間違いない。私も目撃しています。

そして、この本にはスーパーマンみたいに頼れる人が颯爽と現れて、テーマパークを再生してくれるのかというと、ぜんぜん違います。

それも、気が弱くて優柔不断、なんにもしないですむならしない方がいい・・・って程度の人でした。でもさすがにお尻に火がついてきたらそうも言っていられなくなり、催し物の開催に本腰を入れだすのですが・・・・

結果はかなりめちゃくちゃではあったけれど、成功を収めることができました。
しかし著者の荻原浩さんは、単なるハッピーエンドにはしてくれません。
成功を収めても、素直に喜ばないのがお役人根性です。ほんと、ぶっ殺したくなりますよ。
結局思いがけない形でお話は収束。
読み手としては、ちょっとおさまらない感じが残ります。
それは、読んでのお楽しみです。





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Last updated  2007.08.22 11:15:31
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