読書の部屋からこんにちは!

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2008.07.19
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カテゴリ: 小説
毎日暑くて、いかに本好きといえど、図書館への道のりが遠く感じられます。いえ、わずか10分ほどの距離なんですけどね。しょうがないので、昔読んだ本をひっぱりだしてだらだら読んでます。

この「王妃マリー・アントワネット」も、もう3回目かも。読むたびに、ちょっとせつない気持ちになる本です。
というのは、愚かだったアントワネットが、ベルサイユを追われる頃になってやっと素朴な母親の気持ちを持ち始め、自ら息子を教育しようとする悲痛なところ。不幸な環境が、彼女に母親らしさを与えたのかと思ってしまいます。

マリーアントワネットやフランス革命というと、ベルバラから知識を得たという人も多いことでしょうね。もちろん、私もそうです。今もベルバラ全巻大切に持っていますよ。ベルバラではほとんど触れられなかったことも、この小説で知ることができます。それは、革命を果たしたあとの庶民が起こす、暴動や虐殺です。

「公然たる殺戮。リンチ。すべての人間の持つ暴力への欲望がこの日、堂々と認められる。認められるだけでなく、それを正義だと自他共に思うことができる。」

人間の持つ醜い欲望を象徴する、アントワネットに面差しの似たマルグリッドという娼婦。
同じ貧しい育ちでありながら、理想を持って革命に参加し、処刑されるアニエス修道女。
この二人が影の主役のようになって、フランス革命の意味を読み手に教えてくれました。
ベルバラもいいけど、この本を読むともっと理解が深まりますよ。







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Last updated  2008.07.19 13:17:32
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