読書の部屋からこんにちは!

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2009.10.02
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カテゴリ: 小説
トンガからラウラ島へ向かう飛行機が、嵐のため墜落。



よくある無人島サバイバル物ですが、この本、一言で言えば抱腹絶倒の読むマンガです。
とにかく一行の面々がおもしろすぎる。
主役は出張にいやいやついてきた、頼りなさげなサラリーマン。
何もできないくせに威張るしか能のない部長、その言いなりになっている課長、美人だけどキツイ女性主任、スポンサーの御曹司、へつらう部長、・・・
彼らが、揺れる飛行機の中でも海上の救命ボートの中でも無人島にたどりついてからも、会社の上下関係そのままに滑稽な人間模様をくりかえす・・・


あれあれ・・・?この面々、そういえば 「メリーゴーランド」 のお役所の人たちにちょっと似てないですか?

全ての行動や判断が、役所の上下関係を基本としている。


この会社員たちの他に、怪しい外人、小学生と半分ぼけかけたおじいちゃん、まだ相手のことがよくわかっていない新婚夫婦と、セントバーナード犬一頭。
ぜんぜんまともじゃない人々が、無人島で暮らすうちに、だんだんと生きる知恵を出し合い協力していくようになる。
そう書けばなんだかアタリマエの展開みたいですが、そこは荻原浩さんです。笑える場面満載で、長い長い物語も、あっというまに読了でした。
バカみたいな御曹司に注目ですよ。全体の笑いの半分くらいは、彼が受け持ってます。
また、新婚の奥さんのたくましさといったら!


そして無人島の物語といえば、一番気になるのは結末ですが、それは最後の最後の最後まで伏せられていて、さらりと触れているだけ。
その後の人間関係も気になるところですが、そこを書かないところが、また憎いなあ・・・


仕事でいやなことがあったとき、マンガのかわりにこれを読むって、いかがでしょうか。
無人島に流れ着いても、深刻にならず、暗くならず、絶望もせず、悲壮にもならない。
そんな無人島小説があっても、いいですよね。



オイアウエ漂流記





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Last updated  2009.10.02 09:28:52
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