aaa

2005/12/14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
読売社説が、民主党前原代表の米国訪問、中国訪問をとりあげています。
この件に関して、 12月11日の日記 でも、朝日社説への反論を書きました。

朝日社説が前原外遊を酷評しているのに対して、読売社説は好意的なのですが、前原代表の意図をねじ曲げている点では両者共通です。
前原代表が米国で演説した内容については、 こちら を参照してください。

読売社説は、
野党が政権交代を目指し、現実的な外交・安保を模索すれば、政府の政策と近くならざるを得ない。国の存立にかかわる政策が政権交代で大幅に変わっては、有権者は安心して政権を託せない。
と書きます。
もしそうなら、日本は自民党独裁でよいということです。

自民と民主で異なった政策をとっているという点が重要です。
問題を抱えた人が、自民党に相手にされなくても、民主党に行けば話を聞いてもらえる、というのでなければ政党の意味がありません。

小泉政権が対米追随なら、民主党はアジア外交重視、
小泉自民が強権的に弱肉強食の小さな政府を作り既得権を温存しようとするのなら、民主党は既得権益にも切り込んで談合などの官民癒着を許さないことによって弱者・敗者にも手を差し伸べるセーフティネットを完備した上で小さな政府を実現する、
小泉自民が業界の圧力に屈して環境税導入を断念するのなら、民主党は環境税を導入した上で世界に誇る環境に優しい自動車を作ることを業界に要請する、
こんな感じで、自民・民主の違いがはっきりしていなければ2大政党制の意味がありません。
もっとも、読売の言う政策変更は、自民党から共産党に変わる、というのではだめだ、ということかも知れませんが。

さらに、読売社説は、
多国間でシーレーンを守るには集団的自衛権を行使する必要も出てくる。そのために集団的自衛権を行使できるよう憲法改正を検討すべきだ、というのが前原氏の主張だ。野党の党首が、シーレーン防衛の強化に関連して集団的自衛権の行使を打ち出したのは初めてだ。
と書いています。
前原代表は、
留保できる のであって、集団的自衛権の行使は、あくまでも日本の主体的判断に基づいて行われるべきものだと考えます。
とか、
今後、国民の理解が得られない国際貢献については、いかに同盟国であろうともアメリカの協力要請を断る場合は十分ありえます。逆に、アメリカが参加しない国際貢献活動に、日本が独自で参加する場合も当然、考えられます。

前原代表の主張は、日本にどのような危険が及ぶか予想できないから、防衛することは必要であり、かと言って、無制限では大東亜共栄圏構想の再来をやり出すことになりかねないので、ここまでは防衛するという限界を規定しようと言っているのであって、集団的自衛権を憲法の中に書き込んだから、即これを行使して、米国にくっついてどこかの国に攻め込む、と、言っているのではありません。
前原代表は、憲法に規定が無くて、シーレーン上でタンカーが襲われたときに、指をくわえて見ているだけでタンカー乗組員を見殺しにする、というのでは困る、でも、憲法で認める防衛の範囲はここが限界だ、と、言っているのです。
読売社説は、限界を設けると言うことも、米国追随ではないということも、まるで書きません。
読売社説を中国が読めば、前原はタカ派だ、小泉と何ら変わらない、と、思いこむでしょう。

前原代表は、中国で「自分たちに都合の悪いことを言う国会議員には会わないという姿勢なら、仮に靖国の問題が解決したとしても、日中間の問題は永遠に解決されない。口だけ友好と言い、本質的問題を先送りしてきた今までの親中派と違い、言うべきことを言い、互いの共有の利益を模索する」と言っていて不満のようですが、私は、言うべき事を言うことの方が重要で、中国要人のご機嫌伺いではそれこそ無意味だと思います。


ただ、前原代表が不満に思っているようなので、私には、なぜ、この時期に、小泉首相が「大連立」なんていうことを言い出したのか、わかるような気がします。
選挙で圧勝して圧倒的多数を握っているのに連立なんて全く無意味です。
靖国参拝をしてA級戦犯に頭を下げてくる小泉首相と、民主党前原代表とで、別に変わるところはない、という先入観を中国に与えて、前原外遊に成果が出ないようにしたのでしょう。
どうしても、小泉政権の外交の失敗を覆い隠したい朝日は、歪曲した社説を書いて、前原外遊を妨害しました。
せめて、野党と中国との間でだけでも対話のパイプを継続できていれば良かったのに、朝日の妨害は本当に日本にとって不幸なことです。

最近、中国の温家宝が、フランスに赴いて中国の原発落札の条件として、中国へもっと技術導入せよ、と、要求したそうです。
また、中国が人海戦術により廉価品を薄利多売で輸出することが、外国との摩擦を招くという観点から、より、高級品指向へと転換していこうというニュースも出ていました。
日中関係が悪い間に、日本との分業体制も構築されず、日中で最先端技術まで競い合うような中国の方向性が見えています。
今の状態が続けば、日本で設計図を書いて、中国で生産する、というような構想は描けません。
中国が、自分たちで技術開発し、自分たちで設計図を書き、自分たちで生産する、日本は中国にとって必要ない、ということになってきそうです。

前原代表が、中国脅威論を米国でも中国でも繰り返し、中国では不評を買ってしまいました。
前原代表の主張は、日中で無意味な軍拡競争をするのはやめよう、軍事面でも日中でオープンにしあって、対話でやっていこうと呼びかけたのですが、中国はそういう意味には取らなかったようです。
中国の脅威は軍事面だけではなく、経済面でも日本を窮地に追い込みかねません。
中国のエネルギー需要が増せば、原油価格が高騰し、資源を持たない日本への影響は多大です。
中国が、膨大な人口を背景に鉄鋼や自動車を自力で増産すれば、国際的な価格下落を招きます。
日中関係が悪くては、生産調整も行えません。
日本製自動車が米国GMを追いつめてしまったように、中国製自動車がトヨタを追いつめるということが起こるかも知れません。
米国のデトロイト近郊が廃墟のようになり、識字率が50%を切っているというような話も聞きます。
愛知県が米国のデトロイトのようにならないという保証はありません。

一方で、中国も順風満帆とは言えません。
広東省汕尾市で起きた暴動では、警官隊の威嚇射撃により、住民3人が死亡したことを中国政府が認めたそうです。
一説には、数十人の死者が出ているそうです。
化学工場の爆発により、深刻な河川汚染の被害も出ています。
上海では既にマンションが供給過剰なのだそうで、マンション価格の大幅な下落が始まっているそうです。
日本が中国に出向いて恩を売ってくるネタはいくつも転がっています。
貧富格差の進む中国奥地に、工場や農場などの生産施設を作ったり、環境問題への取り組みを支援したり、日本から中国にビジネスマンや技術者が押し寄せれば、上海のマンションも埋まるでしょう。

前原代表が主張している、日中間の対話ができるだけ早いうちに必要です。
小泉首相の信念だから来年9月まではどうしようもない、などと言っていてよいのでしょうか?





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005/12/14 09:22:11 AM


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: