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2007/07/22
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テーマ: ニュース(95833)
カテゴリ: カテゴリ未分類
大学合格実績を水増ししている高校があったことが話題になっています。
こちら を参照)では、2006年度の関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)の合格実績を144名と発表していました。
ところが、この高校では、センター試験で優秀な成績を収めた1人の生徒に、関西4私大の73学部・学科に願書を出させ、73名分合格実績を水増ししていたのだそうです。
この生徒は、これらの私立大学には進学せず、別の公立大学に進学したそうです。
これらの受験料約140万円は全額高校側で負担していたそうで、合格実績144名のうち、真の合格者数は33名なのだそうです( こちら を参照)。
また、本来、この生徒が自分で受験すると言っていたのは、73のうちの5学部・学科のみとのことです。
この高校では、関関同立の合格実績を、2000年から2006年まで、22名、40名、50名、58名、60名、114名、144名と飛躍的に上昇させていると発表していて、この高校を受験する生徒の数が一時落ち込んでしまっていたのに、最近では2000名以上集まる人気校になっていたのだそうです。


7月11日の日記 で、東京都足立区で、学力テスト結果が区内トップとなった小学校で、実は、試験中に先生が子どもに誤答であることを教えてしまったり、障害児童の答案を採点から外していたりというような操作を行っていたことについて、競争原理が歪められてしまっている、と、書きましたが、この高校の合格実績もまた、競争原理が歪められている、ということです。
学校の1クラス内のテストで、その生徒の到達度を見る程度のものなら、試験中に教えてしまったりカンニングを黙認しても教育効果はそれなりにあると思いますが、都内、あるいは、全国、というようなレベルでの試験をするときに、教育現場で、生徒数が減って困るから、とか、教育予算を獲得するため、というような理由で、競争を歪めてしまうのでは、「学校教育」が意味をなさなくなってしまいます。
歪められた競争の中で育った子どもが、競争というのはズルをやって勝ちさえすれば良いんだ、という価値観を持ってしまうことになりかねません。
原発で放射能が漏れても、年金保険料の記録のミスがあっても、政治資金を他に流用していても、黙っていて発覚しなければそれで良い、公共事業の仕事を取るときには、バレないように賄賂を渡すか、ライバル同士で談合するか、お役人さんに天下り先を提供するかすれば良い、というような風潮をあおることになってしまいます。
それでいて、 一つ前の日記 にも書いたように、まじめに仕事を続けてきてスキルもしっかり持っている人が、歪んだ競争原理の中で仕事を取れずに希望をなくし、家族を道連れにして心中する、ということが起こるのです。

私は、センター試験結果を合否判定に使うべきではない、と、考えます( 7月14日の日記 にも書きました)。
センター試験が、基礎力を見るという本来の趣旨からはずれる原因になってしまうことも一つの理由ですが、今回発覚した水増しは、私立大学が試験作成の手間を省き、入学料を余分にラクして稼ぐ材料としてセンター試験を使っていることによるものだからです。
昨年問題になった、未履修問題もそうですし、今回の水増し問題もそうですが、センター試験のあり方、私立大学の合格者選抜方法が根本的に誤っているから、競争原理が歪むのです。

私が過去に面倒を見た受験生にも、センター試験のある一科目で満点を取って、本来理工系志望であったのにもかかわらず、センター試験結果だけで合格できるからというそれだけの理由で関西の大学の経済学部に進学してしまった、というようなことがありました。

センター試験の結果を足切りに使って、その代わり、大学入試の受験料を返却し出願大学を変更させる、というようなことならあっても良いと思いますが、首をかしげるような珍問が出てくるセンター試験だけで受験生の素質が判定できるとは、私には思えません。
各大学が、大学ごとの教育目標に合わせて入試問題を作成し採点を行って、正しい競争原理に基づき合格者の選抜を行うべきです。
それでも、優秀な生徒が複数の大学・学部に合格して、合格実績が水増しされるということはあると思いますが、これは、「水増し」ではなく、試験を受けて真に合格しているわけで、各高校の進学実績として良いと、私は思います。

今回のようなことがあるのでは、4月頃に週刊誌が掲載する入試結果のデータで、各大学ごとの合格者数は、国公立大学では参考になりますが、私立大学では全く当てにできないということです。
一部の週刊誌に掲載されていた、高校ごとの実際の進学実績数(実際にどの大学に進学したか)を見ないと、高校の評価はできないということでしょう。



理工系受験生向け大学入試問題研究サイトは こちら
大学入試問題検討ブログは こちら




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最終更新日  2007/07/22 07:03:55 PM


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