ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 26, 2006
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「パラドクス」

 この曲にはかれこれ三年以上取り組んでいる。今日の練習で久しぶりに合わせてみて、改めて割り切れない感じがした。実はすごく風変わりな曲なのかもしれない。

1楽章: 移弦ほか弓遣いがとても難しい。冒頭のチェロのソロも含め朗々とたっぷり歌いたいところだが、実はアレグロなのでさっさと弾かなきゃいけないらしい。でも、速く弾くとどうしてもヒステリックに響いてしまう箇所もある。

2楽章: 三拍子で一貫して書かれているものの、実際には次々と拍子が変わり楽しい。でも主役は常にピアノ。

3楽章: ところどころ美しい。行進曲風になるとこがあるが、三拍子のままなので、曲に合わせて行進するには難しい。(行進してみたい人にとっては。)

4楽章: ジプシー風どんちゃん騒ぎ。次から次へと曲調が変わるので落ち着かない。一方、ゆっくりした部分は、ブラームスの室内楽にたまに見られる禁欲的な官能美に満ちている(意味不明)。

 要するに、いろんな逆説的なことが立ちはだかって、なかなか弾きこなしにくいタイプの曲という気がする(言い訳)。最も不思議なのは、この曲の場合練習を積み重ねていくごとにどんどん難しくなっていくということ。最初に練習した時が一番楽しく弾けた。

 作品25ってことはブラームス氏が若かりし頃に書いてるはずなのに、どうしてこう内面的で重苦しいのだろう。あんまり可愛くない若者だったに違いない。





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最終更新日  Mar 3, 2006 06:32:37 AM
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