ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 9, 2006
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 今日の新聞(ニューヨークタイムズ04/09/2006)の芸術面トップに、アメリカ国務省のコンドリーザ・ライス長官が、自宅でピアノ五重奏を弾いている写真が大きく載っていた。


 僕が何よりも驚いたのは、彼女は激務の合い間をぬって、二週間に一回、決まったメンバー(アマチュア)でピアノ五重奏を練習しているということ。シューマン、ブラームス、ショスタコービッチらの曲を、自分たちだけで模索しながらも徹底的に弾き込んでいるらしい。かれこれ三年も継続しているグループだそうだ。

 これは、並大抵のことではない。
 五人もの人間が集まれば、ただでさえスケジュール調整が大変だし、アマチュアなら特に、各人の実力、そして音楽に対する意識や目的は微妙に異なってしまうものだ。
 必ずしも和やかに練習がすすむはずはなく、意見の食い違いなどで対立することもあるだろう。
 人前で発表する場がないと、どうしてもだらだら練習を続けてしまう人もいるだろう。
 楽器の演奏はストレス解消の手段、と言い切る人にとっても、曲の難度やメンバーによっては、それ自体がストレスになり得るかもしれない。

 よっぽど五人の意欲や方向性が一致しているのだろうと思った。そして互いの深い信頼関係がないと続かない。

 ライス国務長官って、つい何世代か前までは南部の奴隷の家系だったらしく、彼女自身も、以前は何かを成し遂げるたびに、いちいち「黒人初の」とか「女性初の」という枕詞をつけられて紹介されていたようだ。が、今となってはそんなことにこだわる人などいない。実際に実力もあって、しかも人望も厚い人なのだろう。

 今日のこの新聞記事を読んで、限りなく鼓舞されてしまったワタクシであります。

 この記事自体、ライス国務長官及び米国政府のイメージアップを図るための当局の策略、という深読みをすることもできなくはないのだが(笑)。





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最終更新日  Apr 15, 2006 02:35:01 AM
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