ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 22, 2006
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カテゴリ: 映画、テレビ
「フランス版ちゃんばら活劇」

 今日は、ニューヨークのミニシアターで白黒映画を観ました。この映画(原題は Fanfan la Tulipe)、米国内で上映されるのは何十年ぶりとかとのことで、(一部で)盛り上がってます。

 白黒のおフランスもので、しかも1950年代の作品ということで、もしかしてトリュフォーの「大人は判ってくれない」のような感じかなと思ってたら、全然違いました。
 18世紀を舞台にしているとのことなので、もしかしてニッポンの大河ドラマのような重々しい感じかなと思ってたら、全然違いました。

 ひとことで言うと、コテコテのどたばたコメディーであります。

 フランス文化は詳しくはないけど、我々日本人が勝手に抱く、パリの洗練された ボンジュールでアムールでトレビアンな世界 (意味不明)はむしろ特殊なのであって、やっぱりラテン系の陽気な民族だし、ちょっとぐらいナンセンスだったり下品だったりしても許容されるお国柄かと思ってます。

 実際、主人公は、とってもヘラヘラした軽めの男でした。この俳優さんご自身(ジェラール・フィリップ)は、生真面目そうで、 甘いマスク です(←死語?)。
悩殺 されてしまいました(笑)。
 だから、ストーリーよりなにより、この二人のちょっとオフビートな存在感こそががこの映画の中心でしょう。

 ところで、歴史モノはシリアスに厳かに描かれるべき、という僕の考えは古いのでしょうか。
 外国では、ドラキュラものやロビンフッドもののコメディー映画もあると記憶してますが、日本って、歴史モノのコメディーが少ないように思います。強いて挙げれば、志村けんのバカ殿ぐらい?

追記:
 今日のこの映画で僕が一番楽しめたのは、一緒に観た観客たちのリアクションだったりもします。年齢層のちょっと高めの方がたが多く、銀幕のスターらと一心同体、喜怒哀楽を体じゅうで表現しながら鑑賞してました。
 やがてハッピーエンドで物語が終わり、スクリーンに Fin と表示されると、劇場全体が拍手喝采に包まれ、それはしばらく続いたのでありました。

 映画が庶民の唯一の娯楽だった「古き良き時代」のひとコマを垣間見た気がしました。





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最終更新日  Jul 27, 2006 10:35:32 AM
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