ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 13, 2006
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カテゴリ: 映画、テレビ
「古き良き三丁目の朝日」

 先日ワシントンDCを訪ねた帰り道に、港町ボルチモアに寄ってきました。ここは、たしか全米でも一、二を争うほどの 殺人事件の多い町 と聞いたことがあります。でも、中心部はきれいだし、ワシントンやフィラデルフィアにもそれなりに近いので、自分としては年に一回は寄ってます。港を照らす朝日が眩しく、町並みも典型的なアメリカ東部のもの。

 僕がこの町に勝手に好印象を持ってるのは、映画「わが心のボルチモア」の影響が大きいと思います。英語での原題(Avalon)はパッとしないのですが、邦題「わが心の」に見事にだまされて、ボルチモアはいい町に違いないと、訪れる前から信じてました。

 20世紀初頭、東欧からアメリカに移民してきた家族の四代に及ぶ大河ドラマ。根底に流れるテーマとしては結構ありきたりで、「可能性に満ちた未知なるアメリカ」を生き抜く「移民たちの希望と葛藤」を描きつつ、「真の家族の絆とは?」そして「アメリカンドリーム」までをもしっかりと押さえる、まさにアメリカ万歳の映画です。こてこてのニッポン男児?の自分としては、それほど手放しで絶賛すべき映画ではないのかもわかりませんが、なぜか今もときどきDVDを観てしまいます。ちょっぴりですが橋田寿賀子さん系の香りも漂ってます。

(映像)

 僕がこの映画を好む理由は、まず配役が秀逸なところ。アーミン・ミュラースタール、エイダン・クイン、ジョーン・プローライト、イライジャ・ウッドなど、知る人ぞ知る名優たちが「大家族」を構成しています。
 そして、アメリカ映画のくせしてハッピーエンドじゃないとこもよろしい。世の中そんなにうまく行かないことは我々一人ひとりが百も承知ですし。

 「古き良き時代」を描いた懐古ものの映画といえば、奇しくも先日、日本の友人が邦画「Always 三丁目の夕日」のDVDを贈ってくださいました。名画だとは思いましたが、横文字の題名が全てを台無しにしてました(笑)。
 ヨーロッパものでは「ニューシネマパラダイス」などがこのジャンルに含まれるでしょうか。


 だから、この「わが心のボルチモア」を鑑賞して感傷に浸るアメリカの中高年の方がたと、「三丁目の夕日」を観劇して感激する日本の中高年の方がたの意識は微妙に異なるはず。でも、懐古の情は万国共通に違いありません。





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最終更新日  Oct 14, 2006 09:54:57 PM
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