ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 8, 2007
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 自分もかつては、それなりの期間、東京で暮らしておりました。このたび再び滞在することになって、人の多さには今さらながら圧倒されます。


 公共の交通機関を使ってリハーサルや本番の会場へと移動しまくる都会のミュージシャンって、改めてスゴイと思います。特に大きい楽器の人って、ほんと、ご苦労さま。ギターとかチェロとか、 コントラバス とか。

 内心、楽器の選択を後悔してる人もいるかも。
 チェロ弾きはバイオリン弾きを羨み、バイオリン弾きはフルート吹きを妬む。フルート吹きは指揮者を蔑み、指揮者はスコアが重いだの厚いだのと嘆く。

 そもそも、ただでさえ混雑してる電車やバスに、楽器を持って乗り込むのには勇気がいる。背負ったままでは周りの人に超ご迷惑。身体の前に抱きかかえるなり、床に立てるなり。周りの冷たい視線にじっと耐え忍びながら、降車駅に着くのを待ちます。
 都会で生きてくミュージシャンは、精神的にも体力的にも強くなくてはいけません。

 必殺ワザがないわけではない。バイオリンを持って満員電車に乗り込む場合、脚が長い人だったら、楽器ケースを股間にはさんだ状態で(またいで)立つという方法があります。これ、たぶん身長185センチは必要。両手が自由になるので、つり革をつかむなり、新聞や雑誌を読むなり、とっても便利そう。これができる「あしながバイオリン弾き」さん、実在します(何人か存じてます)。



 ところで、都会では、楽器を持ってる人どうしがすれ違う確率も高い。

 僕も、自分が楽器を持って歩いてて、たまたまバイオリンを持った人と都内ですれ違って目が合うと、どんな赤の他人でも、妙な連帯感を意識したり、あるいは、逆にライバル意識を感じたり(?)。で、結局はナニゲを装って マル無視 してしまいます。

 これがニューヨークになると全く違う。軽く笑顔で挨拶されたり、実際に声をかけられたり。
 店員さんとかウェイターさんも、タクシーの運転手さんも、地下鉄やバスで隣に座った人も、「それ、何の楽器?」とか「どこで弾いてんの?」などとフツーに聞いてきます。

 当初は慣れなかったから、声をかけられるたびにいちいち緊張してたけど、どうやらお国柄、あるいはお人柄らしい。





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最終更新日  Feb 9, 2007 06:50:54 AM
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