ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 11, 2007
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「In D, indeed...」

 今日は恩師M先生のところでバイオリンのレッスンをしていただきました。これまでも折をみてお会いしてはおりましたが、実際にレッスンしていただくのは十ン年ぶり!

 レッスン日の前夜か当日の朝になって大慌てで練習するところなど、子どもの頃から全く成長していない自分が情けなくもありましたが、腹を据えて、いざ師匠宅へと伺ったのでありました。
 レッスン室の扉をくぐる時のあの緊張感も懐かしく、そして「まな板の上の鯉」になったような心境もまた昔と変わらず……。

 さて、先生は相変わらず研究熱心で、今も多くの生徒さんをご指導のようでした。このレッスン室でのさまざまな想い出にゆっくり浸る間もなく、早速レッスン開始です。曲はモーツァルトの協奏曲4番の1楽章。

 この曲、3番や5番という名曲に挟まれてて、自分としては、もともとはそんなに興味を持っておりませんでした。というか、敢えて避けてました。こういう機会でもなければ弾くことはなかったと思います。

 レッスンでは、特に音色についてのご指導がありました。
 室内楽やオーケストラの一員として弾くのではなく、協奏曲の独奏として弾くわけだから、溶けて埋もれてしまうような音ではなく、華やかで伸びのある音色を作らなければならない。そのためには右手の弓づかいが大事、とのこと。
 肩、肘、手首、人差し指、中指、親指。それぞれのポイントでの力の加減について診ていただきました。しかも、ひと口に「モーツァルトらしい演奏」と言っても、微妙に流行り廃りがあって、一概にこれが正しいという弾き方、弓づかいというのは存在しない。……奥が深いです。


 曲は高音Dで爽快に始まります。キラキラと輝くような曲想は、バイオリン以外の楽器では絶対に考えられないほど、ぴったりハマっています。
 この不思議な存在感はどっから来るのでしょうか。ベートーベンやブラームス、そしてチャイコフスキーのバイオリン協奏曲などと並んで、ニ長調だからでしょうか。

 今日のレッスンでは、今後の練習の方法(コツ)についてもご助言いただきました。

 左手、特にポジション移動やオクターブについては、定期的な練習を絶やしてはいけない、エチュードや音階教本が手もとになくてもいいので、自分の弱点に合った効率よい練習を繰り返すことが大切、とのことです。

 当然ながら、ときどき自分の演奏を録音してみること。音程の狂いを認識するには、他人から指摘されるよりもずっと効果がある。←自分の演奏を聴くのって、 激しい自己嫌悪 に陥るので今までほとんどやってませんでした……。

 現代曲に果敢に挑戦すべき、ともおっしゃってました。ウェーベルンのカルテットとか、ヒンデミットのビオラ曲とか。……。

 何はともあれ、無事に終了しました。
 次回のレッスンが一週間後になるのか一ヶ月後になるのか、はたまた一年後なのか 十年後 かはわかりませんが、今から楽しみでもあり、でもやっぱり緊張してしまうことでしょう。





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最終更新日  Feb 15, 2007 12:07:16 AM
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