ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 20, 2007
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「スローなプレストにしてくれ。」

 今日は月例のトリオの練習日だったけど、ビオラを特別ゲストに加えてカルテットを練習することになった。(バイオリン:自分、ビオラ:ブライアン、チェロ:ルース、ピアノ:セス)

 ブラームスの1番。以前に別の団体でかなり気合いを入れて練習した曲。 最後に合わせたのは昨年の二月
 結局その団体は崩壊してしまい、メンバーとは今や音信不通になってしまった。だから、今日久しぶりに合わせるにあたっては、ほろ苦い思い出がアタマを横切った。

*****

 四分音符の単なる羅列で始まるのに、その後の展開に圧倒されてしまう1楽章 Allegro。

 フォルテでガーガー弾くのではなく弱音器をつけてストイックに弾かねばならず、思わず発狂しそうになる2楽章 Allegro ma non troppo。

 良くも悪くも胸が締め付けられるほど美しい音楽だけど、なぜか長ったらしく感じる3楽章 Andante con moto。



 ジプシー風に騒ぎまくった後、いきなり出てくる Meno Presto の速さの解釈をめぐって大討論になった。僕だけが他の三人と対立してしまった。テンポをちょっと落とすだけに留めたい彼らとは異なり、僕はしっとりとこの部分を弾きたかったから。

 自分がこの曲のこの楽章のことを知ったのは20年近く前のパトリス・ルコント監督の映画(おフランスもの)。「髪結いの亭主」だったか「仕立て屋の恋人」(←どっちの映画か忘れた)のなかで、この4楽章のメノ・プレストの部分がかなり粘っこく執拗に使われていた。オトナの男女の愛憎を描く映画だったし(確か)。

 だから、倍ぐらいに遅くしてレガートでねっとり弾くもんだとばかり思ってた。
 今回改めて楽譜を見てみたら、そんなことは全く書いてない。他の三人の言うように、もっとあっさりと健康的に弾くべきなのか。なんか腑に落ちない……。





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最終更新日  Jul 23, 2007 10:14:54 AM
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