ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 11, 2008
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「イントロクイズ」

 まさかこんなことになるとは。

 そもそも、今日メンデルスゾーンを合わせることは先月の練習時に確定してたのです。
 マルディ(vc)が、今度ご自分が参加するマスタークラスの受講曲を事前に四人で練習してみたいとおっしゃる。メンデルスゾーンを診てもらうのだそうで、「でも作品番号が思い出せないから、どの曲を弾くかは後日みんなに私から連絡する」とのこと。ここまでは順調でした。

 翌日マルディから「作品44-2ってことでよろしく」と僕の留守電にメッセージ。で、僕はエレン(va)に「来月の曲は44-2だって」と伝言ゲーム。

 ひと月が経過し、本日。いざ弾こうとしたら実は「作品44- 1 」のほうであることが判明! 僕の聞き間違い?

 マルディは「絶対に44-1って言った」と、決して譲りません。いや、でも僕だって「ワン」と「ツー」の違いぐらい聞き取れるし、間違えたつもりはない。
 そして、僕に言われるまま44- 2
 マリリー(vn2)は他人ごととしてケタケタ笑ってます。

 留守電のメッセージはとっくに消去してて証拠もないし、結局は僕の勘違いってことになってしまいました。

 開き直って、44-1の練習開始。初見で(ファーストを)弾くのは辛いけど仕方ありません。

 僕個人としては、皮肉なことに今月は「合わせ」の予定がほとんどなく、さらわなきゃいけない曲は今日のカルテット分だけでした。この一ヶ月結構マジメに練習してきたわけで、それが全然違う曲だったなんて。

*****

1楽章 : ド派手。オペラの序曲みたいな幕開け。分散和音の祭典。開放的で解放的。太陽。ニ長調。
 強弱記号を無視して全てフォルテで「ガン弾き」したくなるような曲(←こら)。

2楽章 : まったりメヌエット。トリオ部分の妙な音程に苦戦。

3楽章 : 短調のアンダンテ・エスレッシーボ。これは隠れた名曲! アンコール向き。
 メンデルスゾーンって、感傷的な歌謡曲(但し ohne Worte)がお得意。カルテットで言えば作品81の3曲めも萌え系無言歌。ポルタメントかけて、こぶしを効かせて。

4楽章 : 両端の楽章でハジけるのはお約束。舞曲風コンブリオ、しかも8分の12拍子との贅沢。



 初見で弾いといてウンチク垂れるのもナンですが、練習すれば絶対に弾けるはずの曲。技術的にも勉強になります。勘違いしてさらってきた作品44-2よりはずっと弾きやすい。
 メンデルスゾーン特有の高貴なる叙情性がところどころに見え隠れはするものの、基本的には楽しく弾いたもん勝ち。一応、練習は無事終了。

 マルディはご自分のレッスンに備えて来月のカルテット合わせでも引き続きこの曲を練習したがってましたが、エレンと僕の主張により次回の練習では作品44-2のほうをやることに強引に合意。せっかくヤミ練してきたわけだし、敗者復活を目論んでます。

 さて、最後に、本日のプチ発見。「メンデルスゾーンは出だしが唐突。」

 3拍ぐらい和音をうわぁ~んと鳴らして、いきなり旋律が始まる曲が多いように思います。「前奏」だの「序奏」だのと呼ぶにはあまりには短すぎて。


op44-1.JPG

 ↓作品44-2の出だし(3拍)
op44-2.JPG

 ↓弦楽八重奏曲の出だし(1拍半)
op20.JPG

 ↓バイオリン協奏曲の出だし(3拍)
concerto.JPG

 ちなみに、ピアノ三重奏曲1番のように、全く序奏/助走がないものもあれば、結婚行進曲(♪ドドドドー、ドドドドー)のように、4小節もの「ちゃんとした」序奏があるものもあります。





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最終更新日  Jun 15, 2008 07:36:15 PM
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