ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 12, 2009
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カテゴリ: 映画、テレビ
「少年に何が起こったか」

 この映画、観なきゃ良かった。
 いや、すごく良く出来た映画なのだけれど、観ていてツラく、痛々しいというか。僕自身、せっかく久しぶりに東京に滞在してるわけだし、この豊かな楽園で楽しい思い出だけを胸にアメリカに戻りたかったのに、甘かった。全然甘かった。これが現実。

 バラバラな家族四人の物語。「ボクんち、不協和音」という宣伝文句が実にハマってる。母親役に小泉今日子。

 父親は失業したのに家族にそれを言えない。母親はドーナツを作っても誰にも食べてもらえない。大学生の長男は米軍に入隊するとか言い出しちゃうし、小学生の次男は、ピアノを習うことを親に反対され、結局こっそりピアノ教室に通っている。

 四人の歯車は全く噛み合っていない。それでも彼らは淡々と(無言で)夕食を囲む。

 不幸な人びとを描いた映画って、実は自分は好んで観ている。どーせ他人ごとだし、「彼らに比べたら、オレって、なんて幸せなんだろう」と勝手に優越感に浸っては、明日からの活力にしている。←性格悪い?
 でも、この映画は決して遠い世界の話じゃない。

 先週観た映画「おくりびと」はおそらく全ての日本人にウけるであろうと思われるけど、それとは対照的で、こーゆうダークでブラックでドライな映画は(←少しは日本語使え!)むしろ外国人にウけるのではと感じた。


 次男を演じた少年が見事だった。ピアノを弾く場面も完璧。「おくりびと」のモックンのチェロより上手い。
 コイズミ氏がこんなに凄い役者だったことにも驚いた。昭和の末期、彼女がアイドルだった頃、ピアノを学ぶ音大生を演じてたのを懐かしく思い出した。←古すぎ?





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最終更新日  Jan 14, 2009 01:12:04 AM
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