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「漠然とこの2本の糸がキーワードになるだろうことは用意に想像できる。(注・前回公演 『もういいよ』先に記した「奇妙な」とは、「平面」=私の日常という極小さと「球体」=地球・宇宙空間という極大さが同時存在することで生じる、限りなく不安定で不確かな、空白や浮遊感としか言いようのない世界のことである。日常の背景に地球、またその背景に宇宙があることを意識させるだけではこのような感覚は得られない。我々の住む世界は、そのような統一的世界をもはや想起し得ないのだ。桃園会のユニークさは、作家の描く物語性の突出だけではなく、不安定な現実感覚をそのまま提示する特異な空間構成にその一端がある。