ヨカッタ探し

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March 6, 2006
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テーマ: お勧めの本(7891)
カテゴリ: 読書ろぐ
荻原浩 『神様からひと言』

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、
販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」
へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に
女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれている
やいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。(Amazonより)


今はサラリーマンではなく、
辞表をたたきつけて辞めたようなこともなく…
そんなわたしでも、読み終えて、胸がスッする小説。
主人公・涼平が決してヒーローじゃないところがいいですね。
女心にも鈍いし、どこか大人になりきれないというか…。
「お客様相談室」の面々もいいです。
名ばかりのひらめ室長・本間は、さいてーっと思っちゃいますが。

それだけに、終盤は本当に切なくなってしまうのですが。

先日、とある通販会社の電話注文を受けるバイトをしました。
声だけで相手の言ってることを聴き取るって、本当に難しいですよね。
電話だけですが、高圧的だったり、こちらの言ってることを無視したり、
嫌な感じのお客さんもチラホラいて、そういう人との電話で
一日の仕事が終わると、気分も落ち込みました。
セールスとかの発信よりマシかな、というあまーい考えで、
その短期バイトを受けたけれど、受信には受信のたいへんさがあるもんです。
で、フリーダイヤルだったせいか、変態さんからのイタズラ電話もあって、
わたしはたった1度当たっただけで、かーなーり凹みましたよ。
クレーム処理担当って、たいへんだ…。

にはほんとーに感心しちゃいました。
あれで競艇マニアでなければなぁ(笑)。

涼平の仕事とプライベートが、どちらも等分に描かれているのも
いいなぁ、と思います。
篠崎さんが謝罪の秘訣として、頭の中で自分が代わりに謝って

と思える人間を思い浮かべて、そいつの代わりに自分が頭を下げてるんだ、
って思うといい、と涼平に伝えるところがあって。
聞きながら、果たして自分にそれほど大切なやつがいるかな、と
首をかしげていた涼平が、いざ頭を下げる場面になって、
やっぱり大切なヒトの存在を思い出す。

 涼平が自分のことのように謝れる人間、自分がかわりに面倒事を背負い込んでも
悔やまない存在。たとえそいつが犯罪を犯しても、かばって一緒に逃げようとする
だろう女の名前だ。そんなやつ、やっぱりこの世に一人しかいない。


涼平は、4年も一緒に暮らした女性が、ある朝突然出て行っても、
その理由に思い当たらないような鈍いヤツですが。
ちょっと遠回りしてでも、こんなふうに想ってくれるならば、
彼に想われることは、かなりシアワセなんじゃないのかな。
などと、珍しく女心が刺激されるとこもあったりして(笑)。

荻原さん、これで3作目ですが、どれも面白かった。
次は何を読もうかなぁ~








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最終更新日  March 6, 2006 09:51:08 PM
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