ヨカッタ探し

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August 10, 2007
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)


恩田陸  『黒と茶の幻想』(上) (下) (集英社文庫、2006)

目の前に、こんなにも雄大な森がひろがっているというのに、あたしは見えない森のことを考えていたのだ。どこか狭い場所で眠っている巨大な森のことを。学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。卒業から十数年を経て、4人はY島へ旅をする。太古の森林の中で、心中に去来するのは閉ざされた『過去』の闇。旅の終わりまでに謎の織りなす綾は解けるのか…?華麗にして「美しい謎」、恩田陸の全てがつまった最高長編。
(「BOOK」データベースより*単行本版から抜粋)


ブログをお休みしてた頃に読んだ本です。

実はこれ、ポカやっちゃったんですよねー。
恩田さんの本は、一時期、図書館で単行本をザクザク借りて
読み漁ったので、「読んだ本」と「持ってる本」が一致しない
特に、三月シリーズはタイトルが長いせいもあって、覚えられない(汗
でも、『黒と茶の幻想』は読んでもいないし、持ってもいない。


移動の電車内でページを開いて、むむっ??
ページ上部に小さく<第三部 蒔生>とあるではないか。

表紙をしげしげと見直して…
「黒と茶の幻想(下)」
げ…
下巻ですかぁ~~。

そういえば、図書館でこの単行本を見つけて、迷った末に
借りなかったのは、あまりにも厚かったから、カバンに
入りきらなかったせい。(619ページあるんだって!)
なのになのに、普通の厚さの文庫1冊で収まるわけがない。

アサハカでした。


ひっそりと置かれていたんですが、7月の終わりに街の小さな
古本屋さんで見つけました。上巻。
その頃、ちょうど夏風邪でダウンしたので、ごろごろしながら
一気読みしてしまいました。読み応えあった。
下巻から読まなくてよかった。

実感しましたね。
中年の域にさしかかった4人の男女が、屋久島(本文ではY島)を歩く。
歩くというと、『夜のピクニック』と似たような設定だけど、
全然、ティストが違う。
小さな謎から、十数年の時を経て語られる謎。
日常から非日常へ、現在から過去へ。ゆらぐ座標軸。
現実と幻想の境界を行ったり来たり…。

旅が終わって、現実の何かが激変するわけではないけれど。
それでも確かに何かが変わっている。
読みながら、わたしの中の何かも変わったような気がした。
何か特別な事件が起こるわけではないのだけれど、
とてつもなく壮大な物語を読んだような…。

なかなか、お気に入りの作品になりました。







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最終更新日  August 11, 2007 12:31:54 AM
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