★ 「やがて目覚めない朝が来る」大島真寿美(ポプラ社)(2008.4.8読了) |
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両親の離婚後、母と父方の祖母である「蕗さん」の洋館で暮らすことになった。蕗さんは元舞台女優で、その周囲にはいつも賑やかに人々が集っていた。 この主人公である有加が成長していくと蕗さんや周囲の人々も当然、年老いていくし、人の死だって経験しなくてはならない。でも悲しんでばかりはいない。有加の強さもだけど、登場人物のひとりひとりがとても個性があるし、世の中で何が起ころうとも時間は何事もなく過ぎていく。結局は今をただ生きていくしかないんだろうな~ |
★ 「パークチルドレン」石野文香(小学館)(2008.4.9読了) |
15歳の水香は閉鎖された遊園地で仲間に出会い、恋をした。ここに集まる子どもたちは家でも学校でも居場所がない。だからこのパークは楽園なのだ。 千夏は水香のやっとできた親友だったが、川でおぼれている子を助けようとして死んでしまう。そして彼女が妊娠していることを知る。そこからがとても不思議な話だ。千夏の幽霊が現れ、水香に「代わりに赤ちゃんを産んでくれ」と頼まれてその日から水香のおなかに赤ちゃんが宿る。千夏の赤ちゃんの父親探しや同じパークチルドレンの直澄くんとの恋などいろんな経験をして水香は成長していく。後半部分はええ~そういう展開?と思ったが、つまることもなくサラサラと読めたのでよしとしよう。 |
★ 「学園のパーシモン」井上荒野(文芸春秋)(2008.4.15読了) |
裕福な家庭の子ばかりが通う私立T学園。カリスマ的な人気の学園長の死が近いと噂され始めたころ、赤い手紙が女子生徒の靴箱に届く。赤い手紙が届くとバラ色の生活が待っているという伝説・・・何か起きそうで起こらないようなとっても不安定な感じがいいね。なんだか暗い印象なのに読後はそんなにげっそりした感覚はなく・・・謎だらけなようでそうでもないような・・・なんだろう・・・うまく感想が書けないや・・・ |
★ 「主題歌」柴崎友香(講談社)(2008.4.23読了) |
デザイン会社で働く実加と三つ上の小田ちゃんとの会話が楽しい。テレビや周りの可愛い女の子を見つけては報告しあうという何とも男性的な会話になりそうなんだけど。でも女の子っておしゃべり好きだよね~大半は他愛のないことで忘れてるんだけどね。 |
★ 「Rのつく月には気をつけよう」石持浅海(祥伝社)(2008.4.23読了) |
湯浅夏美と長江高明、熊井渚は大学時代からの呑み仲間である。そして毎回、誰かが連れてくるゲストが持ち込む恋愛が絡んだ謎の話。おいしいお酒と美味しいつまみと面白くておかしくて謎めいたゲストの話。楽しそうだな~こういう集まりでしかも面白くて謎の話。思わず自分も参加したくなるような・・・ |
★ 「夕闇の川のざくろ」江國香織(文)守屋恵子(絵)(ポプラ文庫)(2008.4.25読了) |
しおんは美しくて、孤独でうそつきな女性。幼馴染の私と一緒に台所に立ち、しおんの話に耳を傾ける。何が本当で何が嘘なのか・・・考えてみれば世の中ってそんなことだらけなのかも。守屋恵子さんの絵もとっても素敵です。何度も何度も一人で静かな部屋で読みたい一冊です。ポプラ文庫創刊!!とっても嬉しいです。 |