プレリュード

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2006年03月31日
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カテゴリ: クラシック音楽
今日のクラシック音楽

ロマン派音楽の代名詞のような作曲家ロベルト・シューマン(1810-1856)は、紆余曲折、困難を乗り越えてクララ・ヴィークと結婚をしたのが1840年でした。 この1840年は、シューマンにとって「歌の年」と言われるほどに歌曲を数多く書いた年でもあり、2年後の1842年にはピアノ四重奏曲などの室内楽の名作を多く書いています。

その「歌の年」と「室内楽の年」の間の1841年に書かれた曲に交響曲第1番「春」があります。 シューマンの功績は勿論自作の美しい音楽を遺していることなのですが、もう一つ、シューベルトの交響曲第9番を発見したことも挙げられます。 シューマンによって陽の目を見たこの曲は、彼自身に交響曲を書く意欲を与えたと言われています。

そして、ドイツの詩人アドルフ・ベッツガーの「谷間に春が燃え立っている」という詩を読んで「春」というインスピレーションを得て、シューマンは交響曲第1番を書き、自ら「春」というタイトルを付けたと言われています。

各楽章には春への想いを込めて、それぞれに「たそがれ」「楽しい遊び」「春たけなわ」などの楽想の言葉を書いていたそうです。

第1楽章の序奏でホルンとトランペットがまるで「春の到来」を告げるようで、続いて春の暖かな空気を思わせる第1主題によって「春の気分」を漂わせており、この雰囲気が全曲を支配しています。

シューマンの交響曲はベートーベンやブラームス、シューベルトなどに比べるとオーケストレーションに見劣りしていることは、聴いていても感じられることですが、シューマンのほとばしる情熱は楽想として感じられ、若々しい気分を湛えている佳品です。

私が高校2年生の頃(1962年)にはハイドン、モーツアルト、ベートーベン、シューベルト、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザークやショスタコービチなどの交響曲を聴いており、シューマンのそれはこれら交響曲作曲家の曲に比べて劣るものと先輩から聴かされていましたので、聴きたいとは思っていてもLP盤の購入までに至らずに時間が経過して、1970年頃にやっとカラヤン/ベルリンフィルのLP盤を買うことによってシューマン体験をすることになりました。



その交響曲第1番「春」が1841年の今日(3月31日)、メンデルスゾーンの指揮でライプチッヒ・ゲバントハウス管弦楽団によってライプチッヒで初演されています。

愛聴盤 デビィッド・ジンマン指揮 トーンハレ管弦楽団

3・31
(Arte Nova 82876.57743 2003年10月録音 海外盤)

鋭く情感豊かなフレージングと、躍動する生命力のある弾力的なリズムの扱い、平面的な部分がまったくなく、非常にテンションの高い演奏で、聴いていて実に爽快な気分になります。 最近のシューマンの交響曲のディスクでは、ジョージ・セルとベルリンフィルの2番のシンフォニーと共に特筆すべき秀演だと思います。 2枚組CDでシューマンの4曲が全部収録されていて1000円のお買い得盤です。

ジンマン

レナード・バーンスタイン指揮 ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

453049  1984年録音 3/31
(ドイツ・グラモフォン 453049 1984年ライブ録音 海外盤)

バーンスタイン特有の生命力にあふれた熱演で、どのフレーズにも生き生きとした爆発するような生命が宿る名演。 このディスクによってシューマンの素晴らしさを教えられた記念すべき録音盤です。 現在ではこの紹介盤が1500円で求められる廉価盤となっています。

バーンスタイン

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今日の音楽カレンダー

1732年 生誕 ヨゼフ・ハイドン(作曲家)
1794年 初演 ハイドン 交響曲第100番「軍隊」
1841年 初演 シューマン 交響曲第1番「春」

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もうすぐ春爛漫

昨日、自転車にカメラを積んでソメイヨシノの開花状況のチェックを兼ねて近所の桜名所の公園に行きました(先日寒桜を撮影した画像をアップした公園)。 まだ蕾が固いのですが、もう開花する寸前でした。 今年は昨年に比べて1週間ほど開花が遅れているようです。 

桜の開花のさきがけと言われる白木蓮や紫木蓮が満開で、花壇には色とりどりのパンジーやプリムラ、ストックなどが咲いており、気が付かずに見落としてしまう「仏の座」や「犬ふぐり」「姫踊子草」が雑草の中で満開になっており、垣根として植わっている「雪柳」の白い花も五分咲きで、木の頭部はすでに真っ白になっています。

しかし「寒の戻り」でしょうか、気温10度、強い季節風が吹き渡っていて冬のように寒い一日でした。それでも「春の訪れ」はここかしこに見ることができます。

畑には赤や白のエンドウの花が満開です。ソラマメの花も咲いています。 黄色い菜の花の傍で、珍しい紫花菜がひっそりと春を迎える準備のように、小さな紫の花を咲かせていました。 黄色いタンポポも「おらが春」と言わんばかりにお日さまに向かって精いっぱいの背伸びをしていました。

これで桜が満開になれば、いよいよ「春爛漫」の季節になります。 桜満開を待つ、ともさんの「花便り」でした。

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ともの『 今日の一花 』        雪柳

公園や家の庭などに白い花を咲かせています。これから4月下旬頃まで楽しめる花の一つです。 今日は木全体でなくて可愛い様子の一部分をマクロレンズで撮影した画像をアップしました。

3/31撮影地 大阪府和泉市 2006年3月24日





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最終更新日  2006年03月31日 02時41分20秒
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