プレリュード

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2006年07月02日
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カテゴリ: クラシック音楽
今日のクラシック音楽 』    シベリウス作曲 交響詩「フィンランディア」

この曲の作曲当時(1890年代)のフィンランドは帝政ロシアから属国化された圧制の下にあり、それに抵抗する反発運動が活発な時代でした。 そんな折に国の歴史劇「いにしえからの情景」が上演され、その付帯音楽を彼が書いたのですが、その時にこの交響詩の構想があったそうですが、後に独立した組曲として発表されました「歴史的情景」の中に含めずに単独で発表されました。

曲は圧政下に苦しむフィンランドを表すかのような荘重な序奏から始まります。 そして急速な主題へ進み情熱のこもった旋律へと導かれて、やがてこの国の民謡風旋律が現れて、高らかに祖国賛歌を歌い上げていきます。

この曲が当時のフィンランド国民のロシア国への拳を上げる勇気を誘ったようで、後にこの中間部の旋律は「フィンランド賛歌」として詩がつけられ「第二の国歌」と呼ばれるようになった曲です。 演奏時間は約9分くらいの短い交響詩です。

この交響詩が初演されるちょうど6年前の1893年10月28日には、ロシア国内でもチャイコフスキー自身で初演された自国をを憂うかのような「悲愴」交響曲の内容と較べると、当時の帝政ロシアの末期的状況が音楽でも表されているように思います。 そしてこの曲が初演された6年後の1905年(明治38年)に日露戦争でロシアが降伏して、1912年の「ロシア革命」へと雪崩を打つように帝政ロシアが崩壊していきました。

交響詩「フィンランディア」は1900年の今日(7月2日)、フランス・パリで初演されています。

愛聴盤  サー・ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団

極上のワインを味わうかのような、ヒューマンな温かさに溢れた音楽を作るサー・ジョン・バルビローリ(1899-1970)は、彼の生涯を通じて愛し続けたシベリウスへの共感でしょうか、この曲でも各フレーズに彼の温かさがこめられており、この短い曲においても感動的な盛り上がりと熱い共感を感じさせる演奏です。 この盤にはシベリスの残した交響詩で有名な曲(タピオラなど)をカップリングされており、シベリウスの音楽を聴く上にも便利な盤となっています。 1966年のロンドン録音ですが、EMIの技術で最新録音と遜色ない音質として蘇っています。 1970年にイギリスのフィルハーモニア管弦楽団と大阪万博記念コンサートの来日直前になって急死したことは、初めて彼のステージに接する最後の機会だっただけに残念でした。

TOCE59034 7/02


収録曲

交響詩フィンランディア
カレリア組曲
交響詩ポヒヨラの娘
悲しいワルツ
トゥオネラの白鳥
レンミンカイネンの帰郷

このCDはシベリウスの交響詩・管弦楽曲のみを収録しています。 私の持っています盤はこのCDではなくて交響曲全集で、それらに上記の曲を全て収録されている盤ですが(TOCE11479-83)、廃盤となっており現在では分売されて再発売されているようです。 音源は同じです。

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今日の音楽カレンダー



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ともの『 今日の一花 』          小紫

初夏になると小さな可愛い花をつけています。 一般には「紫式部」と呼ばれていますが、それは山野などに自生している木で、家の庭などに植えられている園芸種は「小紫」と呼ばれるものです。 秋になると紫の小さな魅力的な実をつけて楽しませてくれます。

7/02撮影地 大阪府和泉市 2006年6月30日


7/02撮影地 大阪府和泉市 2005年11月





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最終更新日  2006年07月02日 07時03分11秒
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綺麗な写真ですね  
rudolf2006 さん
ともさん
初めまして、クラシックブログ村から来ました。
本当に綺麗な写真ですね
それに、私も「フィンランディア」は好きな曲の一つです。何か、あの曲を聴くと、元気が出るんですが、そんなことはないでしょうか?
私もクラシックが好きで、ブログにも色々と書いています。お暇でしたら、覗いてください。(^o^)
http://blog.livedoor.jp/rudolf2006/
(2006年07月02日 08時34分52秒)

Re:シベリウス「フィンランディア」/小紫(07/02)  
たけぽ2001  さん
コムラサキとムラサキシキブは花だけ見たら見分けがつかないくらい似ていますね。
どちらも実の持ちがいいので紫色の実の印象が強いですが、花もまたいいものです。
艶のある実の質感がよく分かる写真ですね。
(2006年07月02日 08時58分49秒)

rudolf2006さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
rudolf2006さん
>綺麗な写真ですね
>ともさん
>初めまして、クラシックブログ村から来ました。
>本当に綺麗な写真ですね
>それに、私も「フィンランディア」は好きな曲の一つです。何か、あの曲を聴くと、元気が出るんですが、そんなことはないでしょうか?
>私もクラシックが好きで、ブログにも色々と書いています。お暇でしたら、覗いてください。(^o^)
http://blog.livedoor.jp/rudolf2006/
-----

ご訪問と書き込みをありがとうございます。

「フィンランディア」はいつ聴いても元気の出る、気持ちを奮い立たせてくれる曲ですね。

これからそちらのページに立ち寄らせていただきます。


(2006年07月02日 10時43分44秒)

たけぽ2001さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
たけぽ2001さん
>コムラサキとムラサキシキブは花だけ見たら見分けがつかないくらい似ていますね。


実際には区別がわかりません。 ただ山野の自生しているのを撮る時は「紫式部」、庭で咲いているのを「小紫」と区別をしているだけなんですよ。

>どちらも実の持ちがいいので紫色の実の印象が強いですが、花もまたいいものです。
>艶のある実の質感がよく分かる写真ですね。
-----

ありがとうございます。 昨年の「小紫」の実の色はあまり冴えた紫色でなかったような印象があります。 毎年秋になると撮るのが楽しみな被写体の一つです。

(2006年07月02日 10時48分04秒)

小紫  
これ大好きです♪
お花を注意して見たことがないように思います。
ちょっときょろきょろしながら歩くことにします~ (2006年07月02日 11時11分41秒)

e-timeさん、ありがとうございます  
とも4768  さん
e-timeさん
>小紫、これ大好きです♪
>お花を注意して見たことがないように思います。
>ちょっときょろきょろしながら歩くことにします~
-----
実はとても目につきやすいのですが、花はとても小さいので見落としてしまいやすいですね。 額紫陽花シベよりも小さいですから、よほど注意しないと見落とします。 可愛い花たちです。
(2006年07月02日 12時19分56秒)

Re:シベリウス「フィンランディア」/小紫(07/02)  
会長0804  さん
 フィンランディアはいつ聴いても勇気を奮い立たせてくれるような名曲ですね。個人的には、シベリウスの管弦楽曲の中で一番好きなのは「トゥオネラの白鳥」でしょうか。あの静かに祈るようなチェロの旋律が忘れられません。 (2006年07月03日 00時54分47秒)

会長0804さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
会長0804さん
> フィンランディアはいつ聴いても勇気を奮い立たせてくれるような名曲ですね。個人的には、シベリウスの管弦楽曲の中で一番好きなのは「トゥオネラの白鳥」でしょうか。あの静かに祈るようなチェロの旋律が忘れられません。
-----

確かに「フィンランディア」は勇気を与えてくれる曲ですね。 私もシベリウスのオーケストラ曲では「トゥネラの白鳥」が一番彼らしい音楽・曲だと思いますし、好きですね。 透徹した美しさがあります。

(2006年07月03日 01時08分01秒)

Re:シベリウス「フィンランディア」/小紫(07/02)  
フィンランディアは元気が出ますね。
カレリアの行進曲?も好きです。
大学のときのオケの定期演奏会で、アンコールに悲しきワルツをやりました。
途中にフルートのおいしいソロが出てきます♪

こむらさき、カワイイ花ですね~
また実がころっとしてカワイイ~~♪
実もしっかり紫なのですね。
(2006年07月04日 21時59分06秒)

ピーヒャラ5656さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
ピーヒャラ5656さん
>フィンランディアは元気が出ますね。
>カレリアの行進曲?も好きです。

「フィンランディア」はほんとはシベリウスらしくない曲だと思うのですが、聴くと元気を与えてくれますね。

「カレリア」組曲なんかがシベリウスらしい音楽の一つかもしれませんね。

>大学のときのオケの定期演奏会で、アンコールに悲しきワルツをやりました。
>途中にフルートのおいしいソロが出てきます♪

あそこの独奏パートはフルート奏者にはおいしい部分でしょうね。

>こむらさき、カワイイ花ですね~
>また実がころっとしてカワイイ~~♪
>実もしっかり紫なのですね。
-----

そうなんです。 実に鮮やかな紫の実が長い間楽しませてくれます。

(2006年07月04日 23時24分55秒)

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