プレリュード

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2007年12月14日
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カテゴリ: クラシック音楽
閑話休題 」    年末に人気の「第9」

毎年年末になると日本のあちこちでベートーベンの交響曲第9番ニ短調「合唱付き」が演奏されます。 欧米では見られない日本だけの現象と言われています。 12月に来日して日本のオーケストラを振る指揮者は必ずと言っていいほどこの「第9」を振らされているのではないのでしょうか。 すでに一つの「音楽文化」とでも呼べる現象です。

ベートーベン

曲は申し分のない音楽として誰もが認める偉大な人類の遺産とでも呼べる作品です。その音楽を何故日本では年末に演奏されるのか、定かなはっきりとした理由はないようです。とにかく年末の「行事」・「文化」として根を張っているようだし、これからも決して衰えることがないように思えるほど定着しています。 この曲が聴こえてくると一気に年末モードが盛り上がってくると言う人がいるくらいです。

確かに現代では100人ほどのオーケストラ・メンバー、100人を超える合唱団と4人の独唱者による「スペクタクル」と呼ぶにふさわしい音楽ですから、CDやDVDで聴くよりも生演奏で聴く方がはるかに感動するに違いありません。

12月に「第9」を演奏するようになったルーツは1947年(昭和22年)の日本交響楽団(現在のNHK交響楽団)の3回の演奏会だそうです。 楽員の年越し費用に役立ったと言われています。

初演は1918年(大正7年)ドイツ人捕虜を中心に行った徳島での演奏だそうです。 コンサートとしては1924年(大正13年)11月29日の東京音楽学校(現東京藝術大学)の学内演奏会だったそうです。

最近よく耳にしたりCDに書かれている「ベーレンライター版」というのがあります。 私も何のことがわからないので調べたところ、楽譜上のミスなどが見過ごしてこられたのが、修正されてべーレライター社から新しく出版された楽譜のことらしいです。 この版で演奏されたのを聴いていますと、確かに今まで聴いていた音楽と少し変化があるのがわかりますが、大きな修正はないようです。


もっと楽しく、喜びにあふれた歌を歌おうよ

喜びは、光輝く神々が散らす火花、
理想の楽園の娘のようなもの
僕らは炎に心を奪われながら
清く神々しい喜びに足を踏み入れる

喜びは魔法の力となり、時の流れの中で
散り散りになった僕らを再び結びつける
人間はみんな兄弟になるんだ、
喜びが優しく羽を休めるところで





1年を振り返り「ゆく年、くる年」を思いながら来年こそは平和な日本、戦争のない世界でありたいと思う心があるからでしょうか。

私も学生時代から毎年のように生演奏を聴きに通いました。会場で聴く「第9」は家のステレオ装置で聴くのと大きな違いがあり、聴き終わったあとの感動の大きさは比ではありません。

しかし近年はさっぱり会場に足を運ばなくなりました。 今年あたりはと思っていましたが、どうやら今年も自宅でCDを聴いて終わりそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日の写真 」       枯れ落ち葉

これは昨年の紅葉を観に行った際に撮った写真です。 今年も同じ場所に行きましたが、すでに盛りを過ぎていて何も撮らずに帰ってきました。


枯れ落ち葉






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最終更新日  2007年12月14日 04時55分30秒
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歌ってみたかった  
第九は一度歌ってみたいと練習場に行ったのですが、音が高すぎるので諦めました。残念でした。 (2007年12月14日 05時47分10秒)

象さん123さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
象さん123さん
>歌ってみたかった
>第九は一度歌ってみたいと練習場に行ったのですが、音が高すぎるので諦めました。残念でした。
-----

私と同じですね。 3度チャレンジしましたがキーが高すぎて諦めました。 一度は歌ってみたいですね。


(2007年12月14日 09時11分17秒)

Re:第9の話/枯れ落ち葉(12/14)  
よんきゅ  さん
第9は最近演奏したのでとてもタイムリーなお話ですね。「ベーレンライター版」でも演奏したことがありますが、聴いた感じで明らかに違うという部分はおそらく少ないと思います。テンポ設定(メトロノーム数値の値)や、ダイナミクスがちょっと違うという感じでしょうか。第3楽章がけっこうあっさりになるなというのが印象ですね。

しかし、実は従来の版で演奏されているCDにも指揮者によっていろいろと付け加えられているものが多いですね。オクターブ上げてみたりだとか、ティンパニが足されていたりだとか、いろいろな細工があります。第9については特に「現代の楽器ならこうしただろう」とか、「当時の楽器ならこういう音が出たはずだ」といったさまざまな解釈があるようですね。 (2007年12月14日 12時47分28秒)

よんきゅさん、ありがとうございます  
とも4768  さん
よんきゅさん
>第9は最近演奏したのでとてもタイムリーなお話ですね。「ベーレンライター版」でも演奏したことがありますが、聴いた感じで明らかに違うという部分はおそらく少ないと思います。テンポ設定(メトロノーム数値の値)や、ダイナミクスがちょっと違うという感じでしょうか。第3楽章がけっこうあっさりになるなというのが印象ですね。


ジンマン指揮の演奏やラトル・ウイーンフィルの演奏などがベーレンライター版なんですが、私も指揮者の解釈がそう聴こえさせるのかと思っていたのですが、ハインティンクとロンドン響の演奏を聴いて驚きました。これまでのハインティンクの「第9」とは明らかに違うアプローチなので、これは版によるものだと思っていました。

>しかし、実は従来の版で演奏されているCDにも指揮者によっていろいろと付け加えられているものが多いですね。オクターブ上げてみたりだとか、ティンパニが足されていたりだとか、いろいろな細工があります。第9については特に「現代の楽器ならこうしただろう」とか、「当時の楽器ならこういう音が出たはずだ」といったさまざまな解釈があるようですね。
-----

そうですね。ストコフスキー盤はその一例かも知れませんね。 名演と讃えられているフルトヴェングラー盤にもそういうことが感じられます。

実際に演奏なさっておられる方の貴重なコメントをいただき、ありがとうございました。 とても参考になりました。


(2007年12月14日 13時09分35秒)

Re:第9の話/枯れ落ち葉(12/14)  
たけぽ2001  さん
第9は暮れの風物詩ですね。
私の知り合いも、素人声楽隊で毎年歌うそうです。
やはり新年への希望を感じるんでしょうかね。
この紅葉は見事ですね。
紅葉は水によく映えます。
(2007年12月14日 23時22分52秒)

たけぽ2001さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
たけぽ2001さん
>第9は暮れの風物詩ですね。
>私の知り合いも、素人声楽隊で毎年歌うそうです。
>やはり新年への希望を感じるんでしょうかね。

最近は「年末の第九文化」のようになってきましたね。アマチュア楽団でも年末に演奏会を開いて「第9」を演奏していますし、まるで「第9 日本列島」のような趣を呈していますね。

>この紅葉は見事ですね。
>紅葉は水によく映えます。
-----

ありがとうございます。確かに落ち葉と水はよく似合いますね。

(2007年12月14日 23時55分01秒)

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