プレリュード

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2008年01月09日
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カテゴリ: クラシック音楽
危険運転致死罪 適用せず


福岡市で18年8月に後から車で追突され海に転落して亡くなった3児死亡事故の判決公判が昨日福岡地裁で下されました。 この加害者は缶ビール1本、焼酎水割り9杯という飲酒のあと運転してこの事故を起こしており、本人も飲酒運転が問われるので事故後水を大量に呑んでアルコールを少しでも減量させようとしたと当時報道されていました。

しかし福岡地裁の判決は「危険運転致死罪」(飲酒運転による死亡事故を起こした場合にも科される罪)でなく「業務上過失致死罪」を適用して「わき見運転」による事故と断定していました。

「危険運転致死罪」を適用するには「衝突回避措置を講じており、相応の判断能力を失っていなかった」ので「正常な運転が困難だったとは認められない」として「過失致死罪」で懲役7年6か月の判決を言い渡しています。

飲酒運転が危険で酒を飲めば運転しないが今では社会の常識となっているのですが、「法律の壁」は厚いのですね。 上記のアルコール量を飲酒して人が3人まで亡くなっていても、「正常な運転が困難だったとは認められない」という裁判所判断に釈然としないものを感じます。

この二つの法律による量刑の差が大き過ぎるからです。 「危険運転」は最高が懲役25年、「過失致死」が最高刑で7年6か月です。

飲酒運転根絶が叫ばれている中、飲酒して運転した死亡事故が、脇見運転という単純な過失と同じように評価されていることに、私はとてもこの判決に???視したいし、違和感が残ります。 

これは3人の子供をこの事故で失った両親への心情的な想いではなくて、法律の適用にはまだまだ議論すべき余地が残っているのではないかと感じます。



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CD棚から1枚 」      ボロディン作曲 弦楽四重奏曲第2番


アレクサンドル・ボロディン(1833-1887)はサンクトペテルブルクで、グルジア皇室の皇太子ルカ・ゲデヴァニシヴィリの非嫡出子として生まれています。 実子としての扱いはなかったのですがピアノの稽古を含めて高等教育を受けて化学を専攻している、作曲家としては毛色の変わった人でした。 正式な作曲法は30歳になってバラキレフから学ぶという変わり種の作曲家です。

ボロディンは多作ではなく、現在も演奏される作品は交響曲第2番、オペラ「イーゴリ公」、そのオペラの中の「ダッタン人の踊り」、交響詩「中央アジアの草原にて」、それに弦楽四重奏曲第2番が主な作品です。

化学を専攻しており生涯その道を歩んだ人でもあり、「ボロディン反応」という名前で化学史に名を残しているそうです。 作曲はその化学の研究の余暇にしていたと思われるほどで、自らを「日曜作曲家」と呼んでいたそうです。

ボロディンの音楽は力強く叙事詩的情緒が色濃く、また豊かな和声が特色です。名高い「ロシア五人組」の一人で、ロシア的な音楽を濃厚に彩っており情熱的な音楽表現やその和声法は、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家にも影響を与えたと言われています。

ボロディンは動脈瘤の突然の破裂によって1887年2月27日に急死しています。

そのボロディンの傑作の一つで、室内楽の音楽史における全作品の中でも最も人気のある曲の一つに「弦楽四重奏曲第2番」があります。

この曲は、1881年8月に作曲されており、和声や調性の変化によって微妙な彩りの移り変わりを情緒豊かに歌い上げて、ロシア的・スラブ的な抒情に溢れた音楽でありながら、西欧の古典的な様式にそって書かれており、その融合というか統一感が素晴らしく生きている曲の一つです。

各楽章の主旋律が非常に明確で、スラブ的な哀愁と濃厚なロシアのロマンティシズムが豊かに流れる美しい作品で、特に、第3楽章は「ノットゥルノ(夜想曲) アンダンテ」と記され、哀愁感のあるロシア的な美しいメロディがチェロで歌われており、この楽章が色々な楽器や編成の音楽用として編曲もされているほどに、美しい、有名な旋律です。



愛聴盤 エマーソン弦楽四重奏団

UCCG3579
(グラモフォン原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCG3579 1984年録音)

収録は他にチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番、ドヴォルザークの「アメリカ」という好カップリングが魅力です(私が聴いていますのはドヴォルザークが収録されていない、初出当時の盤です)。

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今日の音楽カレンダー

1887年 初演 フランク 交響曲ニ短調
1904年 初演 ドビッシー 「版画」







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最終更新日  2008年01月09日 05時27分13秒
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