プレリュード

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2008年01月16日
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カテゴリ: クラシック音楽
花粉の飛散3倍に

新聞報道に依ると今年の春の花粉の飛散は去年に比べて1.5~3倍に増えるそうです。 特に東北・関東方面にその増量が顕著であると予想されているそうです。 これも地球温暖化の影響だそうです。 

しかも時期については例年より早まって1月下旬から始まるところもあるそうです。 私はまだ花粉症にかかったことはないので、この病気の辛さ・怖さを知りませんが患者さんには私の友人も含まれていて、たいそう辛い病気だそうです。 鼻は赤く腫れあがり、特に女性の場合は顔ですから表にも出られない、とこぼしています。

花粉症の方はいっそうの注意が必要です。 春を待たずに花粉が早期に散ってくる公算が強いようですからくれぐれもご注意ください。

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珈琲ブレイクに1曲 」        ベートーベン作曲 「エグモント」序曲


久しぶりにベートーベンの話題です。 この人の音楽は初期から晩年に至るまで常に安定した腰のどっしりとした落ち着くのある音楽であるのがとても好きな理由の一つです。特に後期ドイツロマン派の一人マーラーの音楽などを聴いたあとに、ベートーベンの曲を聴くといつも落ち着きが戻ってきます。 その安定感ある音楽は抜群の魅力をたたえています。



またベートーベンはこよなく詩人ゲーテの作品を愛していたようです。 ゲーテの中に自分が目指す人生の哲学を見出していたのでしょう。

ゲーテは戯曲「エグモント」を書き、1810年ウィーン宮廷歌劇場で初演されたゲーテの戯曲「エグモント」のために劇付随音楽をベートーベンは委嘱されました。 喜んで彼は承諾して10曲の劇付随音楽が作曲されています。その中の序曲はこの劇付随音楽のうちにとどまらず、あらゆる序曲というジャンルの中でも最も優れた音楽の一つではないでしょうか。 演奏会でもよく演奏される曲です。

戯曲「エグモント」は実在した軍人・政治家であるラモラル・エグモントというオランダの英雄をモデルに描かかれており、物語は16世紀にスペインの圧制に苦しむオランダの民衆を救おうとエグモント伯爵が独立運動を指導し立ち上がりますが、捕らえられて死刑を宣告されてしまいます。おなじく捉えられた愛人のクレートヒェンが獄中で自殺します。そのクレートヒェンが自由の女神として彼の前に現れ勇気と正義を祝福します。すると伯爵は自分の死は無駄ではないと目覚めて敢然と死につくという悲劇的な英雄の生涯を表現した物語で、いかにもベートーベンが好みそうな戯曲です。

この序曲はオーケストラの全奏とそれに続く弦楽器群による力強くゆったりとした序奏により始まりますが、オーボエとそれに続く管楽器による暗い主題が現れ、のちの悲劇を予感させます。テンポが早くなるとバイオリンとチェロに始まる弧を描くような動きが楽器と形を変化させながら繰り返し提示されるとともに、序奏の名残も現れて悲劇的な英雄であるエグモントが表現されます。

最後はピアニシモで静かになった後、フォルテシモまで盛り上がり自殺するクレートヒェンと処刑されるエグモント伯爵の愛と正義を称える勝利の音楽として終わります。

ベートーベンの音楽は「自由」を信じて力強く、聴く者に希望を与える「愛」と「正義」をたたえた壮烈な音楽詩として圧倒されてしまいます。

今日の珈琲ブレイクに聴いてみようと思っています。

愛聴盤 

(1)「ベートーベン序曲集」 オイゲン・ヨッフム指揮 バンベルグ交響楽団

BVCC5029 1985年録音
(RCA原盤 BMGジャパン BVCC5029 1985年録音)

1.「エグモント」op.84序曲

3. 「プロメテウスの創造物」op.43序曲
4. 序曲「コリオラン」op.62
5. 「フィデリオ」序曲op.72b
6. 「レオノーレ」序曲第1番op.138
7. 「レオノーレ」序曲第3番op.72a が収録されています。 演奏は純ドイツ風に重厚な味わいのある響きで、収録曲もベートーベンの代表的な序曲ばかりで納得のいく普遍的な演奏としてお薦めです。 1500円盤です。




UCCD7036   1969年録音
(DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD7036 1969年録音)

劇音楽「エグモント」全曲が収録されています。 ドイツ語のナレーターが入って劇の進行を語っています。 グレートヒェンには懐かしいソプラノのピラール・ローレンガーが歌っています。 セル最晩年の録音でウイーンフィルハーモニーというのも嬉しいディスクです。 ヨッフムの演奏は純ドイツ風の堅牢な響きで素晴らしいのですが、セルの演奏は情熱的にウイーンフィルをあおりながら燃焼度の高いものとして訴えかけてきます。 これで1000円盤とはお買い得です。






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最終更新日  2008年01月16日 07時06分18秒
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Re:ベートーベン 「エグモント」序曲/花粉の飛散3倍に(01/16)  
たけぽ2001  さん
花粉症の方は今から戦々恐々ですね。
幸いなことに私も花粉にはまったく反応しません。
この病気、突然スイッチが入ったように発症するらしいので、油断は禁物ですが・・
(2008年01月16日 23時33分45秒)

たけぽ2001さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
たけぽ2001さん
>花粉症の方は今から戦々恐々ですね。
>幸いなことに私も花粉にはまったく反応しません。
>この病気、突然スイッチが入ったように発症するらしいので、油断は禁物ですが・・
-----

私も花粉症でなくて幸いです。 洟が出る目が痛いと見ていても痛々しそうです。可哀そうになります。いつ発症するかわかりませんからお互いに気を付けましょう。

(2008年01月17日 01時10分34秒)

Re:ベートーベン 「エグモント」序曲/花粉の飛散3倍に(01/16)  
にゃお10  さん
この曲、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で聴こうと思っていました。
でも、指揮者のリッカルド・シャイー氏が病気で、公演中止になってしまいました。
非常に残念です。 (2008年01月18日 22時16分05秒)

にゃお10さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
にゃお10さん
>この曲、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で聴こうと思っていました。
>でも、指揮者のリッカルド・シャイー氏が病気で、公演中止になってしまいました。
>非常に残念です。
-----

私がゲヴァントハウスの演奏会を客席で聴いたのは高校2年生でしたらもうかれこれ50年近く前になります。指揮者はコンビチュニーでした。ベートーベンの第8と第9でした。今でもあの時の腹に響いてくる重厚で力強い音を覚えています。

ベートーベンやブルックナーを演奏すればまさに正統的なと言える楽団でしょうね。

シャィーの一日でも早い回復を祈りたいですね。

(2008年01月18日 23時00分17秒)

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