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血液型検査

【血液型検査】

 現在知られている血液型は,十八系列以上になるが,輸血などの際に問題となるのは,ABO式と,Rh式の二つである.
 ①ABO式・・・赤血球の膜表面には,二種類の型物質(凝集原という)---AおよびB抗原があり,血清中には,これに対応する二種類の抗体(凝集素)---抗Aおよび抗B凝集素が存在する.その組み合わせにより,血液型は,A,B,AB,Oの四型に分類される.
 各人の血清中には,自分の赤血球には存在しない抗原にたいする抗体(凝集素)のみが含まれている.
 血液型は,判定用血清(抗Aおよび抗B血清)をスライドガラスに一滴たらし,被検査の血液を一滴加えて,その凝集によって判定される.凝集とは血液が固まることをいう.
 輸血にあたっては,同じ血液型が用いられる.昔はO型の血液はどの血液型の人にも輸血ができるとされていたが,O型血清中の抗Aには溶血作用(赤血球が壊れること)の強いものがあることがわかり,現在では,同じ血液型同士の輸血しか行なわれていない.
 ちなみに,日本人におけるABO式血液型の出現頻度は,A型40%,O型30%,B型20%,AB型10%とされている.

 ②Rh式・・・赤血球膜には,A,B抗原の他に,D抗原という抗原がある.
 D抗原をもつのをRh+(陽性)といい,もたないものをRh-(陰性)という.日本人では,99.5%が陽性である.
 Rh-(陰性)の人に,Rh+(陽性)の血液が輸血されると,約50~70%のRh-(陰性)の人に抗D抗体(Rh抗体ともいう)がつくられ,後にRh+(陽性)の血液を輸血したとき,重大な副作用(溶血など)をもたらす原因となる.したがって,Rh-(陰性)の人には,予防的にRh-(陰性)の血液が輸血されることになっている.
 また,Rh-(陰性)の母親が,父親がRh+(陽性)でRh+(陽性)の子供を妊娠分娩すると,約10%の母親に抗D(Rh)抗体は,第二子以後の胎児や新生児に対して,溶血による障害(発育不全や重症黄疸)を起こす原因となる.
[2003.2.1更新]
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