飛ぶことには慣れ、以前よりも強くなった実感をもっているエレナ。でもまだ上手に着陸できません。人間だったころにはマンハッタンの自分の部屋からラファエルの塔の空中の入り口から出入りする天使の姿を憧れをもって見上げていたのに、いまはその場にいる不思議。マンハッタンに戻ってきて、まず自分の部屋に戻ってみると、ラファエルの血や散乱したガラスの気配すらなく、整然と整えられ、がらんとしていました。自分のお気に入りのものを集めたお城のようなものだったためショックを受けるエレナ。そこにラファエルがやってきて「見せたいものがある」と連れ出されます。ラファエルの屋敷に着くと、そこには部屋から持ち出された何もかもが移されていました。父ジェフリーから家を荷物ごと追い出され道に投げ出された記憶もよみがえり、ラファエルの気遣いに静かに感激するエレナでした。
夜、ラファエルが寝室から外を眺めています。このところの気象異常は、身体の毒が消えるまで眠っていると伝えられている大天使が起きるためではないか、と。眠っていると伝えられている大天使は何人かいるものの、いまは消息不明で狂気に陥ってしまった自分の母であり大天使でもあるキャリエーンではないかと心配している様子です。
朝起きてみると、ラファエルは不在。呼ばれていった場所は、エレナの半分血のつながった妹たちが通う小学校でした。駆けつけてみると、そこには妹二人がいて、どうやら死体の第一発見者だったよう。エレナとはほぼ没交渉のため上の妹アメジストは近づいてきませんが、下の妹イヴァンジェリンはエレナによってきて事情を説明します。エレナはヴァンパイアになったと伝えられていたので、あっという間に新顔の天使がニュースになりそうな気配です。
建物の中へ進んでいくと血まみれの部屋が。 被害者は少女で、遺体は外の池の中で発見されます。遺体はジェイソンが見守っていました。ブラッドラストに陥ったヴァンパイアの仕業かと思いきや、何者かに「ラファエルが死んだ」と吹き込まれて、暗い欲望にひたることにした正気のヴァンパイアが犯人でした。ラファエルは静かに見えて激怒している様子。即座に犯人を処刑するラファエル。彼は以前クワイエットに陥ったような危うさというか危険さを発散していてエレナは不安を覚えます。
市内のモルグにディミトリと出かけ、遺体と体面します。その少女は下の妹の親友で、たまたまおなかが痛いということで、妹の部屋で休んでいたところを襲われたのではないか、私のせいでとエレナはショックを受けます。昏睡から覚醒したのちにも父ジェフリーには連絡をとらないままでしたが、エレナの関係者ということで狙われる妹たちに警戒してもらうために、モルグから父に電話します。相変わらず冷たい対応のうえに話があるから翌朝訪ねてくるように、と命令されて反発は感じるものの、結局行くことに。残留している血液の量から被害者はもう一人いたのではと思われましたが、もう一人も池の近くで発見されたようです。
ラファエルのスパイマスター、ジェイソンに頼んで空を飛んでいても大きな的にならない方法を教えてもらっていました。