美味しいワインと出会う旅

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

うまいーち @ Re:グザヴィエ・カイヤール Xavier Caillard(12/07) お久しぶりです。 グザヴィエ ガイヤール…
南喜一朗 @ Re:新年福袋ワイン会のご案内。(12/16) 7日と10日は料理もワインも違います。…
全て | ワイン会のご案内 | 雑談 | ワイン会 | イタリア | コート・ド・二ュイ | ボルドー | スペイン | その他フランス | カリフォルニア | チリ | オーストラリア | ロゼワイン | 自店 | その他 アルコール | 日本のワイン | ワインについて | 南アフリカ | その他の国 | パストゥグラン | 海の幸  | ポムロール | ブルゴーニュ白 | ボルドー左岸 | ボルドー右岸 | オーディオ | サンテミリオン | サンジュリアン | サンテステフ | ポイヤック | マルゴー | ローヌ 北 | シャンパーニュ | アルザス | ロワール | オーストリー | ブルゴーニュ赤 | モンラッシェ系 | ボジョレー | ローヌ 南 | ジュヴレ | ヴォーヌ・ロマネ | ムルソー | シャブリ | ニュージーランド | コート・ド・ボーヌ | アクセサリー | 美味なるワイン | ニュイサンジョルジュ | 野菜・果物・総菜 | | 調味料
2011/06/13
XML
カテゴリ: ワインについて

脱酸パック保存法について多くのご意見やご質問がありました。

そこでワインの劣化を整理したいと思います。

一番早くワインが劣化するのは光です。直射日光の紫外線に7日間ワインを当てると完璧に駄目になります。蛍光灯の光も良くありません。一言で言って干した様な太陽の味になります。ですから段ボール箱の中に入れたり新聞紙でくるむ等の対策は必要です。 

次に良くあるのが、ワインが激しい温度変化にさらされて、吹いたり、新しい空気が瓶の中に入る事による酸化劣化があります。

クール宅急便で5度で届いたワインを30度の部屋に置くとワインは膨張します。5cc位膨張するはずです。瓶の口は細いので5mm位液面が上がります。理論上はコルク栓で密閉されているので内圧が上がるだけです。

しかしながら、コルクによっては空気を通したり、ワインを漏らしたりします。

よく吹いたワインと言うのがあります。これは温度変化によってワインが膨張してワインがコルクを通り抜けて瓶の外に溢れた状態です。

吹いたワインはダメージワインとして分かりやすいから良いのですが、立っている状態で瓶の液面が比較的低いワインの場合は空気だけがコルクから溢れ、そしてまた収縮した時に新しい空気を吸い込みます。

コルクが時々瓶の口より持ちあがっているワインもあります。これは内圧に押されてコルクが持ち上がったわけです。

外観上全く問題が無くても温度変化の膨張と収縮でワインは空気を呼吸します。

特に新しい瓶詰め直後から半年のコルク栓は空気をよく通します。

横に寝かして1年経つとコルクにワインが浸みて完全密閉に近い状態になります。

新しい空気が入ると、ワインは酸化します。ワインの中には元々酸がありますが、それが変になって来ます。

高温・酸化劣化によるワインの味の特徴は熱が入って半年位は香りもよく、美味しいのですが、僅かな苦みやエグミが残ります。1年経つと更に酸のバランスが崩れ埃っぽい香り、沢庵や、おが屑、の様な味が余韻に残ります。このワインをブショネだと間違えるベテランも多いです。

夏の暑い部屋に長期間ワインを置くと日々少量ですが空気を吸っては吐くと言う事になります。

例えば日中出かけていて35度の部屋に夜、人が帰って来てエアコンで25度に下げる。10度の変化を高温状態で一月続けると、10度で2cc位膨張するので、単純に計算すると60ccの空気が瓶の中に入っては出た事になるのです。

ですから暑い部屋に置くのでも、日が当らない、エアコンも入らない、日中30度、夜も28度の部屋の方が良いのです。

次に、全く空気が入らずただ高温になったワインは如何なるのでしょうか・・・

実態としてはなかなかこう言う条件は少ないのですが考えてみましょう。

30度位の温度で変化せずに長時間ワインを保管すると、理屈からすると味的には苦みが多くなり、香りの要素が壊れる様に思います。

ただワインと言う物は酸化しない状態で熱い温度で置いても28度以下なら大きな劣化は10年位はしないと思います。私が子供の時住んでいた家の半地下室は冬10度、夏28度になりましたが、一日の温度変化は1度以内でした。この部屋に寝かせてあったワインが今でも手元にありますが、劣化は全く感じません。

ワインは醗酵中も30度以上の温度になる事は多多ありますし、瓶詰めの時高温殺菌処理で60度にする事もあります。

酸化さえしなければ、多少の熱では劣化しません。そう言う意味ではスクリューキャップのワインは酸化劣化し難いワインです。

私の提案して実験している脱酸ガスパックもこの温度変化による酸化劣化を防ぐ事が目的です。

実際フランスのワインの作り手は歴史もあって地下の洞くつの様なセラーや、立派な地下セラーを持っています。しかし日本やオージー、カリフォルニア等のワイナリーは巨大な地下セラーを持つ所は僅かです。エアコンの強制冷却もコストが高いので一部の高級ワインだけと言うのが実情です。だから作ったら直ぐに売るしかないし、蔵出し古酒が市場に出る事も稀ですし、出ても美味しくない事が多いです。

日本でもオージーでも実際にエアコンも入ってない、なま暖かい部屋に瓶詰めされたワインがワイナリーで大量に保管されているのを散々見て来ました。

当然10年、20年、30年と熟成させるのであれば13度前後の温度が一定で暗く、静かな地下セラーが必要です。

機械式の冷蔵庫型のセラーも業務用の強制冷却の@@倉庫も20年以上の熟成には向いていません。

ワインを本当に美味しくするには、自然の大きな地下セラーが一番良いのですが日本にはまだありません。フランスの様に総延長500kmを超える様なセラーが彼方此方にあるのは本当に羨ましいし、フランスのワイン文化の奥の深さを感じます。

次に低温劣化です。長期間冷蔵庫に入れて3度や5度で保管されたワインは酸のバランスを崩し不味くなってしまいます。特に高級な白ワインでこの様な経験をした事があります。コシュ・デュリ、ルロワ、DRC、ラフォン等々

安い白ワインの多くは低温処理してあるワインが多いのです。瓶の中に酒石酸の結晶が出来ると異物混入でクレームになるので、瓶詰めする前にワインをマイナス2度位に冷やして酒石酸等を取り除くのです。

当然何も処理をしていないワインの方が美味しいのですが、レストランでも白ワインをお客の注文を聞いてから冷やして売る店は稀で、ほとんどは直ぐにサービス出来る様に冷蔵庫に入れっぱなしです。酒販店でも冷蔵ケースに入れて直ぐ飲めるように冷やしています。 

100点を目指してワインを作って低温劣化で30点になるより70点のワインが70点でお客様に提供出来方が良いからです。

低温劣化したワインは、風味が無く、硬く、酸のバランスを崩している物が多いのですが、良いワインを飲み続けている人でないと分からない場合もあります。

最近の作り手はフランスでも日本でも濾過したり、低温、高温、処理をしていないワインが増えています。それだけに要注意です。

ワインショップで光に当り、立てて、常温に置いてあるワインが最も怖いワインです。

凄い店は店の外の日が当たる場所にワゴンに置いて並べたりしています。

お気を付け下さい。

でも一本もワインが見えないワインショップも淋しいですよね。難しい問題ですね。

過去に書いたブログです。

http:// plaza.r akuten. co.jp/r omantei 1925/di ary/201 0020200 04/

http:// plaza.r akuten. co.jp/r omantei 1925/di ary/201 0031900 01/?sci d=we_ta g

http:// plaza.r akuten. co.jp/r omantei 1925/di ary/200 7061900 02/?sci d=we_ta g

下記にコルク栓に関しての面白い情報が載っています。

http://www.kitasangyo.com/e-Academy/wine/wine_closure_column.pdf#search=

下記は私が時々遊びに行く新宿のワインバーの店主の話です。コンディションに五月蠅い人です。

http://store.shopping.yahoo.co.jp/wineholic/bbc0b2bda4.html






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011/06/13 07:41:13 AM
コメント(16) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
素晴らしい情報ありがとうございます。

関西在住のため、そちらのワイン会をうらやましく拝見しています。

ワインセラーがいっぱいになり、3台目のワインセラーを購入しようとしたところ、家内に止められ困っていたところでした。
セラー内のワインも含め数百本、脱酸素パックしました。

そこで質問です。
シャンパンでも同様の効果が期待できるとお考えですか?

グランジの情報ありがとうございました。
このブログを見て思い切って1998年を3本購入しました。
グランジは2000年に友人がお土産に持ってきたボトルを飲んで驚いたことを覚えています。
2008年もすごいんでしょうか?

今後ともよろしくお願いします。 (2014/04/22 04:04:59 PM)

Re[1]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
>素晴らしい情報ありがとうございます。

>関西在住のため、そちらのワイン会をうらやましく拝見しています。

>ワインセラーがいっぱいになり、3台目のワインセラーを購入しようとしたところ、家内に止められ困っていたところでした。
>セラー内のワインも含め数百本、脱酸素パックしました。

>そこで質問です。
>シャンパンでも同様の効果が期待できるとお考えですか?

>グランジの情報ありがとうございました。
>このブログを見て思い切って1998年を3本購入しました。
>グランジは2000年に友人がお土産に持ってきたボトルを飲んで驚いたことを覚えています。
>2008年もすごいんでしょうか?

>今後ともよろしくお願いします。
-----
ブルゴーニュフリークさん
シャンパンでも同様の効果は期待できると思いますが、シャンパンの栓は丈夫なのでワインよりは効果は少ないかも・・・横に置くか縦に置くかでも違うし・・・私は横に置いて寝かせたシャンパン好きです。

グランジは2008年はまだ飲んでいないので??です。
ただ08の他のペンフォールドのワインも美味しいので流石グランジかと思います。

(2014/04/23 12:39:48 AM)

Re[1]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
この保存方法がリアルワインガイドに記事が載ったそうですがご覧になりましたか? (2014/04/23 12:42:02 AM)

Re[2]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗さん
>ブルゴーニュフリークさん
>この保存方法がリアルワインガイドに記事が載ったそうですがご覧になりましたか?
-----
返信ありがとうございます。
シャンパンも脱酸素パックして横に寝かそうと思います。
44号と45号の記事読みました。
南さんが楽天ブロガーの大御所として、ワインあれこれという記事に2号にわたり掲載されていました。
凄い方法を発案されたと思います!

ブログで素晴らしいワインの数々が登場しますが、かなり以前から、ストックされていたのですね・・・
ストックは何本ぐらいあるのでしょう・・・
今後とも、ブログ楽しみに拝見します。
ありがとうございました。 (2014/04/23 04:34:50 AM)

Re[2]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗さん
追伸
ズッカルディの記事今見ました・・・
う~ブラン・ド・ブラン飲んでみたい・・・
本当に、様々なジャンルのワインが登場しますね・・・
私は昔はボルドーやカルフォルニア・イタリアワインなども飲んでいましたが今ではブルゴーニュのピノ・シャルドネ・シャンパンがほとんどになってしまいました。
(2014/04/23 04:51:49 AM)

Re[3]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
やっぱり載ったのですね。知りませんでした。あんまり日本の本は読まないので・・・面白かったですか? (2014/04/23 04:10:15 PM)

Re[3]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
ワインは2万本位あると思います。
日本の多くのワインラヴァーがブルと泡で終わっている事が国際的にはガラパゴスと批判されています。
まあ紹介しないインポーターが悪いのか、購入しない客が悪いのか・・・今、世界のワインはダイナミックに変化しています。ブルと泡に縛られていると目くらになると感じた旅でした。
(2014/04/23 04:15:18 PM)

Re:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
いつも南喜さんのブログを参考に勉強させてもらっています。
ありがとうございます。

質問です。
ワイン販売者のボトル管理は良いという前提で、配送の際に少し吹いてしまった白ワインは大きく劣化してしまいますか?それとも大丈夫でしょうか? (2014/09/04 11:56:06 AM)

Re[1]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
>いつも南喜さんのブログを参考に勉強させてもらっています。
>ありがとうございます。

>質問です。
>ワイン販売者のボトル管理は良いという前提で、配送の際に少し吹いてしまった白ワインは大きく劣化してしまいますか?それとも大丈夫でしょうか?
-----
半年以内に飲めば大きな問題は無いと思います。 (2014/09/04 12:54:12 PM)

Re[2]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗さん
>ブルゴーニュフリークさん
>>いつも南喜さんのブログを参考に勉強させてもらっています。
>>ありがとうございます。
>>
>>質問です。
>>ワイン販売者のボトル管理は良いという前提で、配送の際に少し吹いてしまった白ワインは大きく劣化してしまいますか?それとも大丈夫でしょうか?
>-----
>半年以内に飲めば大きな問題は無いと思います。
-----
返信有難うございます。
セラーで熟成させようと思っていました。
トマス・モレ トリフィエール 2010 2011です。
南喜さんの経験上
6ヶ月以上経つと、どうなってしまうのでしょう? (2014/09/04 02:04:29 PM)

Re[3]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
ブルゴーニュフリークさん
空気を一度吸っていますので酸化熟成が早くなります。
酸化によって埃っぽい香りや沢庵臭、ヒネ香等が吹いていないワインより早く出て来ます。トマモレは若く飲んでも美味しいので早く飲んだ方が良いと思います。来年の6月までにお飲み下さい。後はかけです。 (2014/09/04 03:56:38 PM)

Re[4]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗さん
ありがとうございました!
半年以内に飲みます!
(2014/09/04 04:26:09 PM)

Re:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
tiro_2011  さん
初めまして。
いつも参考にさせてもらってます。
最近ワイン(古いブル赤)を1ケース空輸したのですが
運悪く国内輸送の日に晴天で気温が
15度前後(以上?)になってしまいました。
クール便じゃない輸送なので昼頃車内が結構な温度になってると思うのですが段ボール、プチプチ、新聞紙の梱包だと
早めに飲みきったほうがいいくらいダメージが入ってる可能性が高いですかね? (2016/03/04 09:12:05 PM)

Re[1]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
tiro_2011さん
この時期暑いと言ってもたかが知れているから大丈夫でしょう。取り敢えず一本飲んでみる事をお勧めします。 (2016/03/07 02:00:49 AM)

Re:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
tiro_2011  さん
南喜一朗さん

返信ありがとうございます。
晴天で気温が一時的に15度前後になった日だったので
輸送車内が一時的にそれプラス10度位になってたとしても
ワイン自体の温度はそこまでは上がってないはずですから大丈夫だったらいいのですけど
ブログ記事にあるコンディションに厳しいお店の基準だとアウトだなーって(笑)
古酒を多く取り扱っている所の店主の方は温度それ自体より光と振動と1日の温度変化のなさが重要だとおっしゃってました。
どの程度のことで長期保存に影響が出始めるのか難しいところですね。 (2016/03/07 10:14:10 PM)

Re[1]:ワインの劣化・その特徴  多くのご意見・ご質問があったので(06/13)  
南喜一朗  さん
tiro_2011さん
25度自体はそんなに問題は無いと思います。段ボールも保温力ありますから。光と振動と1日の温度変化は仰る通り重要です。まあ古酒を移動させること自体に無理があるのですが・・若いワインは酸化防止剤行きていますが、詰めて一年も効果無いから。ワインは瓶差もあるから難しいです。 (2016/03/08 06:34:20 AM)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: