ロールケーキで幸せ、スイーツ好き

ロールケーキで幸せ、スイーツ好き

2009年05月14日
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世界コンクールで数多くの優勝実績を持つパティシエと呼ばれる洋菓子職人、辻口博啓さんがプロデュースしたロールケーキ専門店「 自由が丘ロール屋 」(東京都目黒区)。ロールケーキブームの火付け役になった同店の人気商品「黒糖ロール」は、スポンジに、小麦粉ではなく米を製粉した米粉を使っている。くるみや黒蜜カスタードと相性が良く、ふわふわして、しっとりとした味わいを引き出している。

 米粉は粒が粗く、表面が固いため、和菓子やせんべい用が中心で、きめ細かさが必要な洋菓子には向かないとされてきた。だが、和菓子の米粉需要は減少し、新たな市場開拓のために洋菓子向けの米粉の開発に取り組んだのは、生き残りをかけた地方の製粉メーカーだった。

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 群馬県渋川市の群馬製粉が、洋菓子向けの技術開発を手がけ始めたのは10年ほど前。当時、新規用途を見つけ出す技術責任者だった3代目社長の山口慶一さんが最初にしたのは、開発パートナーを見つけること。山口さんは「米粉の良さをアピールするには、会社の技術力だけでは限界がある」として、著名なパティシエやシェフと会い、話し合いを続けた。

 転機は平成13年。辻口さんとの出会いにさかのぼる。

 「洋菓子向けの米粉開発に協力してほしい」。山口さんの突然の提案に、ヒットメーカーだった辻口さんがその場で応じたのは、「米粉の普及で米の消費を増やし、水田を復活させたい」という故郷の水田風景を思う2人の気持ちが一致したからだった。

 「おいしい洋菓子を作る米粉開発」で意気投合し、15年には洋菓子向けの米粉「リファリーヌ」の開発にこぎつけた。粒をより細かくし、食感を良くする改良を繰り返したリファリーヌは、ロールケーキやシフォンケーキ、クッキーなど辻口さんの人気メニューに使われている。

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 群馬製粉の挑戦は、洋菓子だけにとどまらなかった。昨年4月には、米粉製めんの「J麺」を開発した。

 米粉めんといえば、ベトナムの「フォー」が人気だが、日本の米粉はデンプンが多く、水を加えるともち状になりやすいのがネックだった。この欠点を克服したのは、辻口さんと、米めんを長年研究してきた静岡文化芸術大教授の米屋武文さん、新世代のイタリア料理をリードする東京・恵比寿の「 リストランテ・カノビアーノ 」のオーナーシェフ、植竹隆政さんだ。

 3人は専門知識と技術を持ち寄って、米粉を微粒化し、でんぷん量を調整して、パスタやラーメン、うどんに応用できるようにした。有名ラーメン店や自然食レストランが採用したほか、植竹さんの店では、「しまえびとカラスミの冷たいJ麺カッペリーニ」「白魚と白菜のJ麺リングイネ」といった冷製パスタの新メニューを生んだ。

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 昨年の世界的な小麦価格の高騰で、割安感の出た米粉は、輸入小麦の代替品として一躍注目された。大手コンビニエンスストアのローソンやファミリーマートは、商品コストを抑えようと米粉パンの開発を急いだ。

 農林水産省もこうした動きに乗り、食料自給率向上につながる米粉の生産を増やそうと、今年度から、米粉の新商品開発や試験販売などの取り組みに補助金を出す支援を始めた。

 小麦の輸入量は年間500万トン前後で、1割の50万トンを米粉に替えるだけで、水田面積で約10万ヘクタール分、つまり減反政策の対象になっている100万ヘクタール(全水田面積は250万ヘクタール)の10分の1の耕作放棄地が解消できる。

 ただ、小麦価格は昨年の高騰から一転下落し、再び高値圏に入るなど流動的で、それに伴って、米粉の需要は常に不安定な状況を強いられる。

 農水省は、減反拡大農家への補助金で、米粉などの新規需要米には金額を上乗せして優遇している。だが、飼料米と同様に、米との差額補填(ほてん)な補助金は、農家の経営力をつけるという点で構造的な問題を残す。このため、流通や消費など、民間の力を取り込んだ競争力の確保が欠かせない。

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 群馬製粉社長の山口さんは「米粉を本当に普及させるには、小麦粉の代わりという発想ではだめだ。米粉の新たな使い方やおいしいメニューを提案できるかが決め手になる」と強調する。同社の米粉商品の売り上げは右肩上がりだが、新たな商品開発に余念がない。

 3月には、熊本大との産学協同で、衝撃波を用いて米の超微粒粉を作り出す「爆破レンジ」技術にめどをつけた。コメ組織を破壊せずに細胞をバラバラにできるため、うま味成分をそのまま残し、加工もしやすい。

 少子化や食の多様化で、自給率96%の米が、いつまでも主食の座にあり続けられるかどうかは分からない。逆に、おいしいケーキやパスタ、ラーメンと、米粉を使ったメニューが広がれば、需要は安定する。

 群馬製粉は、コシヒカリやあきたこまちを活用し、「米粉にブランドをつける」(山口さん)構想を描く。ブランドや、生産者の顔の見える米粉は、輸入小麦にも値段負けしない需要を一気に増やすカギを握るかもしれない。

産経新聞 より引用


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最終更新日  2009年05月14日 09時10分27秒
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