りゅうちゃんミストラル

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2010.11.22
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カテゴリ: 読書


終身刑の死角

終身刑の死角

価格:777円(税込、送料別)


著者は桐蔭横浜大学教授。
仮釈放なしの終身刑導入について「絶対に当たらない宝くじ」と表現。
厳しく批判しているのは何故なのか。

数字を読者に提示しながら説明するやり方は説得力がある。
何人が死刑確定しているか年度別で示す。

オランダで死刑を廃止する代わりに終身刑を導入した。
その結果はどうだったか。

日本で「量刑制度を考える超党派の会」が発足。
終身刑導入が検討されている。
もし仮釈放なしの終身刑を日本で導入した場合。

すでに収容人数をオーバーしている今の刑務所。
これ以上、受刑者を増やしてどうするのか。
税負担が増すという点ですら、どの程度の国民は覚悟しているのか。

ネットでは受刑者に対する暴論も多い。
「費用がかかるなら死刑で減らせ」という意見すらある。

人を1人殺して無期懲役になった受刑者がいたとする。
その受刑者は命を軽視したからこそ無期懲役となっている。

にもかかわらず、受刑者の命を軽視するのは矛盾していないか。
凶悪事件を起こしたからといって、何をしてもいいわけではない。

また、仮釈放なしでは受刑者たちにとって希望がない。
犯罪者を社会的に隔離するという点ではそれは「あり」なのかもしれない。

だが、日本の刑務所は「なるべく入れない、できるだけ早く出す」もの。
受刑者には高齢者も多く、獄死するという結末。
果たしてそれでいいのかどうか。

興味深いのは「何人殺せば死刑になるのか」という記述。
読んでいて、以下の騒動を思い出した。

光市事件「死者1.5人」 の准教授処分?

「ブログ論壇の誕生」佐々木俊尚

某准教授は批判され、この著者が批判されたという話は聞かない。
何がどう違うのか、実際に読んでみてほしい。

実際には無期懲役の場合でも仮釈放が少なくなっている。
「数年経てば仮釈放で出られる」というのは噂話でしかない。

実際、50年以上も塀の中にいる受刑者もいる。
そうした人は釈放されても実社会になじめるわけがない。

こうした現状から、「実質的に終身刑化が進んでいる」という指摘がある。
以下の記事でもその点について書いた。

無期懲役の終身刑化

「凶悪犯罪は増えていない」「再犯率は1%」など、目から鱗の事実が次々。
犯罪被害者家族の心情についても述べている。
少し経過してから、再び読んでみるのも意味があるだろう。

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この本について書かれたブログ記事。
興味深いが、残念なことにトラックバックを受け付けていないようだ。
紹介だけさせていただく。

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最終更新日  2010.11.22 16:55:50


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