りゅうちゃんミストラル

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2011.02.07
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カテゴリ: 読書



【送料無料】夜のピクニック

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進学校である北高には修学旅行がない。
その代わりにあるのが「歩行祭」という行事。

これは、全校生徒が80キロを24時間かけて歩く。
男女関係なく、脱落者はバスで収容されるという厳しいルールだ。

高校3年生の甲田貴子には歩行祭に秘めた想いがあった。
それは病死した父親が同じの西脇融とのこと。

3年で同じクラスになった二人だが、かなり気まずい状況。
まったく会話がなく、視線も厳しい。

興味深いのは、人は極限になると正直になる点。
「非日常」を作り出すことこそが、歩行祭の本質。
高校生の登場人物たちは、いろいろな想いを持ってこの行事に臨む。

この作品を読んでいて思い出したのがあだち充の「みゆき」。
事情は大きく違うが、根底にあるテーマは似通っている。

私が知らないだけで、血のつながりが多くのドラマを生んでいるはず。
それはもちろんギリシャ悲劇のような不幸なドラマをも含む。

少し残念だったのは、融の描き方。
「女性が考える高校3年生の男子」から脱していない。

リアルな世界では、こんなドラマはまず起きない。
高校時代、仲が悪い奴とはまず関係を修復できない。
遊佐美和子や戸田忍という貴重な友人もまず出会えない。

だが、読者は貴子たち登場人物と一緒に歩く経験を得る。
多くの人が経験できないことを物語で体験させる。
それは小説や映画の王道と言っていい。

今はこの作品で描かれる時代とは違っている。
作品に携帯電話は出てこない。

もしこの作品でメールがあれば。
遠くアメリカにいる友人とも意思の疎通が可能だ。


話の中に「ナルニア国ものがたり」が出てくる。
私はこれも読んでいない。機会があれば読んでみよう。

「前に読んでおけばよかった」と思う本。
多くの人にたくさんあるはず。私も何回か経験している。

その人にとって、読んだ時を含めた「運命」がある。
後悔するということは、それだけ救いがあるということだ。
何しろ、多くの人は後悔すらできないのだから。

この作品は、05年(第2回)本屋大賞受賞作。
本屋大賞といえば、08年の「 ゴールデンスランバー 」を思い出す。

この賞、私にとっては次に読む本を決める参考になっている。
06年「その日のまえに」と「容疑者Xの献身」が受賞を逃しているのは意外。

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夜のピクニック

恩田陸 『夜のピクニック』  モデルがあったんですねぇこの作品に

私が思い出したのは、和敬塾の山手線一周ハイキング。
和敬塾は村上春樹が学生時代、一時過ごしたことでも知られている。
塾は「ノルウェイの森」のモデルとなっている。
また、 早稲田大学の100キロハイク もある。

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最終更新日  2011.02.07 21:29:50


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