さくさく堂のシナプスな存在

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2014年08月04日
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カテゴリ: 録音のこと
テープ起こし者のもとに寄せられる音源は、
お客さん自身が録音したものが多いです。
テープ起こしは「話題自体の難度」と「録音の良し悪し」によって
作業効率が左右されるので、
毎回音を聞く瞬間はドキドキします。

自分で現場録音に行くこともあります。
せっかく自分で録音できるのだから録音に失敗したくない。
現場に着いた瞬間、ざーっと部屋中を見渡して、
どうやって録音するかを考えます。


直前まで入れない場合は時間との勝負。
「ちょっと待て。あなたたちは着席しただけで話し出せるだろうけれど、
私はセッティングする時間が要るんだ」
と思いながら、焦ってセッティングします。

今日は「録音に失敗しない方法」。
大した技ではありませんが、これをやるとやらないのでは大違い。
逆に言うと、たったこれだけのことですからどうかやっていただきたい、
というのが切なる願いです。

テープ起こし者が楽したいということではなくて
(それは現実問題としてありますが)、
録音が悪いと聞き間違いが多くなるのです。

私も最近

   × 死のイメージが自分の中に出てきて
   ○ 治癒のイメージが夢の中に出てきて

という聞き間違いをしたばかりです。
テープ起こし者は、録音が悪ければ文脈から推測して原稿を作ります。

でも、以下に書いたことをされていなければ、
あなたが依頼したテープ起こし者は推測で原稿を作っている可能性が高いです。



絶対に手元で録音しないこと

事務担当者が後方の自席で録音される場合というのは驚くほど多いですが、
これは絶対にしてはいけません。

話し手の声の音量自体が小さくなりますし、
部屋全体にエコーしたくぐもった声が録音されます。

その上、レコーダーに近いところの音は大音量で録音されます。
資料をめくる紙擦れの音、
ペンを走らせる音、
「あと何分?」みたいなひそひそ声、全部クリアに録音されます。
その瞬間、話し手の声はほとんど聞こえません。

小さなテーブルで向かい合ってインタビューする場合であっても、
より相手の近くにレコーダーを置いてください。

ベストは話し手から1メートル以内

講演、シンポジウム、会議、インタビュー、
ほとんどの場合、話し手の前にはテーブルがあります。
そこにレコーダーを置いてください。
それだけで録音は7割成功します。
もしテーブルがなければ、椅子を一つ持ってきて話し手の前に置き、
そこにレコーダーを置いてください。

レコーダーの設定は64kbps以上

ICレコーダーのファイル形式にはWMAやMP3などが入っていて、

8kbps、16kbps、32kbps、64kbps、128kbps、192kbps、

などのビットレートが選べるようになっています。
この数字が小さければファイルサイズが小さくなるので、
長時間録音が可能になりますが、当然音質も落ちます。
経験上32kbpsが境目で、64kbps以上で録音すると劇的にいい録音になります。

ほんの10年前、メモリがもっと高額だった頃の内蔵メモリは、
256MBとか512MBとかだったのでケチケチ録音していたのですが、
現在のICレコーダーの内蔵メモリは軒並み2GB、4GB、8GBというサイズです。
8~32kbpsなどに設定しなくても、
あなたのICレコーダーは50時間も100時間も録音できます。
どうぞケチケチしないでメモリを使ってください。

サブレコーダーを置く

大人数の場合は、2台のレコーダーを置いてください。
置く場所は、

1台目 メインの話し手から1メートル以内
2台目 一番小さい声の人の前

一番小さい声の人が誰だかわからない場合は、
録音がスタートしてから2台目の場所を移動してください。
あからさまに「あなたの声が入りにくいんですよ」という態度ですが、
ご本人にお伝えするくらいの覚悟で録音至上主義を貫いてください。


これだけのことをすれば、録音には滅多に失敗しません。
よい録音を!





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最終更新日  2014年08月04日 13時55分39秒
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