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第二段階に入ってから、所内で練習していた時の「がんばっているのに前に進めない」という焦りを感じることが、少なくなりました。その代わりに「こんなにどんどん前に進んでしまっていいのだろうか」という、逆の不安が…所内では、決まった課題が達成できないと、「復習項目」として次回の教習にもちこされますが(例えば私、“狭路の通行”というS字カーブやクランクの課題では、合格するまで3時間かかりました)路上に入ってからは、失敗してミスを指摘されても、復習になることはなし。「第一段階で苦労しておけば、路上に出てからは楽になる」という励ましをいただくことが多かったのだけれど、それがこういう事なのかしら?だからと言って、とても自信を持って運転するまでには至らないのですが…。そんな訳で、路上教習も中盤に進み、私にとっては恐怖の「自主経路」で走行する過程に来ました。以前の日記にも書いたのですが、私は極度の方向音痴、右と左の区別が苦手、そして地図を読むのも下手。そのことを熟知している夫や友人たちは、旅先でも絶対に私に地図を持たせようとはしません。自主経路というのは、目的地だけ教官から指示されて、そこへ行くコースは自分で決めるというものです。ただでさえ、一般道での運転で緊張しているのに、地図でコースを見ながら…なんてことは絶対に容量オーバー。どうしようどうしようと思っていたら、学科の教室の横にある掲示板に、なんと、自主経路で目指す目的地の一覧が貼ってありました!なーんだ、という感じ。それで、夫に協力を依頼し、事前に地図を見て、下見を兼ねてそのコースを走ってもらうことにしました。もう、目印を覚えてそのとおりに行くのが一番、ということで…。仕事帰りの夫には申し訳ないことですが、私の方向音痴は誰よりも熟知しているので、引き受けてもらえました。しかし、「覚えやすくて、交差点が広く曲がりやすいコース」を選択して予習した結果…。昼間の教習時に走ってみたら、大渋滞にはまった上、仕事で先を急ぐ車に次々と割り込まれ、目的地にたどり着くまですごい時間がかかってしまったこともありました。教官からは、そのことでお叱りをいただくことは一切ありませんでしたが、「後ろを詰まらせてはいけない」というプレッシャーで、自分がしんどい思いをしました。先を急ぐあまり、左右の確認や、左折時の巻き込み確認といった基本がおろそかになったり…。まったく、どこに落とし穴があるかわからないものです。今日は、100分の連続教習というプログラムで、人気の少ない山すその道を延々走り、キャンプ場の駐車場でバック駐車の練習をして戻ってきました。お天気もよく、路傍にすすきがゆれ、山は紅葉…「いいドライブ日よりだねぇ、ちょっとは景色も楽しんでみたら」と教官に言われましたが、そんな余裕は今の私にはありません。本来二名一組でやるべき教習が、キャンセルが出て私一人で行ったということもあり、車を降りたときには、右足首と両腕が疲れて痛いほどでした。今まで、長時間のドライブ旅行で一人、運転手を勤めてくれていた夫に、あらためて感謝した次第です。(でも、運転を交代できるようになるまでは、まだまだかかりそう…)
2004.12.02
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旅行が好きで時々家を空ける私は、それゆえに今はあきらめている夢が二つあります。一つは、生き物を飼うこと。そしてもう一つは、自分でぬか床を作ってお漬物を作ることです。ペットはもちろんですが、ぬか床というのも、毎日かきまぜて手をかけてやらないとすぐにダメになってしまうもの、というイメージがあります。何かのマンガで、お母さんが旅先にまでぬか漬けの甕を持ってくる…というシーンを見たのが印象に残っているせいかもしれません。でも、最近になって、あきらめていたはずの「自家製ぬか漬け」に対する意欲が、再び頭をもたげてきています。きっかけは、わが家で購読している読売新聞(朝刊)に連載中の小説「にぎやかな天地」です。宮本輝さんが書いているこの小説は、自主制作の本を作る仕事をしている主人公が、依頼主から、日本各地の発酵食品を紹介する本をつくるよう注文を受けるところから始まります。主人公を取り巻く状況はドラマティックに動いていて、毎朝読むのがとても楽しみにしているのですが、物語と並行して、主人公が丹念に取材を重ねていく数々の発酵食品(お醤油や鰹節や魚の熟れ鮨など)の描写が、とても面白いのです。発酵食品と関る仕事を始めるにあたって、主人公は自分でぬか漬けを作ってみることを思い立ち、母親にアドバイスを受けながら実際に取り組んでみます。鉄分を加えるために、南部鉄の風鈴(!)を入れてみたり、鮭の頭や昆布茶や、味を良くするためのアイテムをどんどん加えてみる描写が、壮大な実験を見ているようで、(わー、やってみたい!)と好奇心をかき立てられます。それから、仕事の途中で体調を崩して寝込んでしまった主人公が、家から出られず、ずっとぬか漬けとご飯だけを食べていたら、体がスッキリして、発酵食品の威力を改めて自覚する、という場面もありました。体にいいもの、安心できるものを口にしたい、それも出来れば美味しく手軽に…と、常々虫のいいことを考えている私にとって、野菜を突っ込んでおけば体にいいぬか漬けが出来るなんて、ぬか床はまるで魔法の壷のように思えます。あぁ、でも美味しいぬか漬けを作るには、一日も欠かさず丹精こめてお世話しないとダメなのだろうなぁ。これはやはり、旅先にぬか床を持っていくしかないのでしょうか?読売新聞は、土曜日の朝刊でも、一面を使って小説を連載していて、なかなか面白い作品が読めます。とくに、よしもとばななさんの「海のふた」という小説は、土曜日の朝、新聞を読むたびに涙が出てしまって困るほど好きでした。今は小川洋子さんの「ミーナの行進」という小説で、これも最初から、物語の世界にぐいぐい引き込まれています。この度、おかげさまでこのHPのアクセス数が10000件を超えました。10000のキリ番を踏んでいただいたのは、~おたま~さんでした。いつも読んでくださる方、コメントをいただいた方、これまで私の文章を読んでいただいたすべての皆さまにお礼を言いたいです。本当にありがとうございます。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
2005.03.12
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