まろ0301さん

> しろいところ、あいているところを残さないで空間を埋め尽くす・・という気合の入れ方は、(行った事はありませんが)写真などでよく見るイスラム建築も同じですね。

そうなんですね。建物一つ取っても、その時代背景によって、透けて見える文化の影響が大きく異なるのが私のようなシロウトにもよくわかりました。やっぱり、様々な文化の交流点となっていた国だけあって、旅していて興味が後から後から湧いて来る感じでした。

今回、カフェLUSOでファドを聴く機会に恵まれました!かなり、観光地化されている感もありましたが、夜が深まって日付が変わるころになると、団体客が帰った後の本領発揮・・・という感じで、間近でファディスタの迫力ある歌声に接することが出来て感激の一夜でした。まろさんのブログを読んで知った場所なので、感謝です。ありがとうございました。 (2007.04.23 02:58:05)

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カテゴリ: 旅の話
「ポルトガル」と聞いて、リスボンという首都の名前や、歴史上でその国が果たした大きな役割のことはすぐに思いついても、

じゃあ何がある?
じゃあ何処へ行きたい?

・・・と考えて、サッカー選手とロカ岬の他、すぐには思いつかなかった私。

例えば、それが同じイベリア半島で隣り合っているスペインなら、行ってみたい街の名や訪れたい名所旧跡がいくつも思いつくのですが。

実際に訪れてみて、歴史や地理的条件が生み出した独特の文化が、今に息づいている姿に数多く触れることが出来ました。

中でも、建物や街並に多く使われている「アズレージョ」と呼ばれるタイルの装飾は、これまで訪れたヨーロッパの国々では見たことのないものでした。

それは、多くは青色の染付けで、大きなものではこのように建物の外壁を壁画のごとく飾っています。

【アヴェイロにて。この駅舎は見事なアズレージョで有名】
アヴェイロの駅舎



【同じくアヴェイロにて。カテドラルの外壁】
アヴェイロのカテドラル


このアヴェイロという街は、ヴェネツィアには遠く及ばないものの、街中を運河の水路が走っていて、モリセイロというゴンドラが浮かぶ様子が風物詩となっています。

アヴェイロのモリセイロ




よく見ると、古い家や教会の手描きで描かれたタイルと、いかにも「大量生産」という感じの、プリントされた感じがありあり出ている模様のものが混在しているのですが、それらを見比べながら歩くのもまた一興、でした。

【アヴェイロの街角】
アヴェイロの街角


アズレージョは、室内の装飾にもふんだんに使われています。

【コインブラのサンタクララ修道院にて】
サンタクララ修道院(コインブラ)


【シントラの王宮の広間。ここは天井の細工も見事でした】
シントラ宮


タイル細工が発展したのは、イベリア半島をかつて支配していたイスラムの影響はもちろん、オランダや中国・日本といった、交易を通して陶磁器の生産が盛んな国々とのつながりが生まれたことに由来するようです。

その流れの一端なのか、ポルトガルではどの街でも、石畳が様々な白と黒のモザイク模様になっていて、見比べてみるのも楽しかったです。
海沿いの街では、蟹や貝や魚など、海産物の絵で舗道が埋め尽くされていたりしました(笑)

【リスボンで一番の目抜き通り、リベルターデ大通りにて。】
リベルターデ大通り(リスボン)


アズレージョと並んで、ポルトガルの建築で独特なのが「マヌエル様式」と呼ばれる装飾。

「マヌエル」というのは、ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路を発見し、ポルトガルが海洋国として栄華を極めた時代を治めた国王、マヌエル1世を指します。

という訳で、大航海時代のエッセンスを凝縮するかのごとく、異国の動植物とか、ロープや碇といった船にまつわるモチーフを意匠化した細工で、とにかく飾る!飾る!

【世界遺産、リスボン・聖ジェロニモス修道院の回廊】
聖ジェロニモス修道院


侘び寂びの美を重んじる国から来た身としては、正直「もうカンベンしてください」という気もしないではなかったのですが(欧州を旅すると、必ずこういう“目の消化不良”を起こしてしまう私・・・)。
それでも、500年以上前に、これだけのものを築き上げて神に捧げた、その偉業にはひたすら敬服するばかりでした。

その一方で、ありふれた街角にふと現れる建物に、思わず足を止めずにいられない素敵な趣きがあったりして。


【コインブラの広場で見かけた、小さなホテル。】
コインブラの街角


この屋上の雰囲気、まるでウォン・カーウァイの映画 「2046」 に出てきそう・・・





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最終更新日  2007.04.21 00:22:46
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美しい・・・  
たくさん見てこられたサリィさんは「目の消化不良」とおっしゃいますが、こうして写真で見せていただくとどれも美しい建築や風景で、素敵ですね!ブルーのタイル装飾は、トルコなどイスラム世界にも確かにありますが、タイルの使い方というか、配置のしかたにアズレージョの独自性を感じます。マヌエル様式も、積極的に海外に目を向けた王様の意気を感じられて楽しいですね。

余談ですが、明石駅前には鯛のデコレーションがあったり、「たこフェリー」にはズバリ、たこの絵が描かれていたりします。海沿いの町だから仕方ない? (2007.04.21 00:34:40)

行きたい~~  
SEAL OF CAIN  さん
隣のスペインとはまた違った魅力ですね!
お写真拝見してると、行きたくてたまんなくなります。
タイルやゴンドラも素敵だし、石畳の模様がすんごい良いです!
いいなー。 (2007.04.21 00:39:39)

空間を埋める  
まろ0301  さん
 しろいところ、あいているところを残さないで空間を埋め尽くす・・という気合の入れ方は、(行った事はありませんが)写真などでよく見るイスラム建築も同じですね。
 イベリア半島はローマ文化、イスラム文化が重層的に残っているところですから、その影響もあるかもしれませんね。
 寝る前に、アマリア・ロドリゲスのファドのライブレコーディングのCDを聞くのですが、その時だけは、「ポルトガル気分」になれます。
 美しい写真の数々、見入ってしまいました。 (2007.04.21 11:47:57)

Re:ポルトガルの旅 ~アズレージョの世界~(04/20)  
st mayao  さん
ステキ♪ステキ♪
ポルトガルをご堪能されたようですね!
お裾分けを頂いたようで、本当に嬉しくなっちゃいます♪
美しい~アズレージョ!ワタシもいつかこの目で見てみたいものです。
タイル大好き!特に青い染付けは、なぜなんだか?妙に惹かれるものがあるのです(笑)
(2007.04.22 22:00:13)

Re:美しい・・・(04/20)  
サリィ斉藤  さん
935うさちゃんさん

>たくさん見てこられたサリィさんは「目の消化不良」とおっしゃいますが、こうして写真で見せていただくとどれも美しい建築や風景で、素敵ですね!

つたない腕で撮った写真ですが、そう言っていただくとうれしいです。
ご指摘の通り、様々な文化の影響が交じり合って、独特の美的感覚のもとに花開いた、という感じでした。

たこフェリー・・・何だか、すごく「乗ってみたい!」と惹かれてしまいます!! (2007.04.23 02:51:20)

Re:行きたい~~(04/20)  
サリィ斉藤  さん
SEAL OF CAINさん

>隣のスペインとはまた違った魅力ですね!

やっぱりそうですか?私、スペインも憧れ続けているのですが、まだ訪れたことがないんです。

>お写真拝見してると、行きたくてたまんなくなります。
>タイルやゴンドラも素敵だし、石畳の模様がすんごい良いです!

この石畳の模様は各地によって、本当に様々なパターンがあって楽しかったです。
足が疲れるしスーツケースの車輪は引っかかるし・・・でも、石畳の街ってやっぱり良いなぁって思いますね。 (2007.04.23 02:52:57)

Re:空間を埋める(04/20)  
サリィ斉藤  さん

ただいまです♪  
サリィ斉藤  さん
st mayaoさん

>ステキ♪ステキ♪
>ポルトガルをご堪能されたようですね!
>お裾分けを頂いたようで、本当に嬉しくなっちゃいます♪

いつもmayaoさんのブログで「旅気分」を味わっている私としては、そんな風に言っていただけるととってもうれしい!というか、光栄です!

>タイル大好き!特に青い染付けは、なぜなんだか?妙に惹かれるものがあるのです(笑)

紹介した写真は古いアズレージョですが、例えば近年出来た地下鉄の駅構内には、かなり現代的なタイル壁画が飾られていました。でも、私もやっぱり青のアズレージョが一番好きです。
(2007.04.23 03:00:27)

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