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カテゴリ: 今日のつぶやき
ゴールデンウィークの終わり頃の話で、もう一週間前のことなのですが、近郊のお祭りに合わせて開催されたお茶会に出かけてきました。

日差しは初夏を思わせるような、快晴のイベント日和。
会場となる公園の一角に、古くから伝わる木造の建物があり、今は休憩所となっています。
その中の和室を使って、大寄せの茶会が行われていたのでした。

200円のお茶券で、観光客の方も気軽に参加できる席でしたが、きちんと着物をお召しになっていらしたお客様もちらほら。
もちろん、係の方々は言うまでもなく…

暑さに負けて、夫ともども“平服”で行ってしまった私は、まだまだ精進が足りないわ~と思い知らされました(笑)

お茶碗は菖蒲の柄が描かれたものが多く使われていて、お菓子は青い楓の形の練り切り、さわやかな風味の甘さで、とっても美味しかったです。

まさに「目に青葉」…の季節を味わいながら過ごす、ひとときとなりました。



080512chakai1.jpg

【今月からお点前は風炉に。これは“蛤卓”?水指はぼんぼりの形】
080512chakai2.jpg




「客にならせていただくことは本当に幸せなことです、ひたすらもてなしていただくことを楽しんでいればいいのですから」

という感謝の言葉が、とても印象的でした。
立場が変われば、お客様を迎えるためにどれほどの準備や労力が必要か。
それを十分に理解されているからこそ、出てくる思いなのだと思います。

「侘び」とか「寂び」とか、そんな言葉の意味のかけらもつかめていない私ですが、未熟ながら茶道の世界の端っこを覗いてみて、つくづく思わされること。
それは「行間を読む」能力を育てなければ、堪能できない世界がここにあるんだなぁ、ということです。

小さなヒントをつなぎ合わせたり、ふくらませたりして、大きな世界を描き出していく…
たった十七文字で様々な思いや風景を描写する、俳句の世界にも通じるものがあるかもしれません。

この、“推して知るべし”が前提となった、「余白」を良しとする私たちの民族性は、欧米の価値観が基本となったグローバリゼーションの時代には、ともすれば悪しきもの、競争の邪魔になるものとみなされてきました。
が、それもよく考えたらもったいない話だなぁ、とボンヤリ考えている、この頃の私なのです。

【そんなわけで、今読んでいる本。司馬遼太郎×ドナルド・キーンの対談です】

日本人と日本文化





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最終更新日  2008.05.12 23:58:03
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お客の品格  
「○○の品格」という言い方がはやっているようですが、茶席のお正客は、まさに品格を問われるような気がします。お正客の応対しだいで、その日の印象が良くも悪くもなりますね。
お正客になるのは恐れ多くてできませんが、もてなしていただくことに感謝し、ゆっくりと楽しむという気持ちは、茶席以外にも通じるかもしれません。 (2008.05.13 21:00:15)

Re:茶の道は侘び?(05/12)  
紫0204  さん
やはりお茶の世界は奥が深そうですね。でも日本のこういうお茶やお花、俳句や短歌などなどってどれにも共通した日本人特有の心配りや季節感があって、本来はもっと身近に楽しめてもいいはずのものだと思うのですが・・・日本人の癖にそういう事からかけ離れてしまっている自分がちょっと悔しかったりします(苦笑)
でもサリィさんのブログでそういう日本の素敵なところを時々楽しませていただけるので嬉しいです。 (2008.05.13 21:48:56)

お正客は大変  
1go1ex さん
お正客を務めるには素養も気配りも想像力も必要だし、会話のタイミングをしっかり把握していないといけないし、ほんとに大変。お茶をゆっくり味わう余裕もなかったりするんじゃないでしょうか。
サリィさんが参加されたお茶会のお正客は、その点、かなりベテランのお茶人さんのようですね。
大寄せのお茶会ではよく「お正客バトル」が繰り広げられますよね。
「自分が正客になりたい」というバトルではなくて、譲り合いの…。
あんまり長く続くと見苦しいですが、できればほかの方にしていただきたいという気持ちはわかります。

手前座の小棚、「蛤卓」というんですね。初めて拝見しました。木地の棚は簡素でいいですね。
ぼんぼりのお水指は私がお茶を習っている先生宅にもあって、3月のおひな祭りの頃にお稽古でよく使わせていただいています。 (2008.05.14 11:52:18)

抹茶  
まろ0301  さん
 桜餅、柏餅などが手に入りますと、自然と、「じゃ、お茶に」ということになります。
 夏茶碗で気軽に楽しんでいます。
 暑くなってきますと冷やした麦茶や牛乳で点てています。
 家で気軽に楽しむのもいいものですよ。 (2008.05.14 21:12:50)

Re:お客の品格(05/12)  
サリィ斉藤  さん
935うさちゃんさん

>お正客になるのは恐れ多くてできませんが、もてなしていただくことに感謝し、ゆっくりと楽しむという気持ちは、茶席以外にも通じるかもしれません。

もてなす側と客となる側、どちらか片方だけの気持ちが勝ち過ぎてもダメで、双方ともに心配りの交換をする、ということが「心地よい場の空気」を生み出すのでしょうね。お茶の世界を通して、本当に様々なことが学べるものだなぁと思います。 (2008.05.15 00:25:52)

探してみればすぐそばに  
サリィ斉藤  さん
紫0204さん

>でもサリィさんのブログでそういう日本の素敵なところを時々楽しませていただけるので嬉しいです。

そんな風に言っていただけると私もうれしいです!
でも、欧米化したライフスタイルを営む私たちの中に、先祖から伝わっている季節感や風物詩を楽しむ心って、そう簡単に消えずに残っていると思うのですよ。お花見、七夕、夕涼み、お月見…肩肘張らず、ささやかに日常に取り入れたいものです。 (2008.05.15 00:29:19)

Re:お正客は大変(05/12)  
サリィ斉藤  さん
1go1exさん

>大寄せのお茶会ではよく「お正客バトル」が繰り広げられますよね。

そうそう、まるで椅子取りゲームのような、あれですね(笑)
夫はろくな心得もないのに、お茶の席が面白いといって付き合ってくれるのですが、男性が混じると上席を勧められることが多くて、こちらは大汗です…
この日のお正客の方は、恐らくご自分もお茶の先生をしていらっしゃる方ではないかと思います。万事ソツがなく、お着物姿もたおやかで、憧れのまなざしで見つめてしまいました。 (2008.05.15 00:32:44)

Re:抹茶(05/12)  
サリィ斉藤  さん
まろ0301さん

> 桜餅、柏餅などが手に入りますと、自然と、「じゃ、お茶に」ということになります。
> 夏茶碗で気軽に楽しんでいます。

そういえば、茶碗のみならず、食器で季節感を演出するというのも、日本の素敵な美的感覚のひとつですね。
以前は、抹茶は外で飲むものと思っていた私も、今では家でちょくちょく茶筅を振っています。お客様にお出ししても、お抹茶はとても喜ばれますね。 (2008.05.15 00:37:06)

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