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Photo album2

2008.10.24

主人公は、子どもの頃から落語家を目指して努力し、今は前座さんを務める女の子…なのですが、ストーリーの核心はそこにはなく。
むしろ、津川雅彦演じる、彼女の師匠の高座の方が、映画のクライマックスでは中心人物になっています。

ＴＶ番組で狼藉を働いたおかげで、芸能界を干され落語協会からも除名寸前…という師匠が、一発逆転を狙ってＴＶ局の企画に乗る。それは、「高座にかけた噺家は皆死んでしまう」という呪われた噺の封印を解くという試み、さてどうなる？？というお話。

「タイガー＆ドラゴン」の西田敏行や「しゃべれどもしゃべれども」の伊東四朗など、ここ数年でも俳優が落語家を演じるケースは色々ありましたが、今回の津川雅彦の巧さは、出色の出来と感じました。
高座での噺も佇まいも、また場外での破天荒ぶりも。

年齢を重ねるごとに、お兄さんと顔の区別がつきにくくなっていく気がするけど（笑）遊蕩を重ねた人の持つ雰囲気が、うまく役柄にはまっている感じ。

ミムラ、という女優さんの演技をまともに見るのは初めてに近いのですが、彼女の落語家ぶりもまたなかなかのもので、「高速寿限無」（小草若兄さんもビックリ！）をくりだすあたり、なかなか健闘してるな～という感じでした。

でも、「健闘してるな～」「がんばってるな～」が、そっくりそのまま「可笑しいな～」にならないところが、女流に限らず、人を笑わせる商売の因果なところなのでしょうか。

とにかく、観終わった後味はなかなか爽快で、楽しめました。
中に入ったことのない末広亭が舞台として使われていて、寄席初心者としては、ますます憧れをかき立てられる…

落語娘

この映画の監督は「櫻の園」で知られる中原俊。
少し前に、夜中のＢＳで「コキーユ～貝殻～」という作品をやっていて、何となく観たのだけど、しみじみと後を引く佳作でした。
その映画でもこの映画でも、益岡徹の敵役がすごくいい味を出していて、印象的です。善人をやってもイヤな奴をやっても、ちゃんと結果を出すのがすごいな。脇の役者さんがしっかりしていると、やっぱり映画でもドラマでも輪郭が引き締まってくるのですね。

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最終更新日 2008.10.24 16:00:15
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■コメント

私も誤解していました

1go1ex さん

そうだったんですか！　私もサリィさんと同じ誤解をしていました。
それで、見に行きたいなあと思いつつ、結局見逃したのですが。
誤解は誤解でも、中身はおもしろい映画のようですね。
wowowで放送してくれたらぜひ見たいです。 (2008.10.24 20:58:40)

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ぴしっと締まった映画でした

嫌好法師さん

ね、ね、良かったでしょ！！
原作の持つおどろおどろしさもよく描けていたと思います。テレビスタジオの場面のとんでもなさはだいぶ抑えられていました。

原作は渋い日本語で緩急自在に書かれていて、今どきの読者に迎合していないところが良かったな。 (2008.10.25 00:42:59)

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Re:私も誤解していました(10/24)

サリィ斉藤さん

1go1exさん
＞誤解は誤解でも、中身はおもしろい映画のようですね。
＞wowowで放送してくれたらぜひ見たいです。

テレビで十分に面白く味わえる作品だと思います。機会があればぜひご覧ください。
落語指導もされている柳家喬太郎師匠以下、チラっとカメオ出演している落語家さん達を探すのも楽しいですよ。
(2008.10.25 21:05:56)

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Re:ぴしっと締まった映画でした(10/24)

サリィ斉藤さん

嫌好法師さん

＞原作の持つおどろおどろしさもよく描けていたと思います。テレビスタジオの場面のとんでもなさはだいぶ抑えられていました。

原作は、相当濃いテイストの小説みたいですね。いつか読んでみたいと思います。
落語家さんが登場する小説といえば、北村薫の「円紫さんと私」シリーズが好きでした。あの方の小説の日本語も、若い子が登場する作品でもしっとりと落ち着いていて良いですよね。 (2008.10.25 21:11:46)

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