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2010年10月16日
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左腕は、ギブスで固定され三角巾で首から吊り下げられていた。痛々しかった。だから明るく振舞わないとなどと思った。彼女のママとパパは不運を自分のことのように心配していた。ギブスで固定された左腕は、段々と自分の腕ではないかのように重くなっていった。包帯で巻かれたその腕の血行が悪くなって首で左腕をささえている感じだった。包帯が首にくいこんできていた。
右手しか使えないことがこんなにも苦痛だとは考えてもみなかった。使えなくなって初めて左手の役割を知った。
ズボンをぬぐときも、チャックを下ろすときも。右手の手助けをしている。食事をしている時もだ。
寝る時も不自由だった。寝返りが打てないので常に天井を見ている姿勢が続いた。日本に帰ってすぐ仕事に復帰できるのだろうか?不安な瞳が天井をみつめていると彼女が入ってきた。私は意味もなく微笑んでいた。こんなことで負けてたまるか。
「退屈だから 散歩でもしよう」そう私が言うと彼女は、うなずいていた。
事故の後二人の気持ちに変化があった。彼女は、不測の事態にわたしのとった言動に信頼をより寄せていた。突然の出来事に相手の本性がみえるということはある。私の場合は、単に鈍感なだけだょ。頼りがいのある人と思われたのはいいが後でメッキが剥がれたら大変である。剥がれる前にもうひと塗りふた塗りしておこう。まあ誤解から愛は育つし枯れもするからそれはそれでいいか。
散歩から戻って、忘れていたわが家、わが両親、妹の写真をみせた。この際あまり見栄を張ってもしようがない。まあ写真だけでは東京の生活ぶりはわからないから一度日本に招待しなければならないだろう。

東京に、戻った私は、すぐに駅前で待ち構えていた妹とともに駅前の接骨院にむかった。私が手術をおもいっきり嫌ったので妹がしょうがなく予約しておいてくれたのだ。
私は、ギブスを外される際の電動のこぎりのような器具に恐ろしく臆病になっていた。先生の説明では、手は切れることはないといっていたが。ギブスの石膏を切る鈍い音は充分過ぎるくらいにおそろしかった。「ロシアの旅行で」というと「へぇ、ロシアですかなんでまた?」

「ペレストロイカ後のロシアの地方都市の経済状況についてという研究論文のために」などと言いたかったが「アムール川で釣りをしたかったんです」とか適当なことをいった。第一お見合いなんていって笑われるのが落ちだろ。接骨院の先生は、やや自信なさそうに
骨はくっ付くでしようといった。頼むよ左手が使えなければ熱い抱擁ができないだろ、。たわけ!ポコチン(息子)だって首を長くしてまちのぞんでいるんだ。期待を裏切らないでくれ 私は心の中で無限に叫び続けたかった。






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最終更新日  2010年10月16日 12時43分46秒
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