ねぇ、もう一度。。。

ねぇ、もう一度。。。

授業にて




基本的に座学中心で席は自由、私は目が悪いから前へ。
隣の席には彼の姿。


「ササちゃんも目が悪いん?」
「今はコンタクトだけどね。コンタクトはずすともうぼやけて全然ダメだよ~」
「ササちゃんのメガネ姿も可愛いと思うけどね。」
「お世辞はいいよ~」


 授業が始まる前の時間そんな些細な会話。しかし授業になると彼は一気に真面目な顔になる、真剣に先生の話を聞き分からなくなればすぐに質問。私が問題が解けず悩んでいるとそっとアドバイスしてくれる、授業の席は自由だったけど気づくといつもの彼と私は近くに座るようになっていた。


 やっと学校にも慣れてきた頃、いつも私は15分前ぐらいに教室に到着しているのだけれど電車の遅延で遅れてしまい一番の後ろの席に着いた。
授業が終わり走って学校へ来た疲れと後ろで目を細めながら授業を受けた疲れでぐったりしていた。前に座っていた彼がこっちへ来る。


「後ろじゃ辛かったでしょ?これ。」


 彼は私に数冊のノートを渡してくれた。それは私が遅延で出られなかった授業のノートだった。

「え、いいの?」
「ちょっと汚いかもしれんけど黒板以外のも少しメモってあるから。」
「でも、明日テストだよ?勉強しなくて平気なの??」
「あ・・・・。うーん、じゃぁどっかのお店入る?」

 そうして入学式の時に行った喫茶店へ行くことに、彼のノートは完璧だった。先生の話すアドバイスも黒板の板書もきれいにまとめてあって私のノートなんかより数倍分かりやすかった。
 お店でそのまま二人で勉強、彼は英語が苦手らしくて唯一私が彼に勝てる教科だった。


「ササちゃん、これからさぁテストの前は一緒に勉強しない?英語以外だったら教えるし、だから俺に英語教えてくれん??」
「むしろ私の方が助かるよ~。英語なんて単語覚えれば出来るよ。」
「いやいや・・・覚えられないから出来ないんだよ。」
「根性で覚えるんだよっ!!!!トイレとかにも貼ったりしてさ。」



そうして学校以外でも彼と会うようになっていった。


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