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佐竹台8丁目25番地―12
Momentum shifted to Bs.('05/05/07)
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翌29日から、個人的に10連休を取れることが決まっていた。
いろいろ、思うところもあったし、気分転換したかったので、
この日の仕事帰り、生まれて初めて、頭を坊主にした。(5分刈りレベル)
驚いた。
あまりにも似合わなくて、ショックを受けた。
その日の晩、精神不安定な状況の私は、微熱だが、37.2℃発熱した。
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ヘコミ継続で、29日、実家の大阪に電車で向かった。
途中、三宮でB-WAVEに寄り、観戦予定していた5月6日のチケットを購入した。
前売り券を2枚。
米国からの留学生、B君と、観戦の約束をしていた日のチケットだ。
その時、フッと、目にとまった帽子があった。
ダークブルーに、ふちが鮮やかな赤、そして笑顔のネイティブアメリカンのマーク。
クリーブランド・インディアンズの帽子だ。
B君は、大学がシンシナティだったのは聞いていたが、その前日、彼の実家は、
クリーブランドだ、ということを聞いていた。
そして、彼が実はシンシナティレッズよりもインディアンズのファンだ、
とも聞いていた。
私は頭を隠すために、なんとなく、その帽子を購入した。
これが、この10連休のラッキーアイテムだった。
---
10連休では、観戦を予定していたのは3試合。
5月1日の万博でのサッカー、G大阪-神戸戦。
5月3日の千葉での野球、M-E戦。
そして5月6日のBs-D戦だった。
そして、インディアンズの帽子をかぶって観戦に出かけた1日も3日も、
応援した
G大阪
、
M
が勝利した。
---
そして迎えた5月6日。しかし5日に、6日は雨が降る、ということを聞いていた。
なので、B君と、観戦予定日を7日に変更しよう、という話をした。
そこで、彼にインディアンズの帽子を見せた。
すると、彼は満面の笑みをたたえて、「Good choice!!」と喜んでくれた。
これで、一気に仲良くなれた気がした。
・・・しかし、6日、何と試合が開催されてしまい、
6日に購入した前売り券はパーになってしまった。
---
気落ちしていても仕方が無い。
気持ちを切り替えて迎えた、7日。
午前中、日本語教室に通っていたB君と一緒に、岡山を出発した。
初めての、車での、神戸への野球観戦ツアーである。
正直、不安でいっぱいだった。
B君とは1対1なので、会話も盛り上がるかどうか、不安だった。
でも、全然問題なかった。
彼と、当たり障りの無い話から。
(以下、B君の会話は関西弁で表記します。)
私「日本語はどう?」 B君「ムズカシイデス(日本語で)」
私「日本の食事とか、どない?」 B君「納豆だけはあかんわ」
私「自分、野球やってたんやって?」 B君「そう、高校時代にね」
---
そんな話をしながら、今度は彼のほうから、日本の野球に関する質問が。
彼には、既に、今年から合併して、Bsが誕生したことは伝えていた。
B君「何で、旧近鉄は『バファローズ』やったん?」
私「昔は『パールズ』って言ったらしいけど、でもそれじゃ弱そうやから、
そんなときに、当時の監督(・・・千葉茂さん?)のあだ名が『野牛』やったから、
それを元にして『バファローズ』になってん」
球場からの帰り道、この話題と繋がる、ものすごく「因縁」を感じる話があった。
---
そんなことを話しながら、球場へと向かう。
球場には無事到着。予定通り、16:00少し過ぎには到着できた。
しかし、予定外だったのが、長蛇の列。
神戸ユニバ競技場の方まで、内野の入場列は並んでいた。
B君には、入場列に並んでもらい、私がチケットを購入した。
その後、携帯を持たないB君とはぐれかけたが、何とか、発見できた。
彼は、「インディアンズの帽子」をずっと探していたらしい。
この日はD戦で、Bsと共にチームカラーは青。
ふちが赤い帽子は、目立つ。
最悪の事態を回避することが出来た。やっぱり、ラッキーアイテムだ。
---
並んだ挙句、やっと球場の中に入ってもらった。
スタジアムに入ったB君の反応は・・・。
・・・普通だった。
良く考えれば、当たり前だ。
米国人の彼にとって、日本の中で一番「米国っぽい」球場をみても、
そりゃ、何の反応も無いのは当たり前だった。
私の感覚では、神戸は「日本で一番綺麗な球場」、という印象があるが、
彼からしてみれば、それが普通の球場だったのだ。
これが、米国と日本の、ハード面での「差」なんだろう。
少し悔しかった。
むしろ、大阪ドームに連れて行った方が、彼を驚かせることは出来たかもしれない。
---
で、球場内を軽く見てもらう。
まず、食料+飲料を調達。B君のビールが、羨ましかった。
続いてグッズショップで、B君はBsユニ(大阪D用)、Bsキャップ(神戸用)購入。
私はビジターユニ+マフラー、B君はそのユニを着て、内野A指定席で観戦した。
なんだか、隣に、この日のBsの先発のケビンがいるような感覚だった。
---
そしてスタメン発表の際に、B君が一番驚いていたのが、ブランボーさんの名前。
「Clifford Michael Brumbaugh」という名前を見て、彼が爆笑していた。
私には理解できなかったので聞いてみたら、
なんでも「Clifford」というのは、普通姓名の「姓」の方の、
しかもポピュラーなものなんだそうだ。
(ついでに、Michaelは、これは「名」の方で非常にポピュラーだそうだ。)
また、「Brumbaugh」という苗字は、非常に珍しいんだそうだ。
だから、ブランボーさんの名前は、日本人の感覚で言えば・・・
「湯上谷・鈴木・大輔」みたいな名前なんだそうだ。
なるほど。
確かに、日本人で下の名前が「鈴木さん」だったら、衝撃を受ける。
そんな、文化の違いを感じながら、試合開始。
---
1回表、Dの攻撃。
B君は、日本ではオーソドックスな応援スタイルであるDの応援に
少し、カルチャーショック(悪い意味ではなく)を受けたようだった。
そして、もう一つ、彼がカルチャーショックを受けていたのが、球速計。
米国では全てマイル表示なので、km/h表示の日本の表示では、
球速が分かりにくいらしい。
なるほど。普段、MLBを見ない私には、少し意外だった。
ケビンは走者を許すも、無失点で切り抜ける。
3アウト目の、アレックスの三ゴロは、送球がそれ、
北川が慌てて走者に追いタッチする。
目にはセーフに見えたが、判定はアウト。儲けもんだ。
B君が何か叫んでいた。聞き取れなかった。
私「今、何て言ってたん?」
B君「Gift、って言うてた」
なるほど、こういう儲けもんの判定は「Gift」って言うのか。
確かに、贈り物、お土産的な感覚は分かる。
ここから、野球観戦をしながらの、楽しい英会話クラスが始まった。
---
1回裏、Bsの攻撃。
天然芝を求めて、私が大嫌いなHからBsにFAで来た、とB君に紹介した、
村松先生から、攻撃開始。
しかし、ここから、4回裏まで、全く走者が出なかった。
ちなみに、B君は、やっぱりBsの攻撃にも、違和感を感じた様子。
---
3回表。不運な当たりもあり、この回だけで、ケビンは安打6本くらった。3失点。
ピンチを迎え、B君いわく、
「何で、ケビンは速球を投げないんだ!!」と嘆いていた。
なるほど。やっぱりMLBの感覚では、日本は変化球が多いように思うんだろう。
私は、連休のラッキーアイテムのインディアンズの帽子の
刺繍の部分を触り、祈るように見ていた。
その効果もあったのだろうか?
1死満塁のピンチから、ケビンは不運な判定にも負けず、
決定打は何とか防ぎ、ギリギリで立ち直った。
---
3回裏、Bsの攻撃は3者凡退だったが、阿部ちゃんの打席で、B君から質問。
「何で、外野席は、『じゃんけんぽん』って言ってるん?」
・・・これは、「まさひろ!!」を聞き間違えた、B君の勘違い。
そんなたわいも無い会話を重ねながら応援するも、
BsはDの先発山井を全く打てず、
4回裏、ようやくBsは、平野の四球で、初めての走者が出るも、その後続かず。
---
5回表、Dの攻撃に福留が、この日猛打賞となる安打を放ち、この時点で
Dが安打10に対し、Bsは0。
この回のDの攻撃は無得点に終わったが、
後で考えたら、この時点でのスコアボードを撮っておくべきだった。
---
5回裏、1死後、後藤がチーム初安打を放つ。
「彼の守備は危ないよ」といったはなから、
見事に2回表にファールフライを取れなかった後藤が、汚名返上のチーム初安打。
早川が続き1死一,二塁のチャンス。
ライトスタンドでは、今期からの新しいBsのチャンスのテーマが流れる。
その中で、「じゃんけんぽん」の阿部ちゃんが右中間にタイムリー。
が、本塁送球の間に二塁を狙った阿部ちゃんはタッチアウト。
続く鈴木の場面で、今度は「タオルマフラー踊り」。
これは、B君には、かなり衝撃的だったようだ。
「Strange!!」と繰り返し、大爆笑。
ま、これは予想の範囲内。
私も初めて見たとき、大爆笑したし・・・。
(まさか自分がすることになるとは思わなかったけど・・・)
しかし鈴木は三振に倒れ、この回は1点返しにとどまった。
が、この後、B君との話。
私「自分、タイムリー、って言ったけど、MLBでもタイムリーって言うん?」
B君「うん、普通に使うで」
・・・てっきり、タイムリーは和製英語だと思っていたので、初耳だった。
---
6回表、ケビンは1死後、谷繁に初めての四球を与えた。
良く考えたら、10安打は許しても、無駄な四球を与えなかったことが、
ケビンが6イニングを3失点で切り抜けることが出来た理由だと思う。
続く渡邉が2-1からのエンドランを空振り三振、谷繁も刺された。
この試合の最初の方に、
「日本ではダブルプレーのことを『ゲッツー』って言うんだよ」
とB君に教えていたので、
B君は、「Get two!!」と、綺麗な発音で叫んでいた。
---
そして、この時、この三振ゲッツーで、試合の流れがBsに傾きつつあるな、
と感じていた。
そして、アメフトを観戦中に聴いたことのある言葉を、ふと思い出し、
私が口にしてみた。
「Momentum」
。「試合の流れ」、とか「勢い」を意味する言葉。
そういうと、B先生は、こういう表現をするんだよ、と教えてくれた。
「Momentum shifted from Dragons to Bs.」
「試合の流れが、DからBsに傾いた」を、英語ではこう表現するらしい。
なるほど。「動く」、のmoveではなく、「移る」、のshiftを使うのか。
多分、これはチームが攻撃側と守備側に分かれて戦っているからなんだろう。
・・・勉強になった。
---
そして、ここで、本当に流れがBsに大きく傾いた。
6回裏、先頭の村松先生が高いバウンドの、逆シングルの遊ゴロを放つ。
D井端が上手く捕って投げてもギリギリのタイミングの打球だったと思うが、
井端がはじき、記録は安打。
そして、平野が三振に倒れるも、谷がレフトに同点ホームラン!!
続く「湯上谷・鈴木・大輔」ブランボーさんがヒットの後、
イッパツマン・北川が左中間にタイムリー二塁打を放ち、逆転!!
完全にBsにMomentumが移っていた。
---
そして、そのMomentumをDに奪いかえさせなかったのが、Bs加藤の好投。
7回表に、ラッキーセブンで、Dのマスコット、ドアラとシャオロンが登場。
ドアラはバック転を見せてくれた。
(↑バック転の後のドアラ)
(↑勿論、バック転できないシャオロン)
しかし登板した加藤は、結局、3イニングを完璧に抑えた。
彼がこの試合のMVPだったと、個人的に思った。
「彼はナックルボーラーなんだよ」と伝えると、
B君は「日本にもいるのか?」と少し驚いていた。
予想通りのリアクションを見せてくれて、少し満足。
---
その裏、Bsは、2死から村松先生、空振り三振。
が、ボールは大きくそれ、振り逃げ。
「振り逃げは英語でどういうん?」と聞いたら、
「Cacther passed the ball and batter ran to the first base.」との答え。
「キャッチャーがボールをそらし、打者が一塁に走った。」
って、そのままやん!!
ついでに、村松先生に牽制球があったので、
牽制は英語でどういうのか聞いたら、
「Checked and threw the ball to the first base.」との答え。
「走者をチェックし(チラッと見)て、一塁にボール投げた」
って、そのままやん!!
この後、Bsは平野のヒット、谷のタイムリーで1点加えた。
Dからしたら、村松でチェンジのはずが、余計な一点を失った形だった。
Momentumは、明らかにBsが握り続けていた。
---
そして、8回の裏。
Dは投手が
平井正史
に代わり、一塁側から拍手が挙がり、盛り上がる。
こういう「故郷に凱旋」ということが、交流戦採用によって
より実現しやすくなったのだなあ、と改めて実感した。
その8回裏。B君が、この日一番驚いた、というプレーがあった。
北川二塁打と塩崎安打で迎えた、1死一,三塁の場面。
打者の阿部ちゃんが、2球目をスクイズしたのだ。
私は、よくボール球を転がした、と思っていたが、B君が驚いていたのは、
そのことではなかった。
彼は、こう叫んでいた。「
Suicide squeeze!!
」と。
直訳したら、「
自殺スクイズ
」という、物騒な呼び方だ。
投球と同時に、三塁走者がスタートしてのスクイズを、こう呼ぶらしい。
失敗した際のリスクが大きいことから、こういう呼び方をするのだそうだ。
日本では、普通のスクイズがこれで、
三塁走者がスタートしないものを「セーフティスクイズ」と言うが、
セーフティスクイズが米国での普通のスクイズのスタイルなんだそうだ。
そして「自殺スクイズ」は、高校野球等では採用されているものの、
プロの野球チームでこれをしたチームを見たことが無い、と
B君は言っていた。(TV観戦を含めて)
なるほど。やはり、日本の野球の方が「組織力」が成熟したのか。
と、日米の野球観の違いを充分に感じさせてくれるプレーだった。
---
9回表、D先頭の川相、続く谷繁に粘られた。
以前の日記で、解説者の山田久志さんがおっしゃっていた
、
加藤の「体の疲労」の蓄積もあって粘られたのだろう。
ちなみに、ファールで粘ることは、英語では、
「Stays alive.」と言うそうだ。なるほど、「生き続ける」、ね。納得。
しかし、加藤はしっかりとこのイニングも3人を「殺し」、試合終了。
Bsの鮮やかな逆転勝利の試合だった。
---
ヒーローインタビューは、6回の逆転の立役者、谷と北川(↓写真)。
(↑谷選手。B君には「柔道家の嫁さんの方が有名」と伝えました。)
(↑北川選手。B君に、1回表のケビン牽制悪送球の際、守備が下手、と言われたので、
「その分、こいつは打つから」とフォローしたかいがありました。)
その後、球場内のレリーフで、旧BWの歴史を紹介した後、球場を後にした。
---
帰路、すっかりBsファンになってくれたB君との話で、因縁を感じる話があった。
「インディアンズ」の名前の由来だ。
かつて、このチームは「スパイダーズ」というチーム名だったそうだ。
そして、1900年代初頭の頃の話らしい。
ネイティブアメリカン(=インディアン)の選手が活躍し、チームが優勝した。
そこで、彼の功績をたたえて、「インディアンズ」と改名したのだそうだ。
旧近鉄の「バファローズ」のように、個人の存在が理由でチーム名が変更されたらしい。
---
また、私が一番好きなMLBの球団はアトランタブレーブスだ。
理由は簡単、私は阪急ブレーブスのファンだったからだ。
で、MLBでは、ネイティブアメリカンがチーム名の由来になったチームが2つしかないらしく、
その2つが、インディアンズとブレーブスなんだそうだ。
---
そして、もう一つ。
クリーブランドに本拠地を置く、アメリカンフットボールのチームの
名前は、「ブラウンズ」というんだそうだ。
で、その理由は、チームをかつて率いた名監督の名前が「ブラウン」さん
だったかららしい。
が、その名将・ブラウン監督は、残念ながら全米チャンピオンになることが
出来なかったらしい。
その話を聞いたときに、かつて旧阪急、近鉄両軍を率い、
リーグ優勝は果たしながら一度も日本一に輝けなかった
悲運の名将・西本幸雄さんを思い出した。
そして、昨年までの旧12球団で唯一日本一になることが出来なかった、
近鉄バファローズのことも、頭をよぎった。
---
そういう話をしながら、岡山に帰った。
帰り際、私はB君に言った。
「私はブレーブスファンだけど、一生インディアンズファンでいるよ」
B君も
「僕も、一生ずっとBsファンでいるよ!!」
と言ってくれた。
そして、「インディアンズファンのB君の彼女も、必ずBsファンにするよ!!」
と、約束してくれた。
新たなBsファンが世の中で2人増えたんだな、と思うと、とても嬉しかった。
---
この日のスコアこちら
(↑手は、B君)
10連休が終わる。でも、このインディアンズの帽子のおかげで、
観戦試合は全て応援した方が勝った。
そして、新たなBsファンも増えた。
多分、このインディアンズの帽子が、この連休中、
僕に「Momentum」を与えてくれたんだ。
本当に、この帽子は私にとって、ラッキーアイテムだ。
['05/05/08]
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