佐竹台8丁目25番地―12

ホームグラウンド('05/06/25)



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ここのところ1ヶ月ほど、野球もJも観戦していなかった。
だから、久しぶりに、生観戦したい、と思っていた。

そんな中、体調不良だったが、

絶対にこれは見に行こう

と、思わせる、対戦カード・組み合わせ・場所が揃った一戦があった。

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この日は、パリーグの交流戦明けのBsの最初のホームゲーム。

Bs-Mの5回戦。

空梅雨の、炎天下でのデーゲームだった。

球場に入り、席に着く。
程なく、仰木、バレンタイン両監督がメンバー交換をした。

ボビーと魔術師は仲良さげ
(↑その直後の、2人と通訳さんの会話。)

昨年の旧BWの監督とは、Mボビーは一悶着あったなあ、と思い出した。

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そして、この日は風変わりなイベントが企画されていた。

米国版映画「リング2」の宣伝ということで、
貞子の格好をした女の子たちが、
入り口から多数いて、チラシを配っていた。

・・・本気でおびえて泣いている子供が複数いた。

しかし、それだけでは宣伝が飽き足らないらしく、
なんと始球式まで、「貞子隊」が行うことになっていた。

頑張れ、バイトちゃん
(↑「貞子隊」のうちの一人。・・・大変ですよね。)

そして、その貞子の格好をした人が、始球式をする、
名づけて「呪いの始球式」が行われた。

貞子
(↑貞子。・・・昔、確か仲間由紀恵がやっていた気がする)

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そして、それを打ち返して、外野スタンド前に設置された、
古井戸の中に放り込んでしまおう、というのがこの企画の趣旨だった。

選ばれた打者1人目は・・・

私の永遠のアーチスト、サーパス打撃コーチの藤井康雄さん!!

アーチスト

康雄さんが、打席に向かう。

フルスイング健在

そして、打席に入る。

・・・少し横幅が・・・。

ルールで、スイングチャンスは3回。
(見逃しはノーカウント)

まず初球。
康雄さんの打球は、セカンドオーバーのヒット性の打球。

2球目は・・・康雄さんはなかなか振らない。

投手・貞子が、高めの球を投げるからだ。
康雄さんは、ローボールヒッターだ。

そして好球必打の2球目は・・・ライトの右を襲う二塁打コースの当たり。

さらにボールを良く選び、そして振った、
3球目は、残念ながら、ライトフライの当たりだった。

3打数2安打、拍手!!
(↑残念、引き上げていく康雄さん)

少し横幅が・・・というのは感じたけれど、
でもやっぱり康雄さんの構え、スイングだった。

そして康雄さんといえばHRだったけど、
鋭いライナー性の当たりも多かったなぁ、と思い出した。

そういえば、現役最後の打席でも、セカンドオーバーのヒットだった。

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康雄さんのHRは、目撃できなかったが、
結局、この日はサーパスで康雄さんの指導を受けたであろう選手が、
代わりにHRを放った。

康雄さんのコーチとしての手腕は、高いと私は思う。
入団当時は、左打席では「当てる」しかできなかった早川も、
しっかりと「振る」ことができるようになったし。

もちろん、ひいき目が入りまくりだが。

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で、続くはブライアントコーチ。

ブライアント

打席に入る。

結果は3ファール・・・。

しかし、ブライアントの方は、あまり球を選ばず、3球振った。

2球続けて、自打球になりそうな、ファール。
3球目は、飛距離は出たものの、ドライブがかかり、やはりファール。

やはり残念な結果に終わった。

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結局、貞子の呪いが勝ってしまった。

ただ、この試合の結果を考えると、

貞子の呪い < 弁当の呪い

だった、と思う。

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さて、この日のスタメンはこちら。

スタメン

両軍DHが堀、早川、と少し奇策に出たメンバーだ。

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そして、この日のBsの先発は、吉井だ。

おっちゃん

昨年、戦力外となりながら、テストを受け再契約を勝ち取った、
吉井のおっちゃん。

ここまで、一軍昇格後は、しっかりと先発ローテを守り、
毎試合でしっかりと試合を作る働きをしてきていた。

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対する、Mは、いつものごとく、外野スタンドが黒い。

黒鴎軍団

開幕シリーズ で見たフラッグは、
関西の応援団のものだったのか、と知った。

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この日のカードは、私が個人的に、縁が深い組み合わせだ、と上に書いた。

それは、まず対戦相手。

千葉が本拠地の、M戦。

来月1日付けで、岡山から千葉に異動となる私。

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そして、吉井のおっちゃん。

冒頭に書いた言葉は、今月限りで消滅する、私の会社での所属長が、
3日前に、異動の説明をしながら、
最後にボソッとつぶやいた言葉だった。

吉井のおっちゃんも、確か今春のキャンプで、
テスト生時代に、同じような言葉を言っていた。

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そして、この場所、神戸。

うつ病を発症した、ボロボロの私を救ってくれた、
会社のカウンセリングの先生。

彼女の出身は、神戸だった。

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そんな、いろいろなことを思い出しながら、
根がギャンブラーである私は、
今日の試合の結果に、今後の会社生活を賭けてみよう、と思っていた。

千葉での困難を、Mの攻撃に見立てて、
BsがMを倒したら、私も千葉での困難に勝てるだろう。
新しい生活も、上手くいくだろう。

そして、所属の長の今後を、吉井投手に重ねて見ていた。
吉井が耐えきれば、お世話になった長の方も、
今後の仕事も上手くいくだろう、と。

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試合の立ち上がりは、落ち着いたものだった。

初回。

表、吉井は堀を直球で見逃し三振にしとめる等で、10球で3者凡退。

裏、対するMの先発、小林宏之も、わずか9球で、3者凡退でしとめる。

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2回。

吉井は、李スンヨプの不運な三塁線の当たりが二塁打となり、
無死二塁のピンチを迎える。

しかし、後続の3人をしとめて、無失点で切り抜ける。

裏、Bsもガルシア、北川の短長打で無死二,三塁のチャンス。
ここで早川は三振も、水口が遊ゴロを放ち、
M小坂が前進守備では無かったこと、
そして三走のガルシアの好スタートにより、
1点を先制した。

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3回。

表、吉井、バックの好守もあり、危なげ無し。

裏、Bsは1死後、平野が中前に抜けようかという当たりを放つ。
M西岡が好捕、一塁に投げるも、送球を福浦が捕るよりも、
ヘッドスライディングの平野が一瞬早く一塁に到達し、セーフ。

谷はレフト前、ガルシアがライト前適時打で1点追加。

続く北川がレフトにHRを放ち、さらに3点追加。

Bs5-0Mとなった。

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4回。

表、吉井の投球テンポの良さに誘発されて、
バックが好守をまた見せる。

無死1塁で、Mは初球でエンドラン敢行。
しかし、逆を疲れた遊撃・阿部真が球際の強さを見せ、
球を抑えて、一塁に投げアウトに。

その後、李スンヨプ、ベニーを抑え、無失点。

その裏、Bsは無死から村松が安打で出塁。
1死後、谷の時に、二盗に成功。

頭から滑り込んだ村松は、全身ユニフォームが土で汚れた。

太陽と埃の中で

でも、この天然土、天然芝の球場には、
ユニフォームがこれ位汚れた方が、良く似合う。

その後、小林宏之の暴投で三進、谷の三ゴロで、Bsは1点追加。

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5回。

表、吉井は橋本に四球を出すも、無失点で切り抜ける。

裏、Bsも三者凡退。

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6回。

表、吉井は李スンヨプの犠飛で1点失う。

裏、Bsはチャンス作るも、無得点。

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7回。

表、吉井はさすがに暑さによるバテが来たのか、
フランコ、橋本に連続で右翼の頭を越される二塁打、単打で
無死一,三塁のピンチを作ってしまう。

ここで交代、お役御免。

不満の降板

しかし、吉井は、不満の様子だった。
もっと投げたい、その気持ちは痛いほどに伝わってきた。

一塁からライト側にかけて、大きな拍手が、吉井に送られた。

結局、続くMの攻撃は、萩原が何とか犠飛による1点で凌いだ。

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その裏、Bsは、先頭のガルシアがライトにHR。

ガルシアHR,ホームイン直前

さすが、サーパスで康雄さんの指導を受けただけのことはある。

続く北川もHR性の大ファールの直後の球を、
正真正銘のHR。

2点追加して、試合は決まった。

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8回裏にもBsは1点追加し、
試合は結局、Bs9-2Mで、試合終了。

スコア

空梅雨の快晴の酷暑のもとで、Bsの快勝に終わった。

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試合終了後、選手全員が、観客席に向けて一礼。

みんなで一礼直後

今年からの試みのようだが、とてもいいことだと思う。
観客席にいる方としては、一体感が味わえるし。

ヒーローインタビューは、吉井のおっちゃんと、二本塁打の北川。

ボケとツッコミ

吉井が
「一塁の選手が、えーっと名前は忘れましたが、ピンチで声かけてくれて」
と、関西人らしくベタなオヤジボケを炸裂させる余裕ぶり。

マイクパフォーマンスも、ファンサービスの一つなのだ、と
改めて感じさせてくれた。

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そして、ファンにサインボールを投げ入れ、ベンチに戻る。

・・・と思いきや、吉井はフィールドシートで、
黙々と即席サイン会を始めた。

嫌な顔一つせず、群がるファン相手に、一つ一つ、書いていく。

時間は5分以上続いたと思う。

ファンが続々とフィールドシートに入ってくる。
吉井はサインを書き続ける。

その姿を見て、またしても、私の部署の所属長を思い出した。

時々、私が仕事でテンパって休日に出勤したときに、
いつも長は机に向かって、仕事を黙々とこなしていた。

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そんな長の姿を思い出していたら、
あの人なら、今日の吉井の調子がどうだったであれ、
絶対に仕事はそれなりに上手くやっていけるだろう、と思った。

お疲れ、おっちゃん!!
(↑即席サイン会を終えて、ベンチに帰っていく、吉井のおっちゃん)

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そして、そう考えていたら、
今後の僕も、根拠は全くないけれど、
なんだか上手くやっていけるんじゃないか、と思った。

今日のBsが、千葉の黒鴎に負けなかったように、
僕も、千葉で多少の困難になら、負けずにやっていけるのでは、と思った。

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そして、この日、再確認したこと。

それは、私は野球観戦が好きだが、
やっぱり、この神戸の球場で見る野球が一番好きだ、ということだ。

この美しい芝、土、観客席、空。

私は関東に行くことになる。

千葉マリンでは海風と花火。
東京ドーム、神宮、横浜は、市街地から近いという利便性。
所沢のドームは・・・。長所はサッとは出てこないな・・・。

ま、でもどの球場にも、長所は絶対にある。

でも、私はこの球場がやっぱり一番好きだ。

だから、今後、どこの町で生活するにしても、
年に1回は、この球場での野球を見に、遠征してこよう。

そう、心に決めた。

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神戸の球場。

神戸市営地下鉄の、総合運動公園駅を降りたら、目の前にある球場。

ここが、私の、ホームグラウンドなんだ。

多分、ずっと。


['05/06/26]


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