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“何があっても大丈夫”
★★★★★
櫻井さんの自伝です。
櫻井さんって、とっても高潔で、知的で、凛としてらっしゃるので、きっといいとこのお嬢様なんだろうな~なんて勝手に想像してましたが、違いました。
ものすごく、私からみれば波瀾万丈な人生を送られたようで。父親は新しい女を作り家によりつかなかったり、大学時代は生活費も学費も自分で出したり・・・。
その他にも色々と紆余曲折あったようです。
それなのに、決して環境のせいにして腐ったりしなかった。それはなぜかというと、櫻井さんのお母様が昔から子供たちに言い聞かせていた「何があっても大丈夫」という言葉があったから。
櫻井さんは女性としてはもとより、人としても素晴らしいと思います。その彼女がなぜそう清廉で凛とした人となりえたのか。それはやはりお母様の育て方ですね。
本当に素晴らしいお母様です。どんな状況でも決して愚痴らず、後ろ向きにならなかった。子供にはいつも前向きなことしか言わない。夫(櫻井さんの実父)のあまりにもひどい仕打ちにも決して夫を責めなかった。
それどころか、夫のいいところだけを子供たちに聞かせて育てた。私ならできない。あんなひどいことをする夫を憎まずにはいられないと思う。
さすが明治の女というところか。どんな嫌な人間でも、その中でよいところをみつけてそこしかみない。もしくは、どんな嫌なところも見方をかえてよいようにみる。そういうことができるお母様なのです。
その彼女に育てられた櫻井さんが素敵な女性になられたのはうなずけます。もちろん、櫻井さん自身も、悩み苦しんでも、他人を妬んだり、環境をうらんだりせずに自分を律したことも忘れてはなりませんが。
櫻井さんの語る言葉は決してきれいごとじゃない。彼女自身の経験に基づいて語られている言葉だからこそ、説得力があるんですよね。
若い頃とても金銭的に苦労した彼女が、「お金はなくてもなんとかやりくりすればやっていける」と言われるから納得できる。
この本は、櫻井さんはもとより、彼女のお母様の素晴らしさに驚かされます。あまりにも素敵なお母様で、読んでいて涙がでてくる箇所がたくさんありました。
どうしてお母様はあんな苦しい状況で笑顔でいられたのか?恨み言を言わずにいられたのか?本当に素晴らしい人だと思います。
他人を怨まず、妬まず、環境を嘆いたり、環境のせいにして腐ったりしない。どんな状況でも、常に前向きに物事を捉えられる人間になりたいと、改めて思いました。そうすれば、どんな不幸な状況の中にもきっと幸せをみつけることができるのだと思います。だって、幸せって主観的なものでしょう?
他人からみれば不幸のど真ん中みたいな状況も自分の気持ち次第では幸せになれる。
他人を羨んで現状に不満垂れ流すくらいなら、どんな小さくても幸せをみつけてそれを感じられる人間になりたいものです(*´▽`*)
=== 38冊目 読了 ===
曽野綾子 『言い残された言葉』 2010年12月28日
曽野綾子 『戦争を知っていてよかった』 2008年12月21日
柴田よしき 『RIKO --女神の永遠--』 2008年10月16日