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“国を思うて何が悪い”
★★★★★
エッセイ。
わが国には、国を思うとか、国を愛するとかいう言葉を口にすると、すぐあれは右翼だと言われる傾向がある。いわゆる進歩的文化人たちや大新聞によれば、日本は悪い国で、歴史上、諸外国に顔向けできないようなことばかりしてきたことになる。それは事実なのか? 特定の考えに縛られずに物事の本質を見極め、論より事実で語る日本論。
いや~正鵠を射ていて、ユーモアもあって、痛快で、とっても楽しめました(*´▽`*)
これが最初に出版されたのは1987年(これは最近新装版としてでたものですが)。驚きです。
だって、今でこそ小泉さん安倍さんという首相がいたから、戦後の自虐史観を否定する発言を公で述べることに対するハードルがかなり下がりましたが、それまでは、自虐史観を見直そうというだけで右翼みたいに大バッシングされたんじゃないかな?
80年代といえば、マドンナブームがあったりと、女性の権利を始め、人権が声高に叫ばれた時代でもあるわけで。そんな左翼旋風が席巻する中で、こういう内容の本を書くってすごい。
世が左巻き一色の中、流されず、近視眼的にならずに、本当に日本のことを考え、冷静に論理的な意見を述べられるという見識の高さに驚きます。
その反面、何でもかんでも日本は正しいという手放しなわけでもなく、冷静に本当に冷静に日本を分析し、独自の意見を述べておられます。
いくら世の中が左ブームになろうとも、見識の高い人は常にいるのですね。ただ、その声が反対の声にかすんで聞こえなくなっているだけで。実際に、この本がベストセラーになったことからもそのことがわかります。いつの時代も、時代に流されず慧眼鋭い人間はいるものです。
本当に鋭い指摘ばかりで、とってもためになる本です。20年以上前に書かれた本だとは思えませんでした。今の時代でも色褪せないどころか、ようやく阿川さんの正論に時代が追いついたというところか。
いや~最近いい本ばっかり読んでるな~(*^m^*)それだけでニコニコ笑顔が溢れてきちゃいます(単純だな~(;^ω^A )
=== 39冊目 読了 ===
有栖川有栖 『妃は船を沈める』 2012年06月09日
奥田英朗 『邪魔 (下)』 2012年05月06日
奥田英朗 『邪魔 (上)』 2012年05月06日