1
本多静六「私の生活流儀」<頭の使い方>○手帳の大きなハタラキ 「人間の知識や考案等は小鳥のようなもので、 目の前、頭の中に飛んできたとき、さっと捉えて籠の中に入れておかぬと、 過ぎ去ったが最後、もはや自分のものとすることはなかなか難しい。 そこで思い付いたその折々に、電車の中でも、夜着の裡でも、 必ず要点だけでも書き留めておく必要がある。 思うに、人生にはこうした断片的な知識の集積がきわめて大切なもので、 名案妙案の多くも、こうした瞬間的な閃きから生まれてくるのである。」 ちなみに、本多博士の手帳は、 縦4寸9分、横2寸8分のルーズ・リーフ ・・1寸=約 3.03 cm なので、 縦14.8cm、横8.5cm ・・あれっ、思っていたより小さめの手帳。 手帳の厚さは、2~3分=6~9ミリ。 手帳の中身は、8項目に分類。 1.修養 2.残用 (仕残した仕事のメモ) 3.カレンダー (だいたい半年分くらいの用意をし、日付の下に予定事項のメモを記入、 毎朝これを一見する) 4.当用 (用事を気づくごとに記入し、それがすめばその行を消しておき、 就寝前には消さない行をなくしてしまう、 それが一日でできぬ大問題の場合は、忘れずに前の残用欄にうつしておく) 5.日記 6.資料 (一切の見聞読書メモを類別して記入、のちにその重要部分を転記保存する) 7.会計 (一切の収支をその都度記入し、月末に計算原簿にうつす) 8.宿所録(これは別にカード式のアドレス・ブックがあるから、それに登録するまでのメモである)○エキス勉強法と行読法 「その日に学んだ講義筆記や参考書を一心不乱に熟読し、 ぜひ覚えなければならぬ重要なところに、鉛筆でしるしをつけておき、 一章読み終わるごとに、その要点、とくに定義や方程式、数字などを別の紙に記入していく。 すると、だいたい100枚ばかりの筆記が、結局は、2-3ページに圧縮することができる。 つまり学科目のエキス抽出である。 これをフトコロに入れて、毎夕または早朝1-2時間ずつ外出する。 なるべく通行者の少ない田んぼや山道を歩く。 そうして歩きながらそれを頭に入れていくのである。 歩行しつつ読む法 - すなわち、「行読法」である。
2007.09.22
閲覧総数 1037
2
浅田次郎「天切り松 闇がたり」ドラマ・・・贅沢なキャストと原作 2004年7月にフジテレビ系で放映されたドラマのDVD。 久しぶりに、ウェアハウスに立ち寄ったら、目に留まったので借りました。 浅田次郎さんの原作「天切り松 闇がたり」が素晴らしいので、 期待と不安、半分半分で見始めましたが、 なんともキャストが素晴らしかったです。 映画「アンフェア」を見たばっかりだったこともありますが、 ダンディな黄不動の栄治役、 椎名桔平さん、いいですね! その上手を行く、安吉親分役が、渡辺謙さん。 人情味溢れる説教寅こと寅弥役の六平直政さん。 寅弥が昔世話になった上官の娘役の篠原涼子さん、 松蔵の姉・さよ、白縫華魁役の井川遥さん、も良いです。 もちろん、闇語りで狂言回しする天切り松役の中村勘九郎さんも。 そして、取り上げた原作も、どれも選りすぐり。 「黄不動見参」・・・血よりも濃い水もあること 「昭和侠盗伝」・・・赤紙一枚で人の命をかっぱらう国に対して、へのつっぱりにもならないことを承知で、天下のお宝をうばう 「白縫華魁」~「衣紋坂」・・人間を売り買いする女衒が人間ではないこと・・。 一話30分とは、とっても贅沢です。 おこん姐さんの「ゲンノマエ(帯留めにさんだ財布を真正面から抜き取る芸当)」や、書生常こと百面相の常次郎の芸術的な詐欺等も、見てみたい。 2年半経ちますが、続編かシリーズ化を期待します。 <キャスト> 村田松蔵(天切り松) : 中村勘九郎 黄不動の栄治 : 椎名桔平 志乃 : 篠原涼子 さよ : 井川 遥 逆井重美 : 中村獅童 村田松蔵(少年時代) : 久野雅弘 並木康太郎 : 井前隆一朗 寅弥 : 六平直政 永井荷風 : 岸部一徳 東郷平八郎 : 丹波哲郎 抜け弁天の安吉(杉本安吉) : 渡辺 謙 浅田次郎「天切り松 闇がたり 闇の花道」浅田次郎「残侠―天切り松 闇がたり」・・それが男の心意気 浅田次郎「初湯千両―天切り松 闇がたり」第三巻・・・無理させて無理をするなと無理を言う 浅田次郎「昭和侠盗伝―天切り松 闇がたり」第四巻
2007.03.20
閲覧総数 18181
3
ツァラトゥストラはこう言った(下)ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った 下」訳は、氷上英広。 「ツァラトゥストラ」・・ようやく読みました。 自分自身を発見し、乗り越えること。 そのための勇気、意志。 自分を取り巻く世界が、たとえ自分にとって汚物にまみれているように見えようとも、 それは知恵の宝庫であること。 その中でこそ、踊り続けること、そして大いに笑うこと。 「超人」「力への意志」「永劫回帰」・・等のタームよりも、 「!」が連続の力強い言葉、感動します。勇気・・「勇気にまさる殺し屋はない。 すすんで攻める勇気、それは死をも打ち殺す。 なぜなら勇気はこう言うからだ。 「これが生きるということであったのか? よしもう一度!」」人生は担うに難いものか・・「いや、人間が自分で自分を重くしているだけのことだ! それは、かれがあまりにも多くの他人のものを、自分の肩にのせて行くからだ。 駱駝のように、かれは膝を折って、荷物をたっぷり積んでもらう。」自分自身を発見する・・「人間は容易に発見されない。 ことに自分自身を発見するのは、最も困難だ。 「精神」が「心」について嘘をつくことがしばしばある。・・ だが、つぎのように言う者は、自分自身を発見した者といえる。 - 「これはわたしの善だ。これはわたしの悪だ」と。 かれはこう言うことによって、 「万人に共通する善、万人に共通する悪」などと言うもぐらと小びとを沈黙させた。」「超人」・・ 「また人間は克服されなければならない或るものだということ、 - 人間は橋であって、目的ではないということ、 その正午と夕べが新しい曙光への道であることを思えば、よろこびにみちること」高貴な魂のありかた・・ 「高貴な魂のありかたはこうである。 かれらはどんなものでも、無償で手に入れようとはしない。 まして人生を。」 「今後、あなたがたに栄誉を与えるのは、 「どこから来たか」ではなくて、「どこへ行くか」なのだ! あなたがた自身を超えて行こうとするあなたがたの意志と足、 - これこそ、あなたがたの新しい栄誉であらねばならぬ!」「世界にはたくさんの汚物がある。 そこまでは事実だ! しかし、だからといって、世界そのものが巨大な汚物にすぎぬとは言えない! ・・ (悪臭の中に) 知恵がひそむ。 嘔吐感そのものが、翼を生み、泉をさがしだす力を創造する!」Let’s dance.「踊りを一度も踊らなかった日を、われわれは空しかった日と考えよう! また哄笑を伴わなかった真理を、われわれはすべてにせものと呼ぶことにしよう!」意志・・「おお、意志よ、 おまえはあらゆる困難を転回するものだ! おまえこそ、わたしの必然だ! ひとつの大いなる勝利のために、わたしを備えさせておくれ!」「・・およそ地上に生じるもので、高く強い意志にまさるうれしいものはない。 それは地上の最もみごとな植物だ。 そうした木が一本あれば、風景ぜんたいが生きてくる。」「高く登ろうと思うなら、自分の脚を使うことだ! 高いところへは、他人によって運ばれてはならない。 ひとの背中や頭に乗ってはならない!」「あなたがた、「ましな人間」たちよ、 あなたがたのいちばんまずかったのは、踊るべき踊りを踊ることを学ばなかったことだ、 - あなたがた自身を超えて踊ることを! あなたがたが失敗しても、それがなんだろう! なんと多くのことが、まだまだ可能であることか! だから、あなたがた自身を超えて笑うことを学びなさい! あなたがたの心を高らかにあげよ、 あなたがた、良き舞踏者よ、高く! もっと高く! そして良き笑いをも忘れるな!」
2008.12.20
閲覧総数 55
4
今日は、映画「20世紀少年」の封切日!大雨警報の中、映画館へ。 最寄の映画館は、すでに50人待ちでした。 浦沢直樹さんの原作、最初の5巻ほどをだいぶ前に読んだきりだったので、楽しみ。 今回は、三部作の一作目。全22巻の原作の、3分の1までを描いていたようです。 印象に残ったのは、同窓会のシーン。 本作、キャストがとってもとっても充実! 三部作全部だと思いますが、総勢300名余のキャストとのこと。 1960年生まれ・・と思われる同窓生達は、 唐沢寿明 1963年 豊川悦司 1961年 常盤貴子 1972年 香川照之 1965年 石塚英彦 1962年 宇梶剛士 1962年 宮迫博之 1970年 生瀬勝久 1960年 藤井フミヤ 1962年 小日向文世 1954年 佐々木蔵之介 1968年 1972年生まれの一番若い常盤貴子さんと、 1954年生まれの小日向文世さんの間は・・なんと18年も離れていました。 次回作は、オッチョ・・ショウグンこと、トヨエツの活躍に いまから期待です。
2008.08.30
閲覧総数 341
5
日本文化における時間と空間加藤周一「日本文化における時間と空間」・・「今=ここ」に生きる 加藤周一「『日本文学史序説』補講」のおいても、 外来文化を受け入れる前の「古層」「執拗低音」の存在がいわれていましたが、 本書においては、「古層」と外来文化の受容を踏まえた上での 日本人にとっての時間・空間に対する考えについて取り上げています。 事前の推論としては、 日本人は「今=ここ」に生きている、つまり、 時間においては「今」に、 空間においては「ここ」に集約される世界観に起きているようにみえる、と。 ところで、それは世界の文化において普遍的なものではなく、 それぞれの文化に固有な型を持っている。 ユダヤ・キリスト教的世界や中国の世界観との比較文化的に検討することによって 日本人の時間・空間に対する世界観を明らかにしようという試みです。 時間の類型・・・これまで考えたこともありませんでしたが、 ユダヤ・キリスト教的世界における歴史的時間は、 始めと終りがある時間、両端が閉じた有限の直線(線分)で表現される。 古代ギリシャの時間は、 始めも終りもない無限の時間・・であった。 ところで、無限の時間の表現には2つあり、 1つは、一定の方向をもつ直線で、時間はその直線上を無限の過去から無限の未来へ向かって流れる。 もう1つは、円周上を無限に循環するという時間・・ヘレニズムの時間概念 古代中国も、循環史観である。 仏教における時間は、「輪廻」の思想・・生死は限りなく繰り返されるから、時間は無限の循環、 しかし、一つの生と次の生は同じではない。つまり、輪廻は半ば循環的、半ば直線的な時間。 ミロク信仰は、キリスト再臨の信仰に似て、一種の終末論であり、 始めがなく、終りのある直線的時間となる。 また、仏教において「空なるもの」とする考え方によると、 時間的および空間的距離は現実の一つの現れ方にすぎない。 過去・現在・未来は永遠の今であり、永遠の今は、過去・現在・未来である。 この考え方は、歴史的時間の概念の一つの類型ではなく、時間そのものの超越である。 古事記の時間は、始めなく終りのない時間意識であり、 日本人の時間観へ影響を与えている。「無限の直線としての時間は、分割して構造化することができない。 すべての事件は、神話の神々と同じように、時間直線上で、「次々に」生れる。」 そこでは、人は「今」に生きる。 また、「四季の区別が明瞭で、規則的であり、その自然の循環する変化が、 農耕社会の日常的な時間意識を決定した」と考えられる。 かくして、日本文化の中には、3つの異なる型の時間が共存した。 歴史的時間としては、始めなく終りのない直線、 日常的時間としては、始めなく終りない円周上の循環、 人生の普遍的時間としては、始めがあり終りがある。 この3つの時間どれもが、「今」に生きることに向かった、と。 日本的な時間観を象徴するもの・・ それは「連歌」・・「今眼の前の前句と付句との関係の面白さである。 面白さは現在において完結し、過去にも、未来にも、係わらない。 連歌とは、過ぎた事は水に流し、明日は明日の風に任せて、 「今=ここ」に生きる文学形式である。 その文学形式こそが、日本文学の多様な形式のなかで、数百年にわたり、 史上類の少ない圧倒的多数の日本人の支持を受け続けたのである。」 <目次>第1部 時間(時間の類型 時間のさまざまな表現 行動様式)第2部 空間(空間の類型 空間のさまざまな表現 行動様式)第3部 「今=ここ」の文化(部分と全体 脱出と超越)
2008.11.30
閲覧総数 1896
6
人生の目的が見つかる魔法の杖 IRAが「なりたい自分」を実現する。 IRAとは、「本能反射領域」のこと。 大脳皮質(右脳・左脳)の下にある原始的な脳であり、 1.生命維持やストレス反応(自律神経・ホルモン分泌) をコントロールしている「脳幹」 と、 2.本能や感情が生まれ、潜在的な記憶が蓄えられる場である 「大脳辺縁系」という、 2つを合わせた無意識領域を指している。 この領域の重要な特徴は、 ・IRAは無意識の領域だから、意識的な意志の力では自由にならない。 ・理屈の「論理」が通用しない。 ・過去のデータが蓄えられている。 ・IRAにインプットされる情報は、扁桃核で「快」「不快」に判別され、 「快」はリラックスとプラス感情の記憶となり、 「不快」はストレスとマイナス感情の記憶となる。 ・IRAがアウトプットする情報には、必ず感情が伴っている。 ・そうしたIRAの記憶データに基づいて、理屈脳は物事を判断する。 ・IRAはイメージ力の右脳と強く結びついており、 マイナス感情がIRAに発生すると、右脳にマイナスイメージが生まれ、 左脳でのプラス思考も不可能になる。 ・反対に、プラス感情が発生すると、らくらくプラス思考になれる。 だから、 「人間は、無意識の脳がつくる人生脚本のままに生きている」 「自己中心的な脳では、どん底の困難は乗り越えられない」 「何度もいうように、 「人生の目的」は考えるものではなく、感じるものだ。 感謝し、感動し、感激できる脳が、 素晴らしい「人生の目的」を見つける。」 西田文郎「人生の目的が見つかる魔法の杖」
2008.10.03
閲覧総数 2778
7
この国慶節&中秋節のお休み中、ベルリンに旅行に行ってきました。中国国内旅行を検討したものの、この期間中、13億人の中国人のうち8億人が帰省や旅行で移動します。そのため、飛行機代も、チベットやウイグルなどに行くのと、ヨーロッパに行くのとあまり変わらないことになっています。結果として、年に一度のヨーロッパ、今年も継続になりました。上海浦東国際空港のラウンジ・・デルタのゴールドメダリオンなので、スカイチームのラウンジが利用できるのですが、中国東方航空のラウンジではなく、今回は、エールフランスを利用することもあり、日本航空とエールフランス・ラウンジでした。・・ヌードルバーならぬ、点心バーでした。
2017.10.08
閲覧総数 97