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【楽天ブックスならいつでも送料無料】勝運をつかむ [ 谷川浩司 ]谷川浩司・井山裕太「勝運をつかむ」致知出版社2014年刊 将棋の谷川さんと囲碁の井山さんの対談本・・ 勝負師としての人生観を垣間見ることができます。 勝利への法則・・≪高みを目指すほど人は多くの壁にぶち当たる。 それを乗り越えるのは自分を信じる強い気持ち。 そして、マイナスをプラスに転じるエネルギーだ。 負けを恐れず、負けを生かし、 負けを糧にしていく者だけが、 勝利への法則を手にする。≫(井山) 悪いときをどう凌ぐかが一流の条件・・≪苦しいときにいかに頑張れるか、 いいときだけではなく、うまくいかないときこそいかに頑張れるか、 そこが一流と二流の差ではないかと思うのです。≫(井山) 運を無駄遣いしてはいけない・・≪運が悪い人というのは、つまらないところで使っているんじゃないかと思うんです。≫(谷川)<目次>第1章 勝利の法則 第2章 勝利への第一ステップ 第3章 夢を叶えるとき 第4章 勝運をつかむ エピローグ 特別対談
2016.02.07
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成田から大連へ向かう途中のランチ・・洋食帰路、大連から成田へ向かう途中のランチ・・和食
2015.04.10
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北野天満宮・・北野天満宮から見た「風見鶏の館」・・生田神社・・
2015.03.30
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山手八番館・・ ティファニーの休日・・にて、コーヒーブレイク うろこの家とその隣のうろこ美術館。 建物の外壁の天然石のスレートが、うろこのように見えることから、 「うろこの家」と呼ばれる建物。 ソクラテスの灯・・ うろこの家の隣の喫茶で、 「ミステリードリンク」をいただきました。 ・・はたして中に何が入っていたのか???
2015.03.29
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】ドキュメント電王戦 [ 夢枕獏 ]ドキュメント電王戦:その時、人は何を考えたのか 徳間書店2013年刊 昨年開かれた「将棋電王戦」の様子・・ 棋士が、史上初めてコンピュータ将棋に敗れた瞬間でした。 ニコニコ生中継で、毎週土曜日、手に汗にぎりながら見ていましたが、 どの試合も熱戦で見ごたえありました。 でも、もうこれで人間側が勝つこともなくなるんだろうな、と 寂しく感じた気もします。 夢枕獏さん曰く、≪なんで僕たちは人間を応援してしまうのだろう。・・ むろん自分が人間だから、同胞に勝ってほしいと思うのは当たり前なんだろうけど、 やっぱり「脳」が人間の最後の拠り所だというのも大きいでしょう。 人が競争して車に負けても、もう当然のことと認識して、人は傷つかない。 それは、そう「脳」が判断しているからです。 でも「脳」は、「脳」を別だと思っている。 だから、「脳」の勝負で機械に負けると、まだ僕たちは傷つくんです。≫ 面白い指摘は、次の指摘でした。≪将棋を指す人間とコンピュータを見ていて、むしろ無駄なことを考えないのは人間で、 意味のないことまで考えているのがコンピュータだというのに気がつきました。 放っておくと考えすぎてしまうコンピュータを制限しているのが人間だというのが 面白いです。≫<目次>第1局 阿部光瑠四段×習甦(阿部光瑠 INTERVIEW竹内章×宮内悠介 CONVERSATION阿久津主税 INTERVIEW)第2局 佐藤慎一四段×ponanza(佐藤慎一×柴田ヨクサル CONVERSATION山本一成×宮内悠介 CONVERSATION野月浩貴 INTERVIEW)第3局 船江恒平五段×ツツカナ(船江恒平×貴志祐介 CONVERSATION一丸貴則×宮内悠介 CONVERSATION鈴木大介 INTERVIEW)第4局 塚田泰明九段×Puella α(塚田泰明×大崎善生 CONVERSATION伊藤英紀×宮内悠介 CONVERSATION木村一基 INTERVIEW佐藤大輔 INTERVIEW川上量生 INTERVIEW)第5局 三浦弘行八段×GPS将棋(三浦弘行×海堂尊 CONVERSATION金子知適 QUESTION and ANSWER屋敷伸之 INTERVIEW)
2014.12.03
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朝から自宅待機中のため、 ニコニコ生放送中の「第3回 将棋電王戦」の 「第4局 森下卓九段 vs ツツカナ」を観戦中。 今回は、小田原城で対戦中。 相矢倉で、いよいよ激突・・ 藤井猛 九段(解説)、行方尚史 八段(解説)、山口恵梨子 女流初段(聞き手)
2014.04.05
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羽生善治「直感力」(PHP新書)2012年刊 直感とは何か? 直感とは、論理的思考が瞬時に行われるようなもの。 直感とは、今まで習得してきたこと、学んできたこと、知識、類似したケースなどを 総合したプロセスなのではないか。 長く考えても、それだけ思考は深まっていかない。 ある程度考えると、あとは、複数の選択肢を選ぶために迷っている。 直感は、何かを導き出すときだけに働くのではなく、 直感 自分の選択、決断を信じてその他をみないことにできる、 惑わされないという意志、でもある。 直感を働かせるためには、 目の前の現象に惑わされないこと。 リラックスした状態で集中すること。 余裕がないと、直感は生まれない。 そのために、あえて「考えない」時間を意識的に作る。 直感は、経験によって熟成していく。 そのためも心得・・ 道のりを振り返らない 自己否定をしない 先達にならう キャンセル待ちをする 想像力と創造力 ツキを超越する強さを持つ 情熱をもち続ける ・・以上を通して、自分自身に拠り所を求める。 <目次>第1章 直感は、磨くことができる第2章 無理をしない第3章 囚われない第4章 力を借りる第5章 直感と情報第6章 あきらめること、あきらめないこと第7章 自然体の強さ第8章 変えるもの、変えられないもの
2013.11.21
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ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)保木邦仁&渡辺明2007年刊 ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21) 「第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ」・・終わりました。 朝9時から、夜9時まで。いま記者会見中。 大熱戦でした。 負けた船江さんの強さも、わかって良かったです。 さすが順位戦C級2組を一期全勝で駆け抜けた片鱗もみることもできました。 ツツカナが繰り出す、 7四歩、5五香、6六銀、2二金などの手が続き、思わず唸りました。 コンピュータの将棋の弱点である、定跡を外れた力戦をツツカナ側から求めて きた点も、画期的でした。 6年前の渡辺さんのコメント・・≪でもいつの日か人間が完全に勝てなくなるということはあるんですかね。 私が生きている間に。≫ ボナンザの保木さんに対して、≪あと60年以内でどうですか。私が生きているうちには。≫ でも、10年経つと、コンピュータを含む技術の進歩は想像もつかない ほどに変わることを改めて認識します。<目次>第1章 ボナンザ誕生第2章 コンピュータとの対決対談 保木邦仁×渡辺明第3章 コンピュータ将棋の新たな可能性第4章 プロ棋士はこう考える終章 科学的思考とは?
2013.04.06
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松原仁「コンピュータ将棋の進歩」共立出版1996年刊 「第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ」戦・・ 終盤です。 船江さん、非常に苦しい中盤の時間帯をしのぎ、 ほぼ勝ちが見えたようです。 でも、残り時間は、14分。最後まで、間違えずにいてほしいです。 ツツカナの開発者の一丸さん、微動だにせずポーカーフェイスを続ける姿勢、 すごいと思います。 最後の「7章 おわりにかえて―コンピュータ将棋の今後」で、 1996年当時の予測をされています。「いつコンピュータ将棋がもっとも強い人間の強さに到達するのか」 ズバリ2010年ころ、と予測されていました。 予測方法としては、 過去の趨勢を延長して、それがそのまま成り立つだろうという前提で 未来のことを予測する「外挿(extrapolation)」を用いる。 過去を振り返ると、1986年前後の時点で、アマチュア5級から10級であったものが、 1994年には、アマチュア初段になり、 1995年には、二段になりつつある。 このことから、コンピュータ将棋は、年平均1級(レーティングで100ずつ)ずつ 強くなっているといえそうだという。 アマチュア2段は、レーティングは1700である。 レーティングが1900のアマチュアの4段が、プロの6級に相当します。 すると、 トッププロのプロの9段のレーティングは、3300であり、 アマチュア18段に相当します。 また、この当時の羽生名人のレーティングは3466点(プロ10.66段)でした。 そこで、1995年に、レーティングは1700のコンピュータ将棋が、 羽生名人に追いつくためには、 (3466 - 1700)/100 + 1995 = 2013 2013年、まさに今年という予測になりました。 「外挿」法、シンプルですが、なかなか強力です。<目次>1章 将棋プログラムK3.0の思考アルゴリズム2章 将棋プロ棋士の思考法をモデルとした木探索3章 詰将棋を解くプログラムT24章 最良優先探索によって詰将棋を解くプログラム5章 詰将棋のデータベースと感性評価6章 詰将棋の解答手順を評価するシステム7章 おわりにかえて―コンピュータ将棋の今後
2013.04.06
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人間に勝つコンピュータ将棋の作り方瀧澤武信、著・編集松原仁,古作登,橋本剛,小谷善行,鶴岡慶雅,山下宏,金子知適,保木邦仁,伊藤毅志,竹内章,篠田正人,コンピュータ将棋協会(監修)技術評論社2012年刊 「第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ」・・熱戦継続中。 チェスの分岐数(ルール上指すことのできる数)は、約35で、 一局の手数はの平均は85なので、 場合の数は、35の80乗=10の120乗。 将棋の場合、分岐数は、約80で、 平均手数は約115なので、 80の115乗=10の220乗。 将棋を指すにあたって大切なのは「読み」と「形勢判断」である。 前者が「探索」、後者が「評価関数」というものに対応する。 ある局面から手を読んでいく際は、ゲーム木の評価関数の助けを借りながら探索していく。 以前は、可能な手のうちから重要なものだけを一定数だけを読むようにし、 それ以外は読まないようにするという前向き枝刈りというやり方をとっていた。 または、木の根本では広く読み、末端に行くほど狭く読むようにコントロールする 先細り検索が主流であった。 しかし、これでは読み落としが発生するため、現在では、 すべての可能な手を読む全幅探索が主流となっている。、 最大最小戦略、ネガマックス法、αβ木探索などを組み合わせることで、 最大最小戦略だけだと毎回枝分かれは平均80くらいあるが、 αβ法を組み合わせることで、枝分かれは平均的にその平方根かそれより 少し多いくらい、つまり10くらいまで絞り込むことができる。 さらに大事な手だけに絞ると、3~5くらいになる。 一方、人間は、局面を読む速度は、コンピュータに比べてとても遅いが、 直感・・さまざまな思考・感覚を使って、枝分かれを絞り込んでいる。 つまり、1または2程度、平均すると1.3とか1.5と思われる。 いずれにせよ、コンピュータ将棋は、力ずく探索、力ずくの計算法。 昨年は、1秒間に1800万手だったそうですが、 今年は、1秒間に3000万手を読むといいます。 また、局面の判断、「勝ち負け」の度合いを考えることを、評価関数と呼ぶ。 大量の棋譜から、駒そのものの評価や位置関係の評価など、 関数のパラメータの自動学習をするようになっている。 Bonanzaのパラメータ数は、なんと「5000万程度」になっている。 一方、人間の評価判断は、対比という手法を使っている。 一度考えた局面と似た局面になったとき、その両方の違うところを見て差を調べる。 そして、良い方にいく手順を選ぶ。 コンピュータとの戦い方・・ コンピュータの長所は、圧倒的な終盤力。 詰みのあるなしが読みに入ってくる終盤や、 一直線に深く読む必要のある中盤、 定跡データベースの整理されている序盤も、 ミスの少ないコンピュータを人間が圧倒することは難しい。 そのため、 ・序盤からの超急戦、大乱戦は避ける ・定跡が整備されていない、駒組みで優位に立てる戦形に誘導する 力戦型 ・有利になったら、局面を単純化させる ・寄せにくい中段玉の形を作るだけで勝つ確率はアップする ・不利になっても入玉を狙える時は、あきらめず上部脱出路確保に注力する ・コンピュータは駒得重視なので、大駒や金銀を囮にして、 入玉を狙う≪将棋プログラムの開発は地道な作業の積み重ねである。 ・・新しい手法を何か思いついて、それによって棋力が飛躍的に伸びるという 場面もないことはないのだが、それ以上に、細かいロジックの改良や 地道な速度向上の積み重ねが開発の時間の大部分を占める。≫(鶴岡慶雅「激指」)≪強い将棋プログラムを作るコツは楽しく開発を続けることであり、 そのためには、まず何よりもプログラムを小規模に保つことである。≫(金子知適「GPS将棋」) 合議を行うためには、計算機クラスタで探索を分担するために、 プロトコルによるプログラム同士の会話が必要となる。≪もし通信やメッセージの解釈で失敗すると、いくら将棋が強くてもシステムは 動作しないため、この部分での不良は許されない。≫≪コンピュータ対人間も人間対人間の熱い勝負であり、 コンピュータが勝ったらぜひ「偉大な、人間の勝利」だと思っていただきたい。≫(橋本剛)<目次>負け続けた35年の歴史コンピュータ将棋のアルゴリズム激指の誕生YSSの誕生GPS将棋の誕生数の暴力で人間に挑戦!Bonanzaの誕生文殊の誕生、あから2010の人間への挑戦習甦の誕生プログラムの主戦場Floodgateの切磋琢磨コンピュータ将棋の弱点を探る女流王将戦一番勝負
2013.04.06
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松原仁「コンピュータ将棋の進歩 6 -プロ棋士に並ぶ-」共立出版2012年刊 コンピュータ将棋の歴史は、実に40年。 「コンピュータ将棋の進歩」の第一巻がでたのが、1996年、 本書の16年前になります。 本書のサブタイルとは、ついに「プロ棋士に並ぶ」。 羽生さんが以前たわむれに予言した、将棋ソフトがプロ棋士に勝つのは2015年、 といった時より、2年前倒しでした。「Bonanza4.1.3」・・ ・ビットボードによる盤面の表現と操作 ビットボードはゲーム盤面構造を、ビット列で表現する方法。 この手法の利点は、 ある一定の条件を満たす升目を、計算機が得意とするAND、OR、XOR等 のビットごとの論理演算により簡潔に求めることが可能な点にある。 ・局面評価関数の自動学習法 人間の行う形勢の判断基準は多様かつ繊細であり、時には曖昧であるように 感じられる。 駒が良く連絡していて陣形が手厚いと評価することもあれば、 駒の連絡が重なり過ぎて陣形が重いと評価することもある。 終盤であれば、人間であれば「自分の玉が危険になる状況は避けるように」と考えるところが、 コンピュータは、「危険とは玉の二つ前の升に相手の銀がいることである」等の条件を いちいち具体化することである。 「一件危険だが詰みがない」局面の見極めも難しい。 「一件危険」の判定をいかにするか? 将棋やチェスにおいては、この局面評価のための評価関数の作成が行われていた。 大規模な評価関数全体を自動学習する実用的な手法は、2005年以降報告されはじめる。 2009年以降は、主流の将棋プログラムはすべて評価関数の大規模な自動学習を行うように なった。 すでに数千万項目に及ぶ評価項目があるといいますが、 評価項目の種類が決まったら、それぞれに対する重みを適切に定める必要があります。 Bonanza以降は、機会学習と呼ばれる手法で自動的に決めることが主流となった。ところで、機会学習、自動学習のため、≪・・コンピュータ将棋は独りで勝手に強くなるという誤解も一部にはあるかもしれない。 実際には、人間の工夫が必要なところが依然として大きく、例えればコンピュータ将棋の 開発者は陸上競技のコーチのような役割をはたしている。≫(金子知適) コンピュータ将棋がここまで強くなったのは、クラスタリング等ハードウェアの性能向上のおかげという印象が強いが、実際にはソフトウェア側の進歩の方がはるかに大きい。 それが機会学習、自動学習とよばれる、パラメータの自動チューニングアルゴリズムによるものである。大きく2つのことに使われている。 1つは、深く正確な読みを実現するために、探索の中で深く読むべき指し手を絞るここと、 もう1つは、局面判定のための評価関数のパラメータを自動的にチューニングすることである。 コンピュータ将棋ソフトの改良にあたっての注意点・・「激指」の鶴岡慶雅さん≪・・プログラムに対してある修正を行った場合、その修正によってプログラムが意図どおり 強くなっている、あるいは少なくとも弱くはなってはいないということを正確に評価する必要があるのだが、 これが非常に難しい。≫ 対局数が100程度では足りず、激指においては、普段3000局程度の自己対戦により勝率を評価 している。しかし、そのためには、対局時の探索はかなり浅くなるため、その結果をそのまま信用して よいかという問題がある、といいます。また、自己対戦だけでは、本当の棋力向上を意味しないため、 floodgateにようなコンピュータ将棋の対戦場を利用することも必要になる。 合議アルゴリズム・・ 疎結合の計算環境における新しい並列化技術。 このアルゴリズムの最大の特徴は、複数の独立した計算処理系間の高速な通信を必要としないこと。 候補手の中で最も多くの票を集めた手を選択する・・多数決合議 評価関数の最も良い手を選択する合議・・楽観的合議 プログラムに関係なく、適当な乱数の大きさとプレイヤー数を与えれば、 「多数決合議アルゴリズム」は、自己対戦でも他のプログラム相手にも有効である結果が得られている。 <目次>第1章 「Bonanza4.1.3」ソースコード第2章 「GPS将棋」の評価関数とコンピュータ将棋による棋譜の検討第3章 コンピュータ将棋プログラム「大槻将棋」第4章 「激指」の最近の改良について―コンピュータ将棋と機械学習―第5章 コンピュータ将棋における合議アルゴリズム第6章 難問詰将棋をコンピュータで解く第7章 Xデイはすぐそこまで来ている
2013.04.06
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米長邦雄「われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る」中央公論新社2012年刊 今日は、電王戦、第三戦目。 「船江恒平五段 vs ツツカナ」 今日は天気も大荒れ模様ということだったので、朝9時からニコ動に入室中(^_^;) 先週の土曜日、ついに、現役棋士がコンピュータ将棋に負けました。 本書は、昨年、引退棋士として、はじめてコンピュータ将棋に負けた米長さんの敗戦記。 すでに、プロ棋士の平均棋力より、コンピュータ将棋の平均棋力の方が上になっている ともいわれています。 1秒間に3000万手(昨年のボンクラーズは1800万手)読むコンピュータ将棋と、 1時間に1000万手しか読めない・・といっても物凄い世界ですが・・人間の戦い。 プロ棋士の1時間の思考は、コンピュータの0.1秒分に相当する。 読み手数で勝負しては、F1の車と人間が走って競争するようなものになっている。 2005年6月、「激指(げきさし)」というソフトが、 アマチュア将棋界の最高峰である第十八回アマチュア竜王戦全国大会に特別参加し、 いきなり三連勝し、ベスト16になる。この時点で、アマチュアのトップクラスに 並んだといわれています。 そして、2006年5月、世界コンピュータ選手権の優勝ソフトであったボナンザと、 渡辺明竜王が戦う。熱戦の末、渡辺竜王が勝ちましたが、現役最強棋士をここまで 苦しめたコンピュータ将棋恐るべし、の印象を強めた戦いだった。 ところで、この後、ボナンザを作った保木邦仁さんは、ボナンザの持つ最強の 将棋アルゴリズムをオープンソースにします。 以後のコンピュータ将棋ソフトは、みなボナンザをスタート時点にしてどんどん 強くなっていった。 コンピュータ将棋の特徴・・ 答えが1つしかない局面での速さは圧倒的。 このコンピュータ将棋にどう対峙するか? プロ棋士を引退後、9年たった米長さんが、「どうすれば将棋が強くなるか」 という原点に立ち戻って考えたこと。 それは、詰将棋を解くことでした。 アマチュアの初段か二段ぐらいのレベルであれば、人に教わり、参考書から学び、 何度も実戦を繰り返せばよい。 でも、プロ棋士になる、タイトルをとるためには、こうした方法論の多くは 無駄になるだけでなく、むしろ害になる。 対局場には、アドバイスをしてくれる人もいないし、参考書も持ち込めない。 自分と将棋盤以外、何もないところで戦う。≪実際問題として、将棋盤の前で必要ななのは、目から入ってくる情報、 耳から入る情報ではなく、自分の頭の中の思考だけなのです。 外から入ってくる情報すべてを捨て去って、自分の頭だけで考える能力。 それが、プロ棋士に求められる力なのです。≫ そして、そのためのトレーニングの一つが、詰将棋を解く、ということ。 決して答えは見ない。答えを見ると、「自分の力で解けた」と錯覚してしまう。 自分の頭で解いてはじめて自分の力となる。 この究極のアナログ思考が、プロ棋士が将棋を指すことの本質である。 詰将棋に加えて、体調を整えていくこと。具体的には、体重を適正にするため、 対局日までに5キロ落とし、体調、体力を万全に持っていくことでした。 これが、コンピュータ将棋と対峙するにあたっての米長さんの方針でした。≪職人芸という言葉があります。 どれほど優れた機械であっても、手作りにはかなわない、ということがある。 逆にいえば、手作りの尊さを忘れたときに、人間は機械に敗れます。≫ そのため、米長さんは、詰将棋を一生懸命時、脳に汗をかく、という 地道なトレーニングを続けた、といいます。 コンピュータ将棋との戦いは、人間との戦いとはまったく異なる。 読みが絞られる終盤は、コンピュータ将棋が圧倒的に強くなることを踏まえると、 「序盤で必ず圧倒的優勢を築き、そのまま逃げ切る」という戦略を立てた。 米長さんが現役時代にとっていた「泥沼流」という双方が斬り合いをする スタイルは、コンピュータ将棋には全く通用しない。 コンピュータ将棋の方が、自分よりも強いと言うことをわかった上で、対策を立てた。 それは、 1秒間に1800万手読むというコンピュータ将棋に対して、 人間側がコンピュータ将棋以上に手を読むのではなく、 コンピュータ将棋に手を「読ませない」指し方をすること。 コンピュータ将棋は、駒の位置などによって点数付けをしているが、 大局観などを評価するところが弱い。 コンピュータ将棋の点数は高いが、つまりコンピュータ将棋自身は優位になっている と思っているが、人間から見て、大局観的に勝っている状況を作ること。≪厚みを築き、じっくりと押さえ込んで、相手に何もさせない。≫(羽生善治)≪相手の定跡データベースを無効にし、お互いの力だけで戦う作戦だ。≫(久米宏・ インターネット将棋道場「将棋倶楽部24」席主) <目次>第1章 人間を凌駕しようとするコンピュータ将棋ソフト第2章 後手6二玉への道第3章 決戦に向けて第4章 1月14日、千駄ヶ谷の戦い第5章 記者会見全文第6章 コンピュータ対人間、新しい時代の幕開け第7章 自戦解説第8章 棋士、そして将棋ソフト開発者の感想
2013.04.06
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後藤元気「将棋棋士の名言100 勝負師たちの覚悟・戦略・思考」出版芸術社2012年刊 将棋棋士の言葉から、100紹介されたもの。 もう少し長い文章も読んでみたいですね~ 「調子に良し悪しはない」渡辺明 ・・精神状態や体調管理を含め、良い状態に持っていくのも実力のうち。 「最も大切なのは健康」大山康晴 ・・当たり前の一言。でも、健康に悪いと言われれば、即、酒もたばこも 辞めて、医者の指示をすべて聞く、という当たり前のことがなかなかできない。 「思考はタケノコのようなもので、 大部分は土の中に埋もれている」阪田三吉 ・・一つの局面で80通りの指し手があっても、現れるのは1手のみ。<目次>覚悟戦略棋士の素顔宿敵思考
2013.03.24
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河口俊彦「大山康晴の晩節」新潮社2003年刊 河口さんは、以前から30歳を超えると、人間性がものをいう、 と指摘され、 羽生さんの世代が40歳を超えられるか否かに注目といわれていました。 いまのところ、渡辺さんを除くと、40歳を超えた羽生さん、森内さん、佐藤さんと それに続く世代がしっかりタイトルを守っていて、 若手の伸び悩み的な声を聞くことさえあります。 今日から、電脳戦も始まりましたが、コンピュータとプロ棋士との勝負の行方も 注目ですね。 将棋の棋士にくる30歳の壁・・ 手を早く読むこと、正確であることは、若さの特権であり、25歳をピークにして徐々に衰える。 その中でも、ひらめき、反射神経が、一番早く衰え始める。 実際、棋士が一番勝てるときは、ピークの25歳くらいである。 加藤一二三は18歳でA級8段になり、 中原誠は23歳で名人になり、 谷川浩司が最年少で名人になったのは21歳であり、 羽生善治は24歳のときだった。 ピークは30歳頃までは維持できるが、そこから少しずつ棋力は落ち始める。 そして、40歳を過ぎるとガクンと落ちる。 50歳ともなれば、どんな棋士でも衰えがはっきり見てとれるようになる。≪棋士が人生の転機というか、己れの人生が下り坂にさしかかったと感じるのは、 順位戦のクラスが下がったときである。≫ そんな中、69歳で亡くなるまで、A級に在位し続けた大山の異常な強さは どこにあったのか、を辿る本。 ≪第一人者として棋界に長く君臨するのに、技術の他に何が必要か、と言えば、 人間的な威圧感である。≫タイトル戦では、≪単に負かしただけでなく、ことさら見下すような態度と指し方をして、 後々までコンプレックスを植えつけた。≫ 台頭してくる若手・中堅棋士を最初の段階で徹底的に叩き、 伸びるのを遅らせ、自身の棋士寿命を長引かせた。 大山さんの凄さは、53歳で会長になってから、69歳で倒れるまで、 年間35勝のペースで勝っていること。 中原誠さんさえ、55歳の平成14年の前半は1勝も挙げられなかった。 つまり、10勝できれば御の字なのだ。 本書、中原さんが大山さんから名人位を奪った、第31期名人戦、全7局の ハイライトが載っています。 この7局を通して、天才棋士の衰えの過程が垣間見られるような解説になっています。 相手の必勝形を逆手にとる深い読み、 天才棋士も大ポカを犯してしまう実戦心理と、勝負の場の息遣いの恐ろしさ。≪将棋には、戦型の選択なんかより、重要なものが沢山ある。 たとえば、ひらめきであり、手を多く読む技術であり、 悪手を続けない精神力である。≫<目次>1章 ガンとの闘い2章 生い立ちから名人まで3章 大山将棋の強さ4章 早逝した天才棋士との闘い5章 追われる身に耐えて6章 会長就任と永世名人7章 ガン再発後の粘り終章 まだ引退できないのか
2013.03.23
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「運とカン」を磨く (講談社プラスアルファ文庫)米長邦雄・ 柳瀬尚紀 「運とカン」を磨く (講談社プラスアルファ文庫)1994年刊 大山流将棋理論・・≪自分は体、肌で覚えた将棋だから、 頭で覚えた将棋に負けるわけがない≫ 頭で覚えた将棋は、ウィーク。 肌で覚えた将棋は、ストロング。≪将棋の場合、読むということよりも、 むしろ形勢判断ですね。 それは”カン”ですね。・・ 周囲を見る。この局面はこっちのほうが優勢である。≫≪”カン”に比べれば、”読む”ということは はるかに次元の低い行為なんですよ。≫ 形勢不利な局面にもっとも有効な手・・≪そういうふうなときはむずかしくする。 うんと複雑にする。 戦線を拡大するということですね。≫≪ですから相手にいっぱい読ませるような局面、 うんとむずかしい、こっちもわからない。 わからなくなるような局面、そういうふうに誘導していくというのは 形勢不利なときのいちばんのテクニックですね。≫<目次>第1講 誤読のすすめ第2講 米長式頭の鍛え方第3講 人生は待ったなしの一局第4講 序盤の手、終盤の手第5講 運をつかむ生き方第6講 勝負の本筋、人生の本質
2013.03.06
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米長邦雄「六十歳以後―植福の生き方」海竜社2007年刊 「60歳のニートをなくそう!」 60歳からが「本当の人生」の始まり。 では、それまでの人生は何だったのか? それは、「修行」である。 新しい人生を生きるために必要なこと。 それは、「中古の思考法」は捨て去ること。 捨てるたびに、新しいものが入ってくるようになる。 過去が大事だと思うと、頭も固くなり、体も錆びつく。 60歳を過ぎても心の若さを保ちたいと思ったら、 肉体の衰えなどに惑わされてはいけない。≪運には、「今このとき」、「現在」しかないのだと思う。 これまで使ってきたからこれだけ減ったとか、 まだ使っていないからこれだけ残っているといったものではない。 打ち出の小槌のようなものがあって、そのときの振り方がよければ 運が生み出され、振り方が悪ければ運は生まれてこない。≫ ≪大事なものほど、ひらめきを大切にしなければならない。 大事なものほど、迷ったり、悩んだりしてはいけない。 もし迷っている、悩んでいるという気持ちが少しでもあるとしたら、 やめたほうがいい。≫ 60歳までの勝ちは、他人との比較による勝ちである。 しかし、60歳からの勝ちは、自分が幸せを感じながら生きられるか どうかにかかっている。 さらに、理想的なのは、他人の喜びが自分の喜びになるような勝ち方が 望ましい。 義の道を一生懸命生きることができれば、 運気が上向く、いい風が吹いてくる。<目次>1章 積極的に自分を変える生き方―古いものを脱ぎ捨てる勇気を持つ2章 今を絶対肯定する生き方―自分だけの絶対基準を持つ3章 運と福を呼び寄せる生き方―“人生の女神”に愛される男を目指す4章 心に青春を保つ生き方―七十歳の恋を人生の最終目標にする5章 植福の生き方―六十歳からは義に生きる6章 将棋連盟会長・教育委員としての生き方―勝負師から大転身した私がやっていること7章 信念を行動で示す生き方―ひとりの人間として、いのちのためにできること8章 デジタルとアナログを融合した生き方―人間らしい心の豊かさを持ち続ける
2013.03.06
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安次嶺隆幸「将棋をやってる子供は、なぜ「伸びしろ」が大きいのか?」講談社2010年刊≪将棋には多くの教育的効果があります。 もちろん、「考える習慣」「論理的思考力」「創造力」という頭脳に 関する効果もあります。 しかしそれだけでなく、もっと大事なことは、 将棋が「相手との無言の会話」「相手を待つこと」「我慢」「粘り強さ」 「負けましたという勇気」「自己の内面と向き合うこと」など もっと突っ込んだ心の内面における「気づき」を子供たちにもたらして くれるということです。≫ 羽生さんの「読み」・・「(読む手数は)直線で30~40手。枝葉に分かれて400~400手」 でも、こうしてものすごく沢山の手を読んでも、 相手の応手一つで、すべてが無駄になってしまう。 そうすると、1時間とか2時間考えたことを捨てて、 またゼロから考え直すこととなる。 この考え直すという勇気がいかにすごいことか。 「読みの無駄を恐れずにやる」 そして、それに「答えはないことを知る」 それを不断の努力として続けられるかどうかに「読み」の力はかかっている。 <目次>第1章 日本文化の特徴である「型」から学ぶ(将棋には「3つの礼」がある「負けました」とちゃんと言う ほか)第2章 対局の「心構え」から学ぶ(対局前の控え室で見たもの準備してきたものをいったん捨てられるか ほか)第3章 勝つための「戦略」から学ぶ(考え抜いた一手だから、結果に納得できる自分の好みと正しい道とは違うもの ほか)第4章 「戦術」の知恵から学ぶ(銀が泣いている―駒と自分が一体化将棋は他力―相手に合わせて動けるか? ほか)第5章 一局の体験を通して学ぶ(考え続けることで見えてくること駒が動かない「静の世界」にこそ真実がある ほか)
2013.03.06
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昨夜は、年に一度の将棋界の一番長い日。名人位への挑戦権をかけたA級順位戦でした。全5試合を開始から終了まで完全中継。スカパーなどで解説付きで視聴することができました。ニコ動のプレミアム会員になってしまいましたf^_^;名人位への挑戦は、予想通り、羽生さんで決まり。羽生さんと対戦したハッシーは、歩越し飛車を徹底的に咎められ、手も足もでず、完封負け。B1への降格が早々に決まってしまいました。ハッシーの来期の復活を期待しています。次は、渡辺竜王対郷田棋王。渡辺竜王の3時間19分の大長考による仕掛けで、郷田陣はバラバラ。でも、郷田さんの軽いいなしで、渡辺竜王の攻撃は切らされて負け。敗勢になってからの渡辺竜王は、おとなしい小僧さんみたいでした。そして、谷川九段とおばけ屋敷さん。ここまで、2勝6負の谷川さん。ハッシーか高橋さんのどちらかが勝てば、A級から降格になるという信じられない事態。応援していましたが、角換わりを拒否した後はじり貧。屋敷さんの鉄壁の守りに投了。後は、高橋さんの結果待ち。でも、将棋の神様って、いるんだな、と思いました。三浦さんと高橋さんの戦い。中盤までは、高橋さんが三浦さんの陣を猛烈に圧迫。その攻めの重厚さに痺れます。一方の三浦さんはひたすら自重。試合前、羽生さんが負け、三浦さんが勝てばプレーオフ。でも、この時、羽生さんは早々に勝ちを決め、三浦さんの挑戦権は既にないのでした。でも、そんなことは関係なく、中盤のねじり合いをしのぎます。結果は、三浦さんの勝ち。高橋さんの降格。ハッシー、高橋さん、谷川さんとも、2勝7敗ながら、順位の関係から、谷川さんが奇跡の残留を決めました。来期に期待です。
2013.03.02
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河口俊彦「盤上の人生 盤外の勝負」マイナビ2012年刊 3月1日(金)は、今年度の「将棋界でいちばん長い日」です。 直前に迫ってきたせいか、将棋関連の本を手に取っています。 米長さんが亡くなり、新会長となった谷川さんが降格の瀬戸際、 最終戦に勝ってA級に残留していただきたいと思っています。昭和43年当時・・≪このころの中原は本当に強かった。 序盤が特にうまいわけでもなく、中盤のさばきに特色もなく、 終盤も、特別鋭くはなかった。 しかし総合力は抜群で、盤石の強みが感じられた。≫ ・・七冠王になるまでの羽生も強かったが、 それよりも、中原誠の方が強かった、と。≪このころ観戦記者の東公平さんが、「いちばん強い中原がいちばん勉強している。 追う者は何をやっているんだ」と書いたが、 勉強量の差は、才能の差なのである。 誰かが言っていたが、「天才は努力を知らない」ものなのだ。≫大野源一さん・・ 昭和45年3月、B級1組の順位戦の最終戦を、米長さんと戦う。 このとき、大野さんは負ければ、B1に降格、 一方の米長さんは昇降格に関係のない、消化試合の戦いだった。 当時、こういう時は、相手に華を持たせるのがならいだったようですが、 米長さんは、終始不利な勝負を徹底して長引かせ、最後に逆転してしまいます。≪大野はこのとき勝ったと思った。 そして勝ちを急いだ。大山や中原のように、優勢であるにせよ不利であるにせよ、 長引けば嬉しい、という根性はなかったのだ。≫ 米長さんの将棋哲学・・「順位戦最終戦で、自分は昇降級に関係ない立場にあり、 相手は昇降級が懸った大一番だったとする。 そういう一番こそ勝たねばならない」 ・・これ以後、順位戦の消化試合も、みな真剣に指すようになった。久保利明・・≪技能派は、勝つときは鮮やかだが、負けるときはもろい、 という側面がある。≫≪それが最近いなって、勝負強さが加わった。 怖がらない強さが出てきたのである。≫<目次>第1章 王者たちの系譜中原 誠帝王学で育つ観念した一局無敵時代の敵復活した輝き谷川浩司スター誕生名人になる運死守した一冠宿敵との対決羽生善治不滅の記録へ新時代の王者言い分を通す七冠王への道孤高の最強者第2章 華麗なる千両役者加藤一二三早熟の大天才甦った神童桁外れの才能米長邦雄長くつづく道勝負師の哲学快男児が往く七度目の正直泥沼流で闘う内藤國雄華やかに舞う終生の好敵手華麗に堅実に因縁の相手逃した大記録木村義徳大名人の息子弱者が勝つ法第3章 現代棋士の流儀佐藤康光若き天才たち長考は人なり森内俊之行きつ戻りつ眠れる獅子丸山忠久閃きを封じる久保利明五度目の正直
2013.02.23
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羽生善治「結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)」日本実業出版社2010年刊将棋は、自分の思い通りにならない。だからこそ、魅力がある。≪そこで大事なのが、自分が予想できない中で、何をやっていくのか。 きちんと羅針盤を定めて、どういう方向に進んでいくのか、ということです。≫ 棋士の間には、基本的に技術的な差はないので、 後は、メンタル面の強さ、大局観、バイオリズムといったものが、 総合的な結果に現れる、と考えている。 次の一手をどう指すか? 1.直感 2.読み 3.大局観 この3つを駆使し、これらを組み合わせながら次の手を考える。 1.直感 将棋には莫大な可能性がある。9×9の81のマスの盤面に、 40個の駒を配置することで、現れる局面は、10の220乗くらいの 可能性があるといわれている。 全宇宙の原子の総数が10の80乗程度なので、その可能性は無限に近く、 すべてを読み切ることは不可能。 また、一つの局面で指せる手は、平均して80通りくらい存在すると言われている ため、棋士は、80通りの中から2~3つの可能性だけを考えている。 残り77~78通りの手を瞬間に捨て去るために「直感」を使っている。 ロジカルな積み重ねの中から育ってくるもの、わかってくるもの。 直感は、数多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく、 自分自身が今までに積み上げてきた蓄積の中から経験則によって選択しているもの。 だから、研鑽、経験を積んだ者にしか、直感は働かない。 「経験」以外に、直感、読みを磨く方法は、 自分のとった行動、行った選択を、きちんと冷静に検証することにある。 将棋界には、「感想戦」という習慣があります。 反省会や検討会に当たり、対局が終わった後、その一局を最初から並べ返して、 どこが良かったかどこが悪かったか、何が問題だったかを振り返る。 この感想戦によって、自分の直感が正しかったのかそうでなかったのかが見えてくる。 2.読み 直感の次に、「読み」がきます。 「読み」とは、ロジカルに考えて判断を積み上げ、戦略を見つける作業。 「読み」とは、シミュレーションをすることです。 直感で選んだ2つか、3つの手を読み、それに相手がどういう手を返してくるか、 またそれに対してどういう手を選ぶか、という手順を読んでいく作業を踏む。 この「読み」の力をつけるには、自分で考える経験を積むこととともに、 自分が選ばなかった選択肢を、可能な限り検証することが、非常に大切になる。 3.大局観 大局観とは、具体的な手順を考えるのではなく、文字通り、 大局に立って考えること。 10手先を読む場合、3の10乗(5万9049通り)の可能性があり、 直感と読みだけでは、対応できない。 そのために必要となるのが、大局観となる。 イメージとしては、自分が道に迷った時、 上空から眺めて全体像がどうなっているかを把握し、 右に行けばいいのか、左に行けばいいのか、このままいくと行き止まりか を見極める。 大局観で、左に行けば大丈夫そうだということを掴んだ上で、 どのルートを通って、どれくらいのペースでいけばいいのかを、 地上に降りで、一歩一歩考える必要がある。 この一歩一歩の裏をとるのが、直感と読みとなる。 また、大局観では、「終わりの局面」をイメージする、といいます。 最終的に「こうなるのではないか」「こうなれば勝てるのではないか」という仮定を作り、 そこに「論理を合わせていく」といいます。 ・直感と同じく、ロジカルな積み重ねの中から育ってくるもの、わかってくるもの。 ただし、その因果関係は、直感と違って、証明しづらいもの。 ・たくさんのケースに出会い、多くの状況を経験していく中で、 だんだん培われてくるもの ・自分がやっていなくても、他の人が過去にやったケースをたくさん見ていく ことでも、磨かれていくもの ・その人の本質的な性格、考え方が非常によく反映されるもの このような特徴を持っているので、経験を積めば積むほど、大局観の精度は上がっていく。 この大局観を使うことで、大筋の判断を誤ることが少なくなり、 余計な手を読むことが省かれていく。 記憶力や体力、手を読む力は、若いときの方が上だが、 直感、大局観・・「いかに読まないか」は、経験を積んだ方が優れている。 それに加えて、物事に動じない強さ、大らかさ、大胆さ、メンタルな面も強くなる。 年齢と重ね、経験を積むことで、物事のポイントがわかってくる。 答えのない問題、はっきりしない問題に対して、対処する能力が上がる。「選択肢を狭める勇気」を持つ。 ・・選んだことを後悔しない。「反省はしても後悔はしない」「苦手なものはずっとついて回ってくる」「意図的にアクセルを踏み、適切なリスクを取る」 人間は新しいことを何もしないと楽なので、 何もしないと無意識にブレーキを踏んでいる。 あえて意図的にアクセルを踏むことで、やっと適切なリスクを取る、 バランスを取ることができる。 リスクとは自動車のアクセルのようなもので、運転の上手い人は、アクセルを強く踏んでも事故を起こさない。 だから、どの程度のスピードまでならきちんと自分で対応できるかを自覚し、適切なタイミングでブレーキを踏めるようになること。 大きなリスクを取るとは、スピードの出し過ぎと同じで、視野が狭くなる傾向がある。逆にいうと、視野を広げることで、リスクを下げることができる。 1.リスクは小出しで取る 2.リスクを取ることへの恐怖との付き合い方 ・・ある適度の確率で失敗することを前提、覚悟を持っておく。 3.リスクを取ること自体の快感には注意する ・・「スピード狂」になってはダメ。 4.結果だけではなく、「納得できるか」 5.時代や環境に合わせてリスクを取る<目次>第一章 努力を結果に結びつけるために第二章 ツキと運にとらわれずに、最善を選択する第三章 120%の能力を出し切る、プレッシャーとの付き合い方第四章 結果を出し続けるためには、ミスへの対応が鍵になる第五章 自ら変化を生み出し、流れに乗っていくために
2013.02.23
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羽生善治「才能とは続けられること」(100年インタビュー) PHP研究所2012年刊≪人間には二通りの考えがあると思うのです。 不利な状況を喜べる人間と、喜べない人間。≫≪たとえ不利な局面でも、あまり落胆せず淡々と指していく。 ここが勝負のツボを見いだすポイントで、逆転に必要な直感やひらめきを 導き出す道筋となるのではないかと思っています。≫≪集中力というのは、人に教えてもらったり聞いたりして身に付くもの ではありません。集中できる環境を自らつくりだすことが大事だと 思っています。≫ そのために、ボーっとできる空白の時間をつくるようにしている。 窓の外を眺めたり、散歩をしたり、音楽を聴いたり・・ 頭の中に空きスペースをつくる。パッとひらめくこと、たくさんの手が読めることとともに、「地道に、着実に、一歩一歩進み続けることができるということが、 一番大事なことであり、なによりの才能ではないかと思うのです。」≪目の前の勝利より、あえて冒険的な一手を指す≫ セオリー通り手堅くやった方がいまの勝率は高くなる。≪ただ、今日勝つ確率が一番高いというやり方は、十年後には一番リスク が高くなるといえるでしょう。時代にとり残され、進歩していないことに なってしまうからです。 つまり、常に手堅くやり続けるのは、長い目で見たら一番駄目なやり方 だと、私は思っています。≫≪答えのない場面では、その人の個性が出る≫≪対局中には、答えがない場面、よくわからない場面がよくあります。 先が見えない局面では、その人の個性が色濃く反映されます。≫ 混沌とした場面では、その人の好き嫌いの判断で選ぶことになる。<目次>第1章 強くなるために積みあげていったこと(将棋との出会い一五級からのスタート ほか)第2章 勝利の思考法(どんなときもあせらず冷静に個人差がでる直感力 ほか)第3章 七冠を達成して見えたもの(七冠制覇のとき大先輩からいわれた言葉 ほか)第4章 時代とともに変化する将棋(名人戦について将棋の勝敗は最後までわからない ほか)第5章 将棋のこれから(コンピュータと人間の対戦コンピュータ世代について ほか)
2013.02.23
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羽生善治「40歳からの適応力」(扶桑社新書)2011年刊 40歳からの人生にいかに適応するか? もちろん、やってみないとわからないことですが、 解らないこと、答えがないテーマに対して取り組むことも 40歳になったら始めるべきでは、と思われて書かれたもの。 これまで築き上げてきた経験と知識を、どういかしていくのがよいのか? 10代前半は、結果がすべてを思っていたが、 徐々に内容を重視するように変わってきた。 内容を良くしてもすぐに結果はでない。数字となっても表れない、 でも、長期的に着実に前進をしていく方法としては、 これに尽きる。 内容を重視していけば、結果にとらわれて一喜一憂することが少なくなり、 安定して進んでいける。 ものごとは完成して終わりではない。 そこから磨き続けることが大切。 「リスクなくして成長なし」・・ でも、いきなりの方針転換は危険。 一回に大きなリスクをとるのではなく、 小さなリスクを毎回毎回、取り続ける。 この方法をとるときは、立ち止まってはいけない。 『アルビン・トフラー「生産消費者」の時代』 社会の変化のスピード・・ 先端企業 時速100キロとすると、 家族 時速60キロ 官僚機構 時速25キロ 法律 時速 1キロ<目次>1章 「豊富な経験」をどう役立てるか(経験こそが智恵と強い精神力を生む結果だけにとらわれず、内容を重視する ほか)2章 「不調の時期」をどう乗り越えるか(時間を有効に使うための、さまざまな方法「基本」がなぜ、大切なのか ほか)3章 「独自の発想」をどう活かすか(お酒に頼らず、しっかり眠るために無理に「プラス思考」を続けない ほか)4章 「変化の波」にどう対応するか(仕事の軌跡・記録を残すということたった1つの“歩”が“勝負”を決める理由 ほか)5章 「未知の局面」にどう適応するか(自分の個性を発揮する際の問題点自分なりの美学を持つということ ほか)
2013.02.23
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【送料無料】老いと勝負と信仰と加藤一二三「老いと勝負と信仰と」(ワニブックスPLUS新書)ワニブックス2011年刊 驚異の72歳の現役棋士・・ これまで2300局以上の最多試合記録を更新中の加藤さんですが、≪勝負を捨てたことは一度もない≫といいます。 一局一局、すべて真剣に取り組んできた。そして、≪真剣でなければ、求めても与えられない≫長考で有名な加藤さんですが、意外にも、≪迷ったら初めの考えが正しい≫と思っている。でも、その裏どりをするために、数時間の長考に沈みます。 「神よ、私に変えられないことは、 そのまま受け入れる平静さと、 変えられることは、すぐにそれを行う勇気と、 そしてそれを見分ける智慧を、 どうぞ、お与え下さい。」<目次>はじめに 棋士として騎士として第1部 勝負と信仰(勝負も信仰も“真剣に”勝ち取るものである祈りは人を強くする勝負強くする「直感精読」初めに感じたことが正しい剛毅と柔和を知ればおそれない、ひるまない人は不完全だからおもしろい、だから生まれる勝負のあや ほか)第2部 71歳生涯現役加藤一二三の元気の源(将棋駒落ち好敵手好敵手(2)次世代猫の絵本 ほか)あとがきの前に 新加藤一二三伝説
2012.04.04
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棋士・羽生善治価格:2,940円(税込、送料別)弦巻勝「棋士 羽生善治 「人類史上、最も深く考える人」の神髄」双葉社2009年刊 奨励会の10代から現在までの羽生さんの姿を撮り続けている弦巻さんの写真集・・ 羽生さんのインタビューや対談も楽しい。 ロングインタビューでは、 「これからも強くなるか?」と問われて、 「うん、そうですね。 ひとつはメンタルの部分ていうのが、一番のびるところだとは思っています。 メンタルな部分って、個人差関係なく誰でも、年齢とともに上がると思ってる んですよ、私。 だから、そこを伸ばしていくのが一番いいのかな、と。」 <目次>巻頭対談 羽生善治×渡辺淳一―「したたかな鈍感力」七大棋戦 羽生善治激闘譜密着ドキュメント「タイトル戦の1日」(文・椎名龍一)揮毫扇子コレクション(文・山田史生)ロングインタビュー「ゴールがあるかどうかは、わからない。でも、行ってみなくては」羽生善治半生記『栄光への道程』梅田望夫特別寄稿『現代版・考える人』羽生善治をめぐる25の挿話(文・椎名龍一)最後の将棋随筆 団鬼六『名人今昔』
2010.11.21
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シリコンバレーから将棋を観る梅田望夫「シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代」中央公論新社2009年刊 2008年、リアルタイム観戦記に挑戦された梅田望夫さんのチャレンジの記録。 将棋ファンというと、すぐ棋力を問われ、弱ければ・・「なあ~んだ」と 思われる風潮がありました。が、野球や美術鑑賞において、野球ができなくても、 絵が描けなくても、ファンであることになんの支障もないことを考えると、 これまでの見方のほうが偏っていたのだと思います。 『指さない将棋ファン』『趣味は将棋鑑賞』・・を提唱される梅田さんの 意見に大賛成でした。○羽生さんのオールラウンドプレイヤー思想「人は将棋を指すのであって、矢倉や振り飛車をさすものではない。 理想の棋士とはすべての線型に精通し、局面での最善をひたすら捜すべき存在であって、 得意戦法など持つのは棋士の理想ではない。」○高速道路とその先の大渋滞 羽生さん曰く、「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、 将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。 でも高速道路を走り抜けた先では大渋滞が起きています」「いまは知識の雪だるまを作っているような段階です。 どんどん蓄積して、どんどん分析することで、雪だるまが急激に大きくなっている。 転がり続けてますから。でも、その雪だるまって、どこまで育つかまだ分からないんですよ。 そのデータベースがかなりの量を網羅していったときに、ひょっとすると 相乗的な効果が生まれてくるかもしれませんよね。 誰も予想してなかったイノベーションが起こったり。」 知の高速道路を走り切ったあとの大渋滞を抜けるには、 超一流 = 才能 × 対象への深い愛情ゆえの没頭 × 際立った個性 が必要となる・・と考える。 <目次>はじめに――「指さない将棋ファン」宣言第一章 羽生善治と「変わりゆく現代将棋」変わりゆく現代将棋/予定調和を廃す緊張感/将棋の世界に革命を起こす/盤上の自由/イノベーションを封じる村社会的言説/将棋の未来の創造/オールラウンドプレイヤー思想/知のオープン化と勝つことの両立/高速道路とその先の大渋滞/将棋界は社会現象を先取りした実験場/ビジョナリー・羽生善治/二〇〇八年、ベストを尽くす第二章 佐藤康光の孤高の脳――棋聖戦観戦記第三章 将棋を観る楽しみネットの優位を活かす人体実験/修業ですから!/「将棋を指す」と「将棋を観る」/将棋を語る豊潤な言葉を/一局の将棋のとてつもなく深い世界/ネットと将棋普及の接点/出でよ! 平成の金子金五郎/金子の啓蒙精神/「現代将棋にも金子先生が必要です」第四章 棋士の魅力――深浦康市の社会性「喧嘩したら勝つと思うよ」/サンフランシスコの棋士たち/深浦康市の郷里・佐世保への思い/安易な結論付けを拒む「気」を発する対局者/現代将棋を牽引する同志/二つのテーブル/人生の大きな大きな勝負第五章 パリで生まれた芸術――竜王戦観戦記第六章 機会の窓を活かした渡辺明終局後、パリのカフェで/「立て直せる時間があるかもしれない」/羽生王座への祝辞、十七年という長さ/「勝負の鬼」が選んだ急戦矢倉/若き竜王に大きく開いた「機会の窓」/初代永世竜王への祝辞、将棋グローバル化元年/少しでも進歩しようとすること第七章 対談――羽生善治×梅田望夫リアルタイム観戦記と「観る楽しみ」のゆくえ/揺れ動き続ける局面と、均衡の美/羅針盤のきかない現代将棋の世界/対局者同士が考えていること/雲を掴むように、答えのない問題を考え続ける/人は、人にこそ、魅せられる/けものみちの時代、「野性」で価値を探していく/「相手の悪手に嫌な顔をする」真意は?/盤上で、すべてを共有できるという特性/進化のプロセスを解析する研究者たち/コンピュータとともに未来の将棋を考える/指す者と、観る者の、これからあとがき――「もっとすごいもの」を
2010.11.20
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大矢順正「羽生善治―天才棋士、その魅力と強さの秘密」勁文社1994年刊 いまさらながら・・ 本書は、1995年度(平成7年)び羽生七冠王誕生までの軌跡 を辿ったもの。 2008年度以降も再び・・といわれながら、以降は渡辺竜王の壁が高いですね~ 以前、日垣隆さんの本で読んだ羽生家の将棋の風景も紹介されていました。「家族はほとんど将棋をしらない。たまには羽生を相手に母と妹が二人がかりで 挑戦する。かなうわけがない。途中で不利になると盤をくるっと回して母娘が 羽生側を持って指し続けるが、また不利になる。そこで、盤がクルッと反対向きになる。」 というもの。でも、すぐに飽きられてしまったそうな。○羽生将棋の特徴 悪い将棋を粘って逆転する。 大山十五制名人曰く、「悪い将棋を粘るのは、本当は苦しいのだ。 それを頑張り耐えてこそ初めて勝利をつかめる。 耐えてこそ次の飛躍がある。 苦しい局面を耐えて頑張ることは己に勝つことでもある。 楽になりたければ、すぐに投げればいい。 しかし、投げることは、その一番だけでなく、長い目でみても負けなのです。 これは、将棋だけでなく人生でも同じです。」 谷川九段曰く、「羽生くんの強さは、と言われると数え上げればきりがない。 が、強いていえば研究熱心でいろんな戦法を試す柔軟性があることでしょう。 形勢不利なときの指し方を非常に巧妙に使い分けることは一種の才能だ。」 人にある5つの運・・ 1.天運 持って生まれた運 2.地運 努力によって生まれる運 3.人運 人とのめぐり逢いの運 4.世運 良き時代とのめぐり逢いの運 5.時運 タイミングの運 <目次>第1章 平成のヒーロー羽生名人の誕生第2章 羽生善治の生い立ち第3章 恐怖の羽生にらみ第4章 七冠王に立ちはだかる刺客たち
2010.11.20
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羽生価格:650円(税込、送料別)保坂和志「羽生―「最善手」を見つけ出す思考法」(知恵の森文庫)光文社 羽生以前、羽生後で、最善手の考え方が変わった、と1997年当時、指摘した本。 通常の将棋における<最善手>とは、「ある局面で、それまでの”流れ”や”駒の動き”を正しく延長させていく指し手」 ないし、「一局の将棋が持つ法則を実現させていく指し手」という風に考えられている。この時、最善手は局後にしか判断できないものであり、そのため、対局者は自分の”ねらい”を最優先させて考えることしかできなかった。 しかし、羽生によると、 ”ねらい”=棋士個人の意図より、深いところに一局の法則があり、≪羽生の考えている<最善手>とは、<いままで指した手が最も生きる手>のことだ。≫と考えている。つまり、「<最善手>とは棋士個人の産物でなく、一局の将棋の持つ法則である。」「”最善”の基準は結果からでなく、そこにいたる指し手が決める」 ≪羽生は対局中、読みの大海に漂っているのだと思う。 自分がいて読みがあるのではない。膨大に広がる読みがあって、そこに自分と対局相手がいる。 読みは自然界の法則がそうであるように、決して自分にだけ都合よくはならない。≫ ≪羽生の勝負観は、自分に「苦しいから」という逃げを許さない。 苦しくても自分から勝負に出て自滅することをせずに我慢してついていく。≫≪形勢判断にも棋風にも読みの根拠を求めず、ただそれが最善であるかどうかという ことだけを考えて読みつづける。≫<目次>第1章 棋士と個性―棋風を超えるものは何か第2章 最善手―羽生は“最善手”の概念を逆転させた第3章 対局中の心理読み―対局中羽生は何と闘っているのか第4章 読むこと―読みは盤上の意味の形成である第5章 局面の複雑化―“将棋の結論”への指し方とは第6章 コンピュータ観―21世紀の“人間に残された将棋”とは
2010.11.14
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不運のすすめ米長邦雄「不運のすすめ」(角川oneテーマ21)角川書店2006年刊 さわやか流・・転じて、泥沼流の米長邦雄○混迷の中にある時は原点に戻れ≪つまるところ、スランプは当人一人の問題である。 当人ができるだけ早く、ゼロから出直そうという気分になるのが妙策である。≫ ・・そもそも実力を発揮しても勝てないのは、ただ「弱い」から。 弱いのならば、まず自力をつけよ。○追いつめられた時に狼狽や諦めは禁物≪形勢が悪くなった時に最もまずいのは、うろたえて不用意な動きをすることである。≫≪やはりいちばんいいのは、 じっとしていても、その姿勢が反撃のためのエネルギーを貯えている形である。 それが「不利の勢い」につながっていくのである。≫○好調時・不調時になにをなすべきか?≪まず、好調で精神的に落ちついて余裕のある時には、欠点を直す。≫≪一方、スランプに陥って悩んでいるような時には、長所を伸ばすことである。 というより、自分の欠点を見ない、と言うほうが正確だろうか。≫○悪手でなければどんな手を指してもかまわない≪「人生は悪手の山の中を歩いているようなものだ」≫≪まさに人生は悪手の山だ。 最善手を探すのは大変だが、悪手を指すのはいとも簡単なのである。 人が欲望どおりに行動すれば、たいていは悪手になるといっても過言ではない。≫<目次>第1章 不運は人を強くする第2章 運も不運も実力のうち第3章 貧乏神に好かれないために第4章 「道」を忘れれば運も落ちる第5章 晩年の運の呼び方第6章 明日の勝利をつかむために終章 「名人戦問題」の不運は誰か
2010.11.02
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勝ち続ける力羽生善治&柳瀬尚紀「勝ち続ける力」新潮社2009年刊 印象に残る羽生さんの言葉・・≪記憶のために時間を費やすのならば、違うことに時間を費やした方がいいと思います。 年齢が上がることによって、覚えることより、創造的なことや総合的なこと、 つまり、漠然としたものを何となく把握するとか、曖昧なことを理解してツボを 押さえるとか、そういう能力が長けてくるんですよ。≫≪考えることは、すごい熱を消費するものです。≫≪すごく考えていると、熱くなるという感じがありますね。 だから、熱を消費しているんですよ。≫ 一日で、びっくりするぐらい体重も減る。≪将棋は、盤面にたくさんく選択肢がありますが、そのうち、ほとんどの選択肢は マイナスの手なんです。つまり、その手は指さない方がよかった、という選択肢 だらけということです。≫≪なぜマイナス選択しかなくなるかというと、将棋の場合は、プラスになることを 積み重ねていくと、最後にそうなるんです。最初の、駒をあまり動かしていない状況ならば、 プラスの手段はたくさんあります。でも、プラスの手を積み重ねてゆくうちに、 いつかある飽和点に来るでしょう。≫≪データを集めて、分析して対策を立てたりするのは、力のない秀才がやることであり、 つまり、弱者の戦略と考えられていた時代が長かったんです。≫<目次>第1局 勝つために忘れる(プロ棋士は「天才集団」 羽生善治という存在 だんだん人間が追いつけなくなる ほか)第2局 将棋の手はマイナスばかり(敗者に逃げ場はない 対局室という特別な空間 OEDを作る情熱と同じ ほか)第3局 紙一重を見切る方法(柳瀬尚紀とは誰か ジョイス語と将棋 将棋・人間・人工知能 ほか)
2010.10.31
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先を読む頭脳先を読む頭脳 羽生善治&松原仁&伊藤毅志(新潮文庫) 将棋は、科学的にいうと、 「二人完全情報確定ゼロ和ゲーム」 と定義される。 二人 で行うゲームであり、 完全情報 全ての手は明かされている 確定 サイコロにような不確定要素を含まない ゼロ和 勝敗が明確 すべての変化手順を探索し尽くしてしまえば、必勝法が存在することが 証明されている。 でも、ゲームの探索空間は・・ 三目並べ 10の3乗未満 オセロ 10の60乗 チェス 10の120乗 将棋 10の220乗 囲碁 10の360乗 ディープ・ブルーは1秒間に2億手読み、3分間で14手先まで読めた。 それでも、一局指すのに、数十年かかる。 プロになるために必要なこと・・ 先天的なセンスや能力以上に、 何時間も考え続けることができる能力、 その努力を何年もの間、続けていくことができる力 不利なときの思考・・ 形勢が不利になったときは、もう他力に頼らざるを得ない。 一直線の切り合いになって終わってしまう手順は選ばないようにしている。 何かまぎれる可能性のある手を探す。<目次>1 「先を読む頭脳」を育む(将棋との出会い 自分なりの学習法 ほか)2 効果のあがる勉強法(勉強法の変化 序盤研究の重要性 ほか)3 先を読むための思考法(できるだけ可能性を残す 動かさない方がいい駒 ほか)4 勝利を導く発想(相手の観察 相手によって指し手は変えない? ほか)5 ゲームとしての将棋とコンピュータ(先後の価値 将棋と男女差 ほか)
2010.10.30
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棋士の魂棋士の魂~将棋インタビュー傑作選 (宝島社文庫)別冊宝島編集部 編 別冊宝島『将棋王手飛車読本』『将棋これも一局読本』からの インタビュー記事を抜粋したもの。 羽生善治・・ 「遊び心」は大切。でも、「遊び心」の中に、「遊び」が入ってはいけない。 「遊び」は「甘さ」のこと。「甘さ」の入らない「遊び心」がいい。 中原誠・・ 将棋はなだらかに強くなっていくものではない。 階段みたいに一段昇って、停滞して、また強くなっていく。 「大山先生は予知能力がすごいんですよ。 相手が攻めてくるなってところを先回り先回りで受けますから、 攻めて行ったときにはもう対策がしてある。」 屋敷伸之・・ 「練習が仕事で、本番は集金という言葉がありますが、 それはある意味ではプロの真理だと思いますね」 <目次>将棋の神に最も近い男 羽生善治四冠王おおいに語るプロフェッショナル・インタビュー(谷川浩司竜王、名人(当時) 中原誠永世十段 佐藤康光名人(当時) 藤井猛竜王(当時) 屋敷伸之棋聖(当時) 三浦弘行六段(当時) 長沢千和子女流三段(当時))スペシャル・トーク(矢内理絵子女流三段(当時)VS碓井涼子女流二段(当時))新しい時代の幕開け(渡辺明竜王もおおいに語る(平成十七年七月))
2010.10.30
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将棋脳価格:1,365円(税込、送料別)中原誠「将棋脳―これであなたの脳はよみがえる」サンマーク出版2006年刊 自然流の中原誠・・ 将棋脳・・というものがあるわけではないが、 将棋を通して、脳の司令塔である前頭前野を鍛えることができる。 前頭前野を素晴らしく反応させるための集中力を高めることができるようになる。 将棋が培う能力・・ 忍耐力・・不利になっても切れない。どこまでも勝負をあきらめずに粘る。 判断力・・いかに先を読めるかよりも、大局観に基づいた形勢判断の方が大切 無駄な手は深く考えず、有効な一手を決める。 どの手を捨てるか。これこそが勝負勘である。 将棋に勝ちパターンなし。 守りに入ったとき、勝機は逃げていく。 守りたいという気持ちを意識して払拭し、果敢に攻める。 これが勝負の鉄則である。<目次>第1章 「将棋脳」とは何か(将棋は脳を先を読むために使う「将棋」とは自分を振り返り、冷静に失敗を認めること ほか)第2章 勝負勘で培われる将棋脳(「勝負勘」を鍛えるのには切り捨てる判断が大切「ひらめき」とは、総合的な能力 ほか)第3章 将棋の駒は、マネジメントに役立つ(将棋のおもしろさ(1)「成る」という可能性のすばらしさ将棋のおもしろさ(2)「持ち駒を打つ」という復活の行為 ほか)第4章 将棋脳をいかに鍛えるか(「将棋脳」はだれでも鍛えることができる棋譜を使えば、名人戦を擬似体験できる ほか)第5章 将棋脳の達人たち(勝負師、大山十五世名人の“盤外作戦”劣勢から勝機へ―大山先生との対戦 ほか)
2010.10.30
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勝負師価格:1,260円(税込、送料別)内藤國雄&米長邦雄「勝負師」(朝日選書) 朝日新聞社2004年刊 運を呼び込むための必要条件・・ 「謙虚さ」と「笑い」 田中角栄曰く、 「人生は、妬む側に立ったときに終わる」 詰将棋の名作・・ 「ベン・ハー」 盤上、玉が斜めに動くのがゴルゴダの丘に向かうキリスト、 槍(香)を斜めに打って、竜(竜王)で追いかけるというのが戦車競走 「実戦初型」・・「敵陣初型」「自陣初型」 眺めているだけでも、楽しいですね~ 大山名人の強さ・・ 「相手が最も嫌がる手を見つける能力にあった。 次の一手を選ぶときに、最善かどうかではなく、相手が嫌がるかどうかで 決める。」 大山名人曰く、 「我慢しっぱなしで終わるということも悔しいね」 ・・最晩年、受け将棋から、攻め将棋に変わった。 <目次>1 ふたりのクニオ2 師匠として、弟子として3 愛すべき棋士たち4 棋界あれこれ5 同じ空気を持つ者たち6 勝負師の引退
2010.10.30
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ボナンザvs勝負脳ボナンザVS勝負脳―最強将棋ソフトは人間を超えるか (角川oneテーマ21)保木邦仁&渡辺明2007年刊 最強の将棋ソフト「ボナンザ」の開発者、保木邦仁さんと、 渡辺明竜王の共著 これまでの将棋ソフトの開発者が採用していたアルゴリズムに縛られず、 チェス仕込みの「全幅検索」による探索手法に、ミニマックス法による 探索アルゴリズムを採用し、過去6万局の棋譜をインプットした。 その結果が、当時最強となる将棋ソフトとなった。 ・・将棋を知らなかったからできた選択だった。 ゲームの複雑さは、「何通りの指し手があるか」で求められる。 オセロは、10の60乗 チェスは、10の120乗 将棋は、10の220乗~226乗 囲碁は、10の360乗 といわれている。 一方、コンピュータは、1秒間に400万局面読めるため、 1分間で、2億4000万局面読むことができる。 疲れを知らないコンピュータと、 読み筋を外されると・・もう一度最初から読み直さないといけないことで 気落ちし、疲れてしまう生身の人間 すでにアマチュアレベルでは太刀打ちできないレベルまで来ていますが、 プロが負ける日は、まだまだ見えていない・・・そうです。<目次>第1章 ボナンザ誕生第2章 コンピュータとの対決対談 保木邦仁×渡辺明第3章 コンピュータ将棋の新たな可能性第4章 プロ棋士はこう考える終章 科学的思考とは?
2009.04.24
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頭脳勝負渡辺明「頭脳勝負 - 将棋の世界」 かつて、羽生を震えさせた男、として一躍有名になった渡辺明竜王の本。 現在、渡辺明竜王 vs 挑戦者 佐藤康光二冠の第20期七番勝負の真っ只中・・ なので、旬ですね! 11月14日、渡辺竜王の勝利で、通算成績2勝1敗。 次回第4戦は、11月21・22日、佐賀県の和多屋別荘にて。 前半は、将棋界の制度・・奨励会からプロ棋士となるプロセス、 昇段のルール、プロ公式棋戦と7大タイトル等の説明・・・ このあたりは、従来からの将棋界を描いた本でも書かれていたことだと思います。 ところが、第三章「将棋というゲーム」から俄然面白くなります。 スポーツを見るように、将棋を見るようになるためのポイント・・・ということで、 序盤、中盤、そして終盤の勘所、 駒の損得が大切な序盤、駒の効率的な活用有無の中盤、攻めのスピードが命の終盤 を、実戦譜を基にコメント。 「一手違いで全く新しい世界が」広がる様子、 「8五飛戦法」が従来の8四飛と違って攻撃的な点や 「藤井システム」の攻撃性を2五桂への跳ね一手で表わしたり、ととっても明快! 第19期竜王戦、佐藤康光さんとの第3局の「角のただ捨て」の一手など 目からウロコです。 ・・・将棋のマニュアルを読めば、これまで書かれていたことかもしれませんが、 将棋を知らない人向けへの新書としては珍しいかも、と思いました。 渡辺竜王は1980年生ですが、橋本七段、阿久津六段を加えた3人を、 奨励会同期入会した年に三冠馬となった馬の名をとり「ナリタブライアン世代」ということ 初めて知りました。 羽生・佐藤・森内さんらの後の世代として、今後の活躍に期待です。
2007.11.18
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羽生善治さんの「決断力」が面白かったので、 それ以前に出ていた谷川浩司さんの「集中力」を手に取りました。 内容は・・ 驚くほど、羽生さんの本に似ていました。 まず、お互いを認めあっていること・・ 羽生さんの本の中にも書かれていましたが、 谷川さんも、将棋は「棋は対話なり」というように、 対局は、たとえ一言の言葉も交わさなくても、棋士同士の対話であり、 この対局・対話を数多くできた相手こそ、真のライバルである。 しかし、そのためには、お互いがタイトル戦に出続けるだけの力を維持しなければ ならない。「トップだけが真のライバルを持てる」のだ。 一番大切なのは、「集中力」。 そのためには、自分のペースを守ること。 「勝負では、「いやだ」と思ったら確実に負けてしまう。 勝負を早く終らせて盤の前から離れたい気持ちになってしまうからだ。」 「本当の強さとは「できる」と信じること」 「何事に対しても「できる」という方向で考えないと物事は進まないのである。 「できる」という方向から攻めると、思わぬアイデアが生まれるものだ。 また、これは「自分がやるのだ」というやる気を持てば、 ぎりぎりの線までがんばれ、そこから不可能に思える目標も可能に見えてくる。」 「決断には事前の助走がないと、その局面になった時に、 はたと困ってしまうのである。」 ・・・「決断力」を発揮するための条件ですね! 谷川さん、30才以降の人間力の大切について、何度も繰り返し説きます。 30才までは、専門スキルを磨くだけで、勢いで上にかけのぼることができるが、 30才以降は、人間としての幅を広げ、周りの人に自分を認めさせないと勝てなくなる、と。 そのためには、 「情報」の記憶ではなく、「感情」の記憶を増やすこと。 将棋において必要な能力・・ 「集中力」「思考力」「記憶力」「気力」の説明の中で、 人間力、感情面の大切さを随所に感じる点、 谷川さんの柔らかさが伝わってきたのでした。
2007.08.05
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羽生善治「決断力」 1996年に将棋の七冠王を達成した羽生善治さんの本。 10代の頃から、他の棋士が思いもつかない妙手・・「羽生マジック」を連発できた理由、 その多くが、「決断力」「集中力」にあったこと。 「羽生にらみ」として、他の棋士に恐れられ・嫌がられた目線は、 局面への「集中力」の結果であったことがわかります。 仮説志向・・仮説を建て、実践で試し、検証・反省する このプロセスが他の人に比べて、「具体性が明確」であったいうことを以前から聞いて いましたが、本書、どの項目についても、とても明確な記述でしびれました。 ○逆境ナイン「将棋は自分との孤独な戦いである。 追い込まれた状況からいかに抜け出すか。 追い込まれるということはどういうことか、 でも、人間は本当に追い詰められた経験をしなければダメだということもわかった。 逆にいうと、追い詰められた場所にこそ、大きな飛躍があるのだ。」○ピンチを喜ぶ「私は、人間には二通りあると思っている。 不利な状況を喜べる人間と、喜べない人間だ。・・ ピンチに陥って奮い立ち、知恵を出せる人と怯んでしまう人がいる。」○勝機は、戦い以前にある「駒がぶつかったあとからは争点がはっきりするのである意味、考えやすい。 そこから逆転の機会をつかむのは難しい。 勝負どころはもっと前にあるのだ。 駒がぶつかっていれば誰でも考えやすい。争点だけ考えればいい。 しかし、戦いが始まる前に香車を上げるとか端の歩を突くというのは難しいし、 考えづらい。それが争点で生きてくる。相手に差をつける勝負どころなのだ。」○「勢い」と「経験」「勢いはいつまでも続かない。どこかで止まる。 一方、経験は、積めば積むほどいいものだと思っている。・・ 私は、最近、経験を生かすにはどうしたらいいかを、よく考えている。・・ ・・経験には、「いい結果」と「悪い結果」がある。」 経験を積むことで選択肢も増えるが、過去の失敗に引きづられることはマイナスになる。 この「マイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長」 させる必要がある。○決断力「将棋を指すうえで、一番の決め手になるのは何か? と問われれば、私は、「決断力」と答えるであろう。」「物事を進めようとするときに、 「まだその時期じゃない」「環境が整っていない」とリスクばかり強調する人がいるが、 環境が整っていないことは、逆説的にいえば、非常にいい環境だといえる。・・ リスクの大きさはその価値を表わしているのだと思えば、それだけやりがいが大きい。」 ○集中力「深い集中力が得られるかどうかは・・・面白いと感じられるかどうかによる。」「子供の集中力を高めるにはどうすればいいですか? とよく聞かれるが、私は、集中力だけをとり出して養うのは難しいと思う。 「集中しろ!」といって出てくるものではない。」「何かに興味を持ち、それを好きになって打ち込むことは、集中力だけでなく、 思考力や創造力を養うことにつながると思っている。」「集中力は、人に教えてもらったり、聞いて身につくものではない。 勝負どころでの集中力を発揮するには、集中できる環境をつくり出すことこそが 大切だと思っている。」
2007.08.05
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