2008/06/14
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その10・その11からお読みください。
ピーンポーン
次男 「はい～」
原父 「ワシや。」
次男 「あ、はーい、兄ちゃーん！ じいちゃん来たでー！」
原父 「ちょっとあがるぞ。」
長男 「どないしたん？ 急に。」
原父 「父ちゃんと母ちゃんおらんのか？」
長男 「うん、ナニ言うたかな？ レコ？ レコーディングかなんか言うてたかな、
それ行ってる。」
次男 「明日も言うてたで。」
原父 「メシは？」
長男 「昨日のカレー残ってるからそれ食えて。」
原父 「お前らの父ちゃんやから、あんまり言いとうないけど
ホンマに働かんのぅ。」
次男 「こないだな、ヒロシ君の家遊びに行っててな、ヒロシ君に
桑田君のお父さん何の仕事してるん？
て聞かれてんけどな、ヒロシ君のお母さんがそんなん聞いたらアカンて
怒ってん。」
原父 「気ぃ使うてくれたはんねやな、情けないのぅ。
もうアカンな。
ほなな。」
･････＜三日後＞･････
ピーンポーン
原 「はい～」
原父 「ワシや。」
原父 「佳祐くんいてるか？」
原 「うん･･･いてるけど？」
原父 「ちょっとあがるぞ。」
桑田 「あ、お父さんどうも。」
原父 「佳祐くん、明日からナンにも言わんと、この名刺のトコ行き。」
桑田 「木村･･･鉄工所･･･ですか？」
原父 「ワシの古い知り合いでなぁ、事情話したら是非にて言うてくれとる。
前にも言うたと思うけど、音楽ではメシは食えん。
キミが何万人に一人の才能の持ち主やったら別や。
せやけど、なかなかそんな人はおれへん。
ワシもたいがい目ぇつぶってきたけどな。
ホンマはキミが心入れ替えて自分のしたい仕事見つけてくるんが
エエんやろけど
急を要する思てな。
まぁいっぺん頑張ってみぃな。」
桑田 「はぁ･･･。」
･････＜翌日＞･････
桑田 「すんませーん、桑田いいますけどー。」
木村 「おお、原さんトコの婿さんやな！
聞いてる聞いてる。
よう来てくれたな、まぁこっちお入り！」
桑田 「お邪魔します。」
木村 「おお、そこ座り。
まぁなぁ夢に生きるんもええんやろけどな、このご時世よってにな。
自分の歳やったら、そうそう使うてくれるトコもあらへんやろ。
ウチもな、先月までタイ人の出稼ぎ労働者の子が来とったんやけどな、
ちょっと怒ったらすぐ ヤメサシテクダサイ や。
いやいやビビらんでええんやで、ワシも滅多なコトでは怒らんからな。」
木村嫁 「アンタ、ご機嫌なんはエエけどしゃべり過ぎや、
ビックリしてはるやないの、ね～？」
桑田 「は、はぁ･･･。」
木村 「アホぬかせ、誰がご機嫌じゃ、がははははは！
仕事はじきに教えたる。
キミさえ頑張ってくれるんやったらな、ウチには子供がおらんよって
女房と二人で築いてきたこの工場、将来は継いでもろてもエエかなて
思てるんやで。」
木村嫁 「イヤやわアンタ、気ぃ早い気ぃ早い。
なぁ？桑田さん。
まずは配達とか簡単な仕事からやから
気負わんでエエんよ。」
木村 「がははは！ せやな。
おい、サボイ君の着とった作業服あったやろ？
アレ持ってきたってくれ。
さぁ！ そうと決まったら早速仕事仕事！」
コレが
サザンオールスターズ無期限活動休止の最たる理由
であることは
あまり知られていない。
そして最後になりましたが
なんで大阪弁やねん！
今日はこのへんで。
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