ショート5 8



金曜日の朝。私は朝一に誠悟くんにあった。あったとたん、

「昨日はゴメン」と逆に誠悟くんから謝ってきた。

「ううん。」そういって、私は夏輝さんがフられたことを話した。

「・・そっか。慎悟と仲良くな。」そういった。だから、

一言言った。彼に。





「誠悟くんが好き。」

「へぇ~・・って、えっ!?」誠悟はすっごく動揺してる。

「あのね、二人で行ったスーパーのとき覚えてる?そのとき『俺が慎悟に甘えさせたい。』っていったよね?」

「あ、あぁ・・」 

「あのとき慎悟くん、すごく頑張ってた。そして、無理してた。

 だから、私は・・あなたを守ってあげたいっておもった。」

理由はそれもあったけど、学校で行った「俺のこと、嫌わないで。」って言葉。

彼は、どれだけ必死だったんだろう・・っておもうと、すごくすごく、愛らしかった。

「そっか・・でも、そのことを慎悟には?」

「もう言ってある。だから・・」そっと、抱きついた。

けど

「ごめん。」そういって、私をゆっくり引き離す。

「・・・え?」

「やっぱり、付き合えないから。だって、慎悟を傷つけたくない」

それをきいてやっぱり誠悟くんは弟思いなんだな、って思った。だから、それでいいと思った。

「うん、わかった。無理言ってごめんね!」

私は彼の元を去っていく。

「じゃ、また後で」後ろから声が聞こえる。

「うん・・ バイバイ! 」それは、フられた後の挨拶。そして、・・別れの挨拶。

小鳥のさえずりが聞こえてきた朝、私は誠悟くんと、皆に別れを告げた。










寮に戻って、荷物をまとめて、管理人さんに別れを告げた。

今日は一週間の寮生活の最終日だったから。

「一週間ありがとうございました。」

「いえいえ。あかねさんがいてここもたのしくなったよ」そういう管理人さんの目は、優しかった。

「・・・・あ!!朝食作ってない・・・」

「何か約束してたの?でも、しょうがないわよ・・・」

一泊おいて、

「また、いつかいらっしゃいね」

「はい!」戻る場所は、きっとここ。私はそう確信した。


学校側には、先生に伝えてもらって、私は隣町に引っ越した。

学校では友達もたくさん出来て、充実した毎日を送っている。

だけど、今ひとつ楽しさが足りなかった。それはあの一週間の出来事。

それは、忘れられない思い出になった。だから、また必ず訪れたいと思った。

だから・・・・・私は戻ってきたんだ、あの土地に。


戻る 小説ページへ 次へ


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: