せんだって日記

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2010.01.21
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 せんだって、「もみじ市」というイベントに行った時のことだ。
 「もみじ市」というのは、スローフードの屋台が出てたりクラフト系の即売をやってたり、高野寛のアコースティックライブをやったりという、まあ、ロハスでスローな森ガールのイベントだ。近所の河原でやってたのでチャリンコで行った。

 以前行ったときはとてもよかったのだ。だからまた行こうと思ったのだ。だがしかし。

 会場では、思い思いの服装でキメた森ガールたちが、揃いのマルシェかごを手に手に会場いっぱいに溢れかえり、スローフードの屋台に殺伐とした大行列を展開していた。まったりほっこりするためではなくて、ものを買うために。まさにそれは、配給を待つソヴィエトの人々のようであった。あるいは野原のコミケ。

 バッタが集まりすぎると、色が黒くなる、羽が長くなるなどの個体変化を起こし、あらゆるものを食い尽くして移動する大群となる「飛蝗」と呼ばれる現象を起こす。生物が高密度で集まると、個体が凶悪なディテールをもって変異する。相変異という現象だ。
 森ガールも相変異する。

 森ガールの大群が飛び去ったあとにはなにも残ってなかった。金で買い尽くされていたのだ。
 ネットイナゴをバカにできまい。

 まったり好きな森ガールズが集まるスローなイベントのはずなのに、メディアに流行(英語でfashion)だと煽られると、ぜんぜんスローでもまったりでも無くなってしまう。集まった人間に対して食い物が足りないのだから、会場が山の中だったりした場合はトラブルや暴動の危険を孕むことにもなる。だいたい便所の用意さえ不十分だったのだ。


 お客さんは呼びたいが、あまりに人が増えてしまって、「野原でやる、出会いを大切にした手作り市」がイライラ殺伐とした雰囲気になるなんてナンセンスじゃろうて。


 スローでまったりでロハスなはずの案件に人が殺到(英語でRush)することで、趣旨や理念とは正反対のイライラしたイベントになる。


 これを「もみじ市現象」と名づける。


 有吉の名言で「ブレイクするというのは、バカに見つかるということなんです」というのがあるが、まさにその通りだろう。もみじ市に来る客は、手作り品を金で買いに来るのであって、作って売る側ではないのだ。


 なぜ今にいたって「もみじ市現象」という言葉が必要になったのかといいますと。

 ハンモックカフェに行こうと思ったのですよ。ある街のトルコ風呂のすじ向かいにあるんだけど。

 そしたら、店の前には森ガールの大行列で、おいおいいったい何時間待ちなんだよという有様。まさに「もみじ市現象」が起こっていたわけで。

 この寒空に、並ぶのか、と。また店も店で、並ばせるのか、と。

 好意的に解釈すれば。
 きっとあの森ガールたちは、遠くからハンモックのためだけに来たのであろう。たとえ何時間並んだとしても、ハンモックカフェでお茶せずには家に帰れないのだろう。

 あったかい店の中ではオシャレなお客たちが外で並んでいる人たちを一顧だにせず、オーガニックな食事をゆったりと楽しみ、ハンモックに揺られながら長い時間談笑していた。マッチ売りの少女を思い出すこともなく。



 東南アジア式ハンモックカフェを東京でやったら儲かりそうということですね。あの店の隣でハンモックカフェを始めたら、けっこうな客入りが望まれるだろう。



※ ここで書かれている「森ガール」は、「スイーツ(笑)」と同様に、単なる記号です。





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最終更新日  2010.02.02 02:10:50
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