日韓夫婦の心の旅もよう

日韓夫婦の心の旅もよう

(1)大家のおばちゃん


 これが終わったらケアンズで出会った韓国人シリーズにしようかな。

 さて、大家のおばちゃんです。
 私はアジュマではなくオンニと呼んでいます。

 時々支払い関係でお越しになる。
 バン!バン!バンッ!!とドアを力強く叩く音を聞いただけで、「あ、大家さんだな」とわかる。

 夫からは
「妻は韓国語がほとんどわからないので何かあったら私の携帯に電話をしてください」と説明してもらっていたのだが、一度、水道代の分担について夫とうまく意見がかみ合わず、私に言い分をぶちまけにお越しになった。

「私は日本人だから韓国語がわかりませんとか、そんな話は聞きたくないのよ!! ・・・話続くが不明・・・私は悪い人間じゃないよ!!!」
 多分、最後の言葉が一番言いたかったことなんだろうと、ハイハイ、ワカリマシタと答えておいた。

 このとき大家さんは手に白いかすてらみたいな韓国のお菓子を持っていて、自分も食べながら「一緒に食べようと思って」と、私にも分けてくれた。結構いい人である。

 これ以降、「すみませんが、韓国語わかりません」と言いづらくなり、大家さんのペースに乗ることになってしまった。
 とはいえ話を聞くふりで、実は早く終わってくれないかなと待っているだけ。適当に相槌をうちながら。

 話し終えたようで内心ほっとしていると、大家さん、(どれどれどんな感じで部屋を使っているの)と部屋のなかまで入ってくる。
 トイレ兼風呂場ものぞいて、どうやら私たちの使いぶりをお気に召したようで、表情が緩む。こちらはホッとする。

 ついでに昼寝中の子どもをみて、「まあ、かわいい」、「アイゴー セーサンエ」を連発。セーサンエは日本語に訳すのが難しいなあ。よく聞く言葉なんだけど。
 感覚的に、まあかわいいという感情が大家さんの心のなかで高まっているというのはわかる。今度はこちらの表情が緩む。
 結構いい人だなあ ← 親バカです。

 かぼちゃを茹でていた鍋のふたも取って中をのぞく。
「かぼちゃです」
「あーそう。おいしいのをつくっているの」
 もう、何からなにまで、鍋のなかまで見ていくのでおかしい。

 うちは人様にいばって見せられるほどきれいでもないのだが、一応毎日掃除はしているので、そんなにきたなくもない。この程度のきれいさでOKのようだ。

 以前、日記に書いたことだが、もう一回書いてみよう。
 パソコン部屋にいたときのこと、昼寝している子どもがいる部屋の窓がいきなり開く音がする。
 びっくりして部屋に行くと、大家さんが窓を開けて何かの請求書をくれる。何やら説明して行ってしまった。

 帰宅した夫に話すと、
「何て非常識なんだ」
「普通の韓国人はそんなことしない」と怒っている。

 実は、昔の日記には、「驚いたが韓国生活も大分慣れた」なんて書いてしまったが、普通の韓国人はこんなことしません(by夫)。この場でお詫びと訂正をさせていただきます(笑)。
 うーん。でも日本の方がプライバシーを守る感じはするのだが・・・

 しかし私は大家さんは悪い人ではないばかりか、いい人なんじゃないかと思っている。
 手に蒸し菓子でももって(菓子折りである必要はありません)遊びに行けば歓待してくれそうな。
 韓国語が話せなくてゴメンナサイ。


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