日韓夫婦の心の旅もよう

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(4)そのほかの商店街の人たち


 ほとんど利用しないので身近な人とは言いがたいのだが、近所に住んでいる縁ということで(?)紹介しがてら、「値切る」ことについても書いてみよう。

 実家から引っ越ししてしばらくは、卓袱台がなかったので、ダンボールの箱を卓袱台代わりにしてご飯を食べていた。
 しかしダンボール箱では、どうもわびしい。
 卓袱台ぐらい買おうよということになって、商店街のなかの日用品を置いている店に出かけた。

 ここの店員(店長?)さん。目つきがどうも鋭く、あまり人好きという印象ではない。
 卓袱台でいいものがなかったので、「あれを見せて。これを見せて」と箱から出してもらったが、何となくどれも気に入らない。
「すみません。やっぱりいいです」
 と夫と恐縮しながら店を出ると、

「チッ!!」

 と思いきり舌打ちされてしまった。

 後にこの店でゴミ箱を買うのだが、ひとつ約1200円で、日本並の価格である。韓国だと割高感がある。

 私ひとりで行ったので、吹っかけられたかしら?? うーむ。
 次は行きません!

 結局、卓袱台はもうちょっと遠いところにある、もっと規模の大きい商店街で気に入ったのがあったので、それを買った。

 夫は「お母さんがここでもっと安く買ったようなんですけど」と値切って3割ほど安くしてもらっていた。


 商店街の入り口には文房具屋さんがある。
 夏で暑い暑いとあえいでいた頃、店の外でうちわが売られていた。
「いくらですか」
「2000W(約200円)です」
「高ーい!」
「―――」
「1000Wのものはないですか」
 無言で、変わり栄えのしないうちわを差し出す店長さん。
「コレください」

 高いとケチつけてからは(?)、店長さんは始終無言で、買ったのにありがとうの一言もなし。

 それにしても私もたかだか200円のものを買うのに値切るようになってしまった。東京にいたころは値切ったことなどなかったのだが。
 しかしここ韓国では、相手の言い値通りにハイハイとは買いたくない気がするのである。
 夫などはいつも値切りたおしていて、相手の言い値で買ったことはない。

「2000Wを1000Wにしてもらって買ったよ」
 と自慢げに、うちわを夫に見せると、
「こんなものだったら、ただでもらえるよ」

 ひょえーーーどこで??? 私の韓国化もまだまだである。

 夫はこの文房具屋さんで、A4用紙を値切って買ってくれた。
「以前は○○Wで買いましたよ」と高飛車に出たらしい。
 店長は同じ種類のものは在庫がない云々と言い訳をしたそうだが、強気の夫に負けて、安くしてくれたそうである。


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